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テレビ番組・情報

【カンブリア宮殿】オンワードコーポレートデザイン村上哲「明るく前向き」でユニフォーム業界を変革

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2025年7月17日に放送されたテレビ東京「カンブリア宮殿」では、累計1000万人が着用するユニフォームを手がける異色アパレルメーカー、オンワードコーポレートデザインが特集されました。

村上哲社長の「明るく前向き」な経営哲学と、従来の常識を破る戦略で急成長を遂げている同社の全貌を、番組内容を基に詳しく解説いたします。

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オンワードコーポレートデザインとは?「会社そのものをデザインする」企業の全貌

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オンワードコーポレートデザインが手掛けたヤマト運輸ユニフォーム                     (引用:「オンワードコーポレートデザイン」HPより)

オンワードコーポレートデザインは、アパレル大手オンワードホールディングスの傘下にあり、BtoB向け事業を担う知られざる黒子企業です。同社の特徴は、単なるユニフォーム製造会社ではなく、「会社そのものをデザインする」という独自のコンセプトにあります。

2023年9月1日には、オンワード商事と株式会社オンワードクリエイティブセンターが合併し、現在の「オンワードコーポレートデザイン」として新たなスタートを切りました。東京都千代田区飯田橋に本社を構える同社は、総勢105人のクリエイティブスタッフを擁し、2000社以上の取引先を持つまでに成長しています。

同社の事業は大きく3つの柱で構成されています。まず主力のユニフォーム事業では、ヤクルトレディやヤマト運輸の配達員、ファンケルの店舗スタッフなど、誰もが知る企業の制服を手がけています。次に、企業のキャンペーン商品などで営業戦略を推進するインサイトセールス事業。そして空間デザイン事業も展開し、企業の課題を包括的にデザインで解決するという姿勢を貫いています。

特筆すべきは、既製品が多い業界において、同社が一社一社完全オーダーメイドでユニフォームを製作していることです。企業ごとにチームを組み、デザイナーが企業イメージをデッサンし、パタンナーが実際の形に落とし込んでいく工程は、まさに「会社そのものをデザインする」という理念を体現しています。

2024年度は180億円を突破し、右肩上がりの成長を続けているのも、この独自のアプローチが企業から高く評価されている証拠といえるでしょう。

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村上哲社長の経歴と「明るく前向き」な経営哲学の原点

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オンワードコーポレートデザインの村上哲 社長                                (引用:「カンブリア宮殿」より)

オンワードコーポレートデザインを率いる村上哲社長(58歳)は、異色の経歴を持つ経営者です。1990年に大阪産業大学を卒業後、オンワード樫山に入社した村上氏は、営業マンとして働きながら、同社のアメリカンフットボール実業団チーム「オンワードホークス」に所属していました。

東京ドームで開催された東日本優勝決定戦の映像には、背番号72として力強いプレーを見せる村上氏の姿が残されています。強豪チームでガンガンやっていた現役時代の体験が、後の経営スタイルにも大きな影響を与えているのは間違いありません。

しかし、営業マンとしてのスタートは決して順調ではありませんでした。半年間で獲得できた引き合いはわずか2件程度で、営業成績は「会社で最下位だったと思う」と本人も振り返るほどの苦戦ぶりでした。当時は銀行や証券会社の女性用事務服がメインだった時代で、新規顧客開拓を命じられた村上氏は、品川エリアの製造業を中心に飛び込み営業を続けていました。

転機となったのは、ある製造業の会社を訪問した際の体験でした。企業のイメージカラーは青なのに、作業着はグレーだったのです。当時の作業着はデザインよりも耐久性が重視されており、色落ちなどの問題から濃色系のものが少なかったのが実情でした。この現場を見た村上氏は、「働いている人が誇りに感じるワークウェア」の可能性を感じ取り、この分野の開拓に本格的に取り組むことになります。

現在の経営哲学である「明るく前向き」という考え方も、この苦労の時代から生まれました。村上氏は「暗い顔して人に相談するより、やっぱりこう明るく相談をした方が、相手も相談に乗ってくれますし、助けてくれる」と語っています。この明るさは社内にも浸透しており、同社のバリュー(価値)として「明るく前向き」という言葉が社員から自然に出てくるほどになっています。

社員とのコミュニケーションでも、必ず相手と目を合わせて話すことを重視し、「社長だと思っていない」と言われるほど親しみやすい人柄で知られています。この人間力こそが、2000社を超える取引先から信頼を得る原動力となっているのです。

