スポンサーリンク
テレビ番組・情報

【ブレイクスルー】遠藤仁が語るTOPPANの「限界突破の秘訣」3D細胞培養技術が変える未来

breakthrough-toppan-genkaitoppa
スポンサーリンク

印刷の枠を超えて医療や食品分野に挑戦するTOPPANと、その事業開発本部長である遠藤仁氏の革新的な取り組みをご紹介します。3D細胞培養技術によるがん治療への応用や培養肉の開発など、ブレイクスルーを生み出し続ける企業の秘密とは?創業125年の歴史を持つ企業がいかにして時代の変化に対応し、限界を突破し続けているのか、その戦略と展望に迫ります。

スポンサーリンク

TOPPANの遠藤仁が語るブレイクスルーの本質と挑戦の歴史

創業125年の歴史を持つTOPPANは、2年前に「凸版印刷」から社名を変更し、印刷の枠を超えた事業展開を積極的に進めています。TOPPANの事業開発本部長を務める遠藤仁常務は、「社名から印刷の文字を外したのは、印刷を捨てたわけではない」と強調しています。印刷業界全体が1990年代半ばをピークに縮小傾向にある中でも、TOPPANは着実に成長を続けているのです。

endoujin

TOPPANの事業開発本部長 遠藤仁常務                       (引用:「ブレイクスルー」より)

2025年現在、TOPPANは約5万4000人の従業員を抱え、世界150以上の拠点を持ち、売上高は1.7兆円に迫る巨大企業へと発展しました。遠藤仁氏が「TOPPANの強みはチャレンジ精神」と語るように、創業から脈々と続く挑戦の精神が同社の成長を支えています。

遠藤氏自身も41年前にTOPPANに入社した理由として、「広い事業領域で展開している会社だったから」と語っています。大学で学んだ有機合成の知識を生かせる可能性を感じ、自分の学びが活かせる場所として選んだといいます。この「可能性を信じる」という姿勢は、現在のTOPPANのブレイクスルーを生み出す土壌となっているのです。

スポンサーリンク

3D細胞培養技術で医療革命を起こすTOPPANの最先端研究

TOPPANの総合研究所では、テレビ初公開となる最先端の研究が日々進められています。特に注目されているのが「3D細胞培養技術」です。この技術は、細胞を立体的に積み上げて、人体の組織に近い状態を再現するものです。

3dsaibou-baiyou-gijyutu

3D細胞培養技術                                       (引用:「ブレイクスルー」より)

3D細胞培養プロジェクトリーダーの北野史郎氏は、「細胞を積み木のように積み上げて、立体的に組織を作成する技術」と説明しています。従来の平面培養では細胞単体でしか培養できず、組織としての機能を正確に再現できないという課題がありました。しかし3D細胞培養技術を使うことで、細胞が集まり体内組織に近い状態を再現できるため、より正確な薬剤効果の観察が可能になりました。

kitanosiro

3D細胞培養プロジェクトリーダー北野史郎氏                                  (引用:「ブレイクスルー」より)

 

TOPPANはこの技術を2016年から大阪大学大学院工学研究科の松崎典弥教授と共同で研究しており、2025年現在、がん治療への応用が大きな注目を集めています。この技術が実用化されれば、がん患者の負担を大幅に軽減する新たな治療法が誕生する可能性があるのです。

matuzakanoriya

大阪大学大学院工学研究科 松坂典弥教授                    (引用:「ブレイクスルー」より)

スポンサーリンク

バイオ材料の独自開発でがん治療に貢献するTOPPANの技術力

TOPPANの3D細胞培養技術の最大の強みは、がん患者の組織を複製し、様々な抗がん剤テストを行える点にあります。北野氏は「がん患者さんの組織をここに持ってきて、それを100個複製する。その複製したところに、何種類も抗がん剤を当てて、どれが効くか判定をしてしまう」と説明しています。

この技術の核となるのが、TOPPANと大阪大学の松崎教授が共同開発した独自のバイオ材料です。北野氏によれば「細胞の周りに糊をつける」ことで、通常は反発して剥がれてしまう細胞を積み木のように積み重ねることを可能にしました。

