セブンイレブンの新商品「出来立てスムージー」と「焼きたてパン」が話題です。なぜこれほど人気なのでしょうか?本記事では、がっちりマンデーで紹介(2024年7月7日放送-TBS系)された、セブンイレブンの革新的な商品開発の秘密に迫ります。鮮度へのこだわりと最新技術の融合が、どのようにして実現されたのか。その裏側を知ることで、コンビニの未来が見えてくるかもしれません。
セブンイレブン5兆円企業の新戦略:出来立て商品ラインナップ
セブンイレブンが2023年度に達成した5兆3452億円という驚異的な売上高をご存知でしょうか。この数字は、10年前と比べると約1兆3000億円も増加しています。つまり、年間平均で1300億円ずつ売上を伸ばしてきたことになります。
この成長の背景には、常に新しい商品開発に挑戦し続ける姿勢があります。特に近年注目を集めているのが「出来立て」商品のラインナップです。2013年に登場した挽きたてコーヒー「セブンカフェ」、2021年から始まった揚げたてカレーパンに続き、新たに登場したのが「スムージー」と「焼きたてパン」です。
これらの商品は、単に新しいだけでなく、コンビニエンスストアの常識を覆す画期的なものばかりです。セブンイレブンは、鮮度と美味しさにこだわった商品開発で、他社との差別化を図っているのです。
話題沸騰!セブンイレブンの新鮮スムージーとは
2023年3月に発売されたセブンイレブンのスムージーは、瞬く間に人気商品となりました。発売から2024年2月までの約11ヶ月間で累計3400万杯を売り上げるという驚異的な数字を記録しています。
このスムージーの特徴は、店頭で作りたての味を楽しめること。カップの中に凍った野菜や果物が入っており、購入後にレジ横の専用マシンで70秒かき混ぜると完成します。
現在、ベリーベリーヨーグルトスムージー(330円)、いちごバナナソイスムージー(330円)、グリーンスムージー(300円)の3種類が展開されています。鮮度の高さと手軽さが評価され、2024年7月には取り扱い店舗が1万8千店舗にまで拡大しました。
スムージー誕生秘話:8年の開発期間と専用工場の設立
セブンイレブンのスムージーは、2015年から構想が始まり、実に8年の歳月をかけて完成しました。商品開発担当の米田さんによると、「作りたての味を作る」というコンセプトのもと、従来の市販スムージーとは全く異なる製法が採用されています。
従来の野菜ジュースは工場で絞ったり混ぜたりした後、パックに詰めて冷蔵輸送されていました。しかし、セブンイレブンのスムージーは野菜や果物をいったん凍らせ、飲む直前にお店でかき混ぜて溶かすという新しい方法を採用しています。
この革新的な製法を実現するため、岡山県のアイスライン社は2年前にスムージー専用工場を設立しました。工場では、野菜や果物のピューレを金属製のキューブ容器で急速凍結させるなど、独自の技術が駆使されています。
アイスラインと熊本大同フーズが支える鮮度へのこだわり
セブンイレブンのスムージーの鮮度の秘密は、原材料の調達から凍結までのスピードにあります。例えば、グリーンスムージーに使用されるケールは、熊本県の大同フーズ社が自社栽培しています。
ケールは収穫後、時間が経つとえぐみが出るため、畑から30分以内に工場に運び込まれます。朝収穫されたケールは、その日の昼過ぎには冷凍加工が完了するという驚異的なスピードで処理されています。
このように、原材料の鮮度を極限まで保つことで、セブンイレブンは「作りたての味」を実現しているのです。
焼きたてパンで再び市場に革命を起こす
セブンイレブンは、スムージーの成功に続き、焼きたてパンの販売も開始しています。クロワッサン(170円)、チョコクロワッサン(190円)、メロンパン(160円)の3種類が展開されています。
この焼きたてパンの特徴は、工場から冷凍で届いたパンを店舗のオーブンで焼き上げ、注文が入ると再度焼いて提供するという点です。これにより、パン屋さんのような焼きたての香りと食感を楽しむことができます。
現在は約1000店舗で導入されていますが、今後さらに拡大していく予定です。
フジフーズの2億円マシンが生み出す極上クロワッサン
焼きたてパンの中でも特に注目を集めているのがクロワッサンです。その美味しさの秘密は、岩手県のフジフーズ社が開発した2億円もの専用機械「パラレルパイラー」にあります。
この機械は、クロワッサンの生地を折るのではなく、切って重ねるという画期的な方法で層を作ります。さらに、2500万円かけて導入された超音波カッターにより、生地を傷つけることなく精密にカットすることができます。
これらの技術により、パン屋さんのような美味しい焼きたてクロワッサンを、コンビニエンスストアで提供することが可能になりました。
永松文彦社長が語る、セブンイレブンの未来戦略
セブンイレブンジャパンの代表取締役社長である永松文彦氏は、新商品の導入による店舗オーナーへの負担について質問されると、「省人化できるところはどんどん省人化します。そのかわり人じゃなきゃできないところは人が対応する」と答えています。
永松社長は、スムージーマシンのように顧客がセルフで操作できるシステムを導入することで、店舗スタッフの負担を軽減しつつ、人間でなければできない「おもてなし」の部分に注力する方針を示しています。
また、コンビニエンスストアの無人化については、「省人化、省力化はやります。でもそれと無人化は違う」と述べ、人間による接客の重要性を強調しています。
まとめ:セブンイレブンが目指す「おもてなし」と技術革新の融合
セブンイレブンの成功の鍵は、最新技術を活用した商品開発と、人間ならではの「おもてなし」の両立にあります。スムージーや焼きたてパンといった新商品は、鮮度と美味しさを追求した結果生まれたものであり、同時に店舗スタッフの負担を軽減する工夫も施されています。
今後も、セブンイレブンは技術革新と人間味のあるサービスを融合させ、顧客満足度の向上と業績の拡大を目指していくことでしょう。コンビニエンスストア業界のリーダーとして、セブンイレブンの今後の展開が注目されます。
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