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カンブリア宮殿で紹介されたユニフォーム事業の革新性と門外不出の技術

カンブリア宮殿では、オンワードコーポレートデザインの技術力の高さが具体的に紹介されました。特に注目されたのは、ヤクルトレディ専用に開発された「門外不出のオリジナル素材」です。

開発を統括するヒットメーカーの林研介氏(ワークスタイルグループ)は、ヤクルトのために素材メーカーと2年をかけて特別な生地を開発しました。紫外線をカットする糸や速乾性のある糸など4種類を組み合わせ、特別な機能性を実現しています。さらに織り方にもこだわり、西陣織などで使われている手法を採用することで通気性を大幅に向上させました。

番組内の実験では、生地の下から風を送り発泡スチロールのボールを使って通気性をテストしました。その結果、ヤクルト専用生地の通気性は一般的な生地の実に3倍という驚異的な数値を記録しました。実際にヤクルトレディからは「サラサラしていて風も入ってくるので、他の家庭の洗濯物よりも一番早く乾く」「機能性とデザインが素晴らしい」という高い評価を得ています。

もう一つの技術革新として紹介されたのが、通信建設会社ミライト・ワンのために3年をかけて開発した「ハイパーアームブルゾン」です。高所作業などで安全性が重要な現場では、ユニフォームの機能性が作業効率や安全に直結するため、先方からの要望は60件以上に及びました。

特に課題となったのが、腕を上げ下ろしする際に裾が元の位置に戻るようにしてほしいという要望でした。普通の作業着では腕を上げると引っ張られ、裾がズボンから出てきてしまいます。林氏はストレッチ性のある生地を独自開発し、さらに脇の部分に赤い生地を足して体に合わせて立体的に縫製する工夫を凝らしました。

着用試験では、ミライト・ワンの植村翔さん(総務人事本部)が「引っかかる感じがなくて超快適」「身だしなみが悪くならないのでとても助かる」と絶賛し、4万着を製作して翌年度から着用予定となりました。

こうした技術開発の背景には、単にユニフォームを作るのではなく、着用する人の働きやすさと企業のブランドイメージ向上を両立させるという同社の姿勢があります。

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焼肉きんぐの肉柄グッズから見る斬新な企画力とアイデア戦略

オンワードコーポレートデザインの革新性は、ユニフォーム分野だけにとどまりません。ソリューショングループの長谷川慎氏が手がける販促品事業では、従来の常識を覆すアイデアで話題を集めています。

その代表例が、全国352店舗を展開する焼肉チェーン「焼肉きんぐ」との取り組みです。食べ放題3168円からという圧倒的なコスパで人気を集める同店のために、長谷川氏が考案したのは来店回数に応じた特典としてもらえるオリジナルキャップでした。

しかし真の話題作となったのは、お正月の福袋用に作られた「肉柄シリーズ」です。パッと見ると本物のお肉にしか見えないのに、開けると全面肉柄のタオルになっているという驚きのアイデア商品でした。さらに肉柄のクッションも開発し、毎年肉柄シリーズを投入すると、ファンが待ちわびるようになり、売り切れ店が続出するほどの人気商品となりました。

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このアイデアの源泉について長谷川氏は「まず常識を振り切って、お客様が考えつかないようなこともやってみて、どういう風にその会社をデザインできるかを考えている」と語っています。単なる販促品ではなく、企業の新たな魅力を創造するという発想が、こうした斬新なアイデアを生み出しているのです。

他にも、カレーチェーン「ココイチ」とは伝票のようなメモ帳を作成し、紙がなくなるのを知らせるピンクの縁取りまで忠実に再現するという細部へのこだわりを見せています。さらに、30年前にブームになったサントリーの「ボスジャン」も同社が手がけていたという事実も明かされ、長年にわたって企業の話題作りに貢献してきた実績が証明されました。

こうした知恵を絞ったデザインにより、企業の認知度向上やブランディングに大きく貢献している同社の企画力は、まさに「会社そのものをデザインする」という理念を体現したものといえるでしょう。

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ANA・ドトールとの環境配慮型ユニフォーム開発|ペットボトルリサイクルとルームシューズ

オンワードコーポレートデザインの技術力は、環境配慮の分野でも注目を集めています。特に全日空(ANA)ドトールとの取り組みは、リサイクル技術を活用した革新的な事例として話題になりました。