この技術の実現には、TOPPANが長年培ってきたパッケージの表面コーティング技術や異物検査の解析技術などの知見が活かされています。一見すると印刷とは無関係に思える医療分野でも、印刷テクノロジーの応用が革新的な成果を生み出しているのです。

3D細胞培養技術による抗がん剤検査は、今年度中に先進医療の申請が行われ、がん研有明病院での実施を目指しています。この技術が実用化されれば、患者の体への負担軽減や医療費削減、さらには患者のQOL(生活の質)向上にも大きく貢献することが期待されています。

スポンサーリンク

培養肉未来創造コンソーシアムで食糧問題に挑むTOPPANの挑戦

TOPPANの挑戦は医療分野にとどまりません。2023年には大阪大学や島津製作所などと共同で「培養肉未来創造コンソーシアム」を立ち上げ、食の未来を変える技術開発にも着手しています。

遠藤仁氏は「食糧資源、特にタンパク質クライシスが叫ばれていますので、そういったところにもこの技術がベースとなって社会貢献につながっていけばという思いを強く持っております」と語ります。近年、環境や食糧問題を意識し、大豆や小麦から作られる代替肉が普及し始めていますが、培養肉はさらに一歩進んだ技術です。

baiyouniku

近い将来 培養肉が食べられる?!                                 (引用:「ブレイクスルー」より)

 

培養肉の最大の特徴は、牛の細胞そのものを複製することで、最高級和牛もそのままの品質で再現できる可能性がある点です。北野史郎氏は、「ホールカットのステーキ、和牛のステーキをそのまま作ろう」と意気込みを語っています。TOPPANは3Dプリンター技術を駆使して、これまでペースト状や薄いものしか作れなかった培養肉を、筋肉、脂肪、血管まで複製した塊肉として製造することに2021年に成功しました。

遠藤氏は、「まだまだスピード感を含めて足りない」としながらも、積極的に海外展開も視野に入れた開発を加速させる意向を示しています。培養肉の実用化に向けては法整備などの課題もありますが、TOPPANは食の分野でも革新的な技術で世界に挑戦し続けているのです。

スポンサーリンク

フロントランナー制度が支えるTOPPANのイノベーション戦略

TOPPANが次々と新しい領域に挑戦できる背景には、企業文化として根付いた独自の制度があります。その代表的なものが「フロントランナー制度」です。遠藤氏は「こんなテーマやってみたいということを提案する制度」と説明し、3D細胞培養技術もこの制度から生まれたプロジェクトだと明かしています。

frontrunner

TOPPANのフロントランナー制度                             (引用:「ブレイクスルー」より)

このフロントランナー制度は2000年からTOPPAN総合研究所でスタートしたもので、組織の活性化や人材育成を図るため、若手社員が自発的に研究テーマを提案できる仕組みです。遠藤氏は「研究開発領域では自由な発想を重視しようということから、結構前から継続してきております」と語り、今後も続けていく意向を示しています。

また、TOPPANの研究所では部署の垣根を越えてアイデアを共有する文化も大切にされています。番組内では、それぞれ異なるテーマを研究している若手社員たちがほぼ毎日話し合いの場を設けている様子も紹介されました。遠藤氏はそんな若手たちに対して「チャレンジして失敗を恐れることなく、次の糧になると思いますので、ぜひいろんなチャレンジを続けてほしい」とエールを送っています。

スポンサーリンク

遠藤仁が考える変化のスピードと組織の限界を超える方法

急速に変化する社会において、TOPPANが直面している最大の課題は「変化のスピード」だと遠藤氏は指摘します。技術開発の種は蒔いているものの、「ボーダーに達していない部分がある」と自己評価し、さらなる加速の必要性を感じているといいます。

そのために遠藤氏が重視しているのが、外部との連携です。「もう今は1社で何かをしていく時代でもありませんし、スピード感を持って様々な事業環境変化に応じて事業を立ち上げたり成長させていくためには、外部との連携によって突破していくというのが、もう1つの必要な絶対的な条件だと思っています」と語ります。