ドトールでは、2024年に新しいユニフォームを導入しましたが、その原料が非常に特別でした。石垣島で社員たちが拾い集めた海岸漂着ペットボトルを原料として使用したのです。この取り組みを提案したのがオンワードコーポレートデザインで、ごみのペットボトルからユニフォームを作ることで、ドトールの環境への姿勢を表現しました。

ドトール社員からは「ユニフォーム変わったんだねと声をかけていただいた時に、元々はペットボトルだったんですよと、そういう取り組みをしている会社なんだなって知ってもらうこともできた」という声が聞かれ、環境配慮が企業のブランディングにも繋がっていることが分かります。

一方、ANAとの共同開発で生まれたのが、予約倍率52倍という大人気商品のルームシューズです。このルームシューズの材料は、飛行機の座席シートに使われていた生地を再利用したものでした。毎月一定数廃棄していた座席シートの生地を、「何か活用できないか」というANAの相談から生まれたアイデアでした。

製作を担当したのは山形県内の縫製工場「株式会社 後藤」のベテラン職人たちです。後藤重美会長は「数ミリ違いもなく縫わないと、わずか1ミリの違いで履き心地が左と右で違う。恥じない製品を作らないといけない」と語り、職人気質の高さを物語っています。

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株式会社後藤の後藤重美会長                         (引用:「株式会社後藤」HPより)

この技術力が評価され、販売開始と同時に予定数の52倍の申し込みが殺到する人気となりました。さらに、ルームシューズ製作時に出た端材を使って、様々なシート生地がモザイク柄になったクッションも開発し、無駄を出さない循環型の商品開発を実現しています。

これらの取り組みについて村上社長は「企業様がこういう取り組みをしたいという『ありたい姿』『なりたい姿』をご提供できることが我々の目指すところ」と語り、単なる製品提供ではなく、企業の理念や価値観を形にする支援をしていることが伺えます。

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飛び込み営業から社長へ:村上哲の成功ストーリーとワークウェア開拓

村上哲氏の成功ストーリーは、まさに地道な飛び込み営業から始まりました。1990年の入社当初、「アポを取るのであれば、もう行っちゃった方が早い」という考えで、品川エリアの製造業を3駅分歩き回る日々でした。

しかし当初は下調べもしていないため、「うちの会社が何をしている会社か分かって来ていますか?」「うちの会社がどういう制服を着ているか知っていますか?」と問われ、「すいません、存じ上げておりません」と答える有様で、門前払いも多かったといいます。

転機となったのは、企業のイメージカラーは青なのに作業着はグレーという現場を目の当たりにしたことでした。「これを変えていくビジネスを組み立てられないか」と考えた村上氏は、油汚れが落ちやすい生地を使い、企業のイメージカラーに合わせたユニフォームの提案を始めました。

目指したのは「働いている人が誇りに感じるワークウェア」で、「お客様のお客様が見た時に、かっこいい、ものすごいイメージが上がるようなものにしなくちゃいけない」という信念で開発を進めました。この企業イメージを発信するユニフォームというコンセプトが時代と合致し、次第に選ばれるようになったのです。

2004年には全日空での採用が決まり、その後もJR貨物などの大口顧客を次々と獲得していきました。特に印象的なエピソードとして、超大手自動車メーカーでの営業が挙げられます。当時はセキュリティが今ほど厳しくなく、壁にかかった内線番号を適当に押したところ、たまたまユニフォーム担当の方に繋がったのです。

その際、事前に調べ上げていたユニフォーム情報について話したところ、「よく知っていますね」と評価され、「ぜひご提案を」という流れになりました。コンペの結果、オンワードに決定しましたが、その時に学んだのは細部への配慮の重要性でした。

例えば、車を洗車する作業がある現場では、金属ボタンが車に当たると傷がついてしまうため、カバーリングできるボタンの仕様にするなど、現場の実情に合わせた設計が必要でした。「ボタン一つ取ってみても、場合によっては車を洗車しなくちゃいけない。これが当たってしまうと車に傷がついてしまう。そこまでやっぱり作り上げていくのは必要」という経験から、徹底的な現場主義が生まれました。

現在もワークウェアの進化は続いており、東レの研究施設では大成建設のワークウェアのゲリラ豪雨対応テストが行われました。5分間の豪雨実験でも、ワークウェアの下は完全に乾いた状態を維持し、「隙間があるとやっぱり入ってきてしまうから、この隙をいかになくせるかが究極のワークウェア」という村上氏の言葉通り、技術革新への取り組みは現在も継続されています。

かつて成績最下位だった営業マンが本格的に開拓したワークウェア分野は、現在では同社売上の3割を占める主力事業に成長し、村上氏の先見性と執念深い営業力が実を結んだ形となっています。

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2000社との取引実績|オンワードコーポレートデザインが選ばれる理由

オンワードコーポレートデザインが2000社を超える企業から選ばれ続ける理由は、単なる技術力だけではありません。同社独特の顧客に寄り添う姿勢と、長期的な視点でのサポート体制にあります。

まず重要なのが、コンセプト決定における綿密なディスカッションです。村上社長は「今の現状の仕事場の問題というのは、まず聞かせていただいて、そこはもう必ずクリアしなくちゃいけないところ」と語り、現場の課題解決を最優先に置いています。その上で「その会社として、例えば環境に対してこういうことを考えているとか、自社製品がこうだから、こういうカラーリングをユニフォームにも落とし込みたいとか」といった企業理念や価値観を織り込んでいく手法を取っています。

医療従事者向けユニフォームの開発では、特に高い技術力が要求されます。「洗濯に耐える商品を作り上げるのがかなり大変で、医療従事者の方々の制服は当然着用されたら毎回クリーニングに回す。かなりハードな洗濯をされるので、色が移ってしまうとか、生地がダメになってしまわないような制服を作っている」と村上社長が説明するように、過酷な使用環境に耐える品質管理が不可欠です。

フルオーダーでの受注という独自のビジネスモデルも、顧客満足度の高さに繋がっています。「一般アパレルだと、どうしてもヒット商品、ヒットしない商品が出てきて、結果的にこれはヒットしないから売れないという形になるが、ユニフォームの場合は、このユニフォームを着用している期間は、この企業様は必ず着用される」という特性を活かし、安定した品質とサービスを提供しています。

また、企業ユニフォームは10年、中には20年着用される会社もあるため、「それを在庫も含めて、いろんな運用も含めてフォローしていく」という長期的なサポート体制も、選ばれる理由の一つです。

品質管理においても妥協は許されません。「襟が違っただけでもうアウトなので、かなり細心の注意を払いながら、設計、それから縫製の仕上がり等も見させている」という厳格な基準により、企業の要求に応えています。

従業員の意識向上効果も見逃せません。ファンケルでは新ユニフォーム導入により、エントリー申込者数が昨年対比1.7倍に増加しました。これについて村上社長は「昔はおそらくユニフォームイコールコストという考え方があったと思うが、昨今ではやっぱりその従業員の方への投資という捉え方が強まってきている」と分析し、「従業員の方のエンゲージメント(帰属意識)を高めて、こんなにおしゃれで、こんなに過ごしやすそうだったら行きたいなという思いが出てくる」と効果を説明しています。

こうした総合的なアプローチにより、オンワードコーポレートデザインは単なる制服メーカーではなく、企業の課題解決パートナーとしての地位を確立しているのです。

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まとめ

2025年7月17日のカンブリア宮殿で紹介されたオンワードコーポレートデザインは、村上哲社長の「明るく前向き」な経営哲学のもと、ユニフォーム業界に革新をもたらしている企業です。

成績最下位の営業マンから社長にまで上り詰めた村上氏の飛び込み営業精神と、「会社そのものをデザインする」という独自のコンセプトにより、2000社を超える取引先から信頼を獲得しています。

ヤクルトレディの門外不出のオリジナル素材開発から、焼肉きんぐの肉柄グッズ、ANAのルームシューズ、ドトールのペットボトルリサイクルユニフォームまで、技術力とアイデア力を兼ね備えた同社の取り組みは、単なる制服製造を超えた価値創造を実現しています。

2024年度は180億円を突破という好調な業績の背景には、フルオーダーでの製作体制と長期的なサポート、そして常に現場の課題に寄り添う姿勢があります。従業員のエンゲージメント向上から企業ブランディングまで、ユニフォームが果たす役割の可能性を広げ続けるオンワードコーポレートデザインの今後の展開に注目が集まります。

※ 本記事は、2025年7月17日放送(テレビ東京系)の人気番組「カンブリア宮殿」を参照しています。
※ オンワードコーポレートデザインのHPはこちら

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