実際にTOPPANでは2016年から国内外およそ70社以上のベンチャー企業に投資し、AIの技術や保険機能食品の開発など新たな分野を積極的に取り込んでいます。こうした取り組みが評価され、2025年1月には日本の名だたる大企業を抑えてオープンイノベーションに積極的な企業第1位に選ばれました。

また遠藤氏は「ブレイクスルーとは何か」という問いに対して、「限界を作らずに挑戦チャレンジし続けた結果として、そのブレイクスルーというものがあるに違いない」と答えています。そして「自分の限界が組織の限界にならないように常に気を遣って、組織全体が成長しながら限界なく挑戦し続ける、その先にそのブレイクスルーがあるんだと信じて取り組んでいきたい」と熱く語りました。

スポンサーリンク

カラーマネジメント印刷技術からデジタル文化へと進化するTOPPAN

TOPPANは長年培ってきた印刷技術を様々な分野に応用しています。その一例が、色合いや質感を忠実に再現するカラーマネジメント技術です。この技術を活用した「デジタル文化財ミュージアム」は、貴重な文化財を細部まで3Dで計測し、特殊なカメラを使って従来のカメラでは捉えきれなかった細かな質感まで実現しています。

昨年オープンしたデジタル文化財ミュージアム「KOISHIKAWA XROSS」(コイシカワクロス)では、奈良県にある金峯山寺の国宝「蔵王堂」や重要文化財「蔵王権現立像」をVRで再現しており、訪れた相場英雄氏(作家)も「没入感があって、すごいですね。リアルが」と驚きの声をあげています。

TOPPANの色合いや質感を忠実に再現するカラーマネジメント技術は、長年培ってきた高画質印刷の技術をVRの世界に広げ、臨場感や没入感を体感できる体験にまで進化させたものです。この設備はすでに東京国立博物館や中国の故宮博物院など国内外20ヶ所以上で採用されており、印刷技術が文化保存や新たな体験創出にも貢献しています。

さらにTOPPANは、3D ToFセンサーやメタレンズなど、印刷技術を応用した最先端技術の開発も進めています。特にメタレンズは、モルフォ蝶の羽の構造からヒントを得た超薄型のレンズで、スマートフォンのカメラの出っ張りを解消する可能性を秘めています。

スポンサーリンク

まとめ:ブレイクスルーを生み出し続けるTOPPANと遠藤仁の展望

TOPPANは創業125年の歴史の中で、印刷技術を核にしながらも常に新たな領域に挑戦し続けてきました。社名から「印刷」の文字を外したことは、印刷を捨てたわけではなく、むしろ印刷技術をさらに発展させ、様々な分野に応用していくという決意の表れといえるでしょう。

遠藤仁氏が牽引するTOPPANは、3D細胞培養技術によるがん治療への貢献、培養肉による食糧問題の解決、カラーマネジメント技術によるデジタル文化の創出など、社会の様々な課題解決に向けた技術開発を進めています。また、フロントランナー制度による若手の自発的な提案の重視や、外部企業との積極的な連携によるオープンイノベーションの推進など、組織としての挑戦も続けています。

遠藤氏は「自分の限界が組織の限界にならないように」と語り、組織全体の成長と限界なき挑戦の重要性を強調しています。その姿勢は、印刷局の若手技術者がスピンアウトして立ち上げた「技術ベンチャー」という創業の精神を、125年経った今も色あせることなく受け継いでいるといえるでしょう。TOPPANと遠藤仁氏の挑戦は、これからも多くの産業と私たちの生活に新たなブレイクスルーをもたらし続けることでしょう。

※本記事は、2025年4月26日放送(テレビ東京系)の人気番組「ブレイクスルー」を参照しています。
※先週の「ブレイクスルー」のTOPPANの記事はこちら

スポンサーリンク
スポンサーリンク
シェアする
スポンサーリンク

コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました