2025年11月16日放送の「がっちりマンデー！！」で紹介された「富士の輝」をご存知ですか？山梨県の志村葡萄研究所が開発した次世代のシャインマスカットと呼ばれるこの黒ぶどうは、糖度25度、価格は最高2万円という驚異のスペックを誇ります。この記事では、志村晃生社長が宝くじより困難な新品種開発に成功した秘密と、富士の輝の魅力を徹底解説します。
志村葡萄研究所が開発した「富士の輝」とは?次世代のシャインマスカット
富士の輝は、山梨県の志村葡萄研究所が開発した次世代エース品種として、今ぶどう業界で大きな注目を集めています。
次世代のエースブドウ品種「富士の輝」 （引用：「がっちりマンデー」より）
見た目は漆黒色の巨峰のような高級感あふれる黒ぶどうで、その最大の特徴は圧倒的な甘さです。糖度は平均25度と、シャインマスカット（平均20度）より5度も高い数値を記録しています。これは一般的な果物の中でもトップクラスの甘さで、濃厚でコクのある味わいと、巨峰のような強い香りが特徴です。
サイズもシャインマスカットの1.25倍と大きく、一粒一粒に食べ応えがあります。番組内では、ゲストの加藤浩次さんが「シャインマスカットよりこっちのが好きだわ」と絶賛し、大沢あかねさんも「みんなそうだと思います」と同意するほどの美味しさでした。
販売価格は4,000円から20,000円の間で、年間約1万房が販売されており、志村社長によると「飛ぶように売れる」そうです。高級フルーツ市場において、シャインマスカットの次を担う品種として、すでに確固たる地位を築きつつあると言えるでしょう。
富士の輝がシャインマスカットを超える3つの理由
富士の輝が次世代のエースと呼ばれる理由は、単なる美味しさだけではありません。
第一に、圧倒的な糖度の高さです。平均25度という数値は、シャインマスカットの20度を大きく上回り、ぶどうの中でも最高クラスです。この甘さは、濃厚でコクのある味わいを生み出し、一度食べたら忘れられない美味しさを実現しています。
第二に、サイズの大きさです。シャインマスカットの1.25倍という大きさは、見た目のインパクトもさることながら、食べ応えと満足感を大幅に向上させています。ギフト需要においても、この大きさは大きなアドバンテージとなるでしょう。
第三に、黒ぶどう特有の香りと風味です。シャインマスカットは爽やかな味わいが特徴ですが、富士の輝は巨峰のような強い香りと濃厚な味わいが楽しめます。これは、黒ぶどうを好む層に強く訴求できる要素であり、市場の幅を広げる可能性を秘めています。
価格帯が最高2万円という設定も、富士の輝の価値の高さを物語っています。高級フルーツ市場において、品質と希少性が価格を正当化しているのです。
志村晃生社長と志村葡萄研究所の実績|市場の半分の品種を開発
志村葡萄研究所を率いる志村晃生社長は、ぶどう業界では知らない人はいないほどの実績を持つ人物です。
志村葡萄研究所の志村晃生社長 （引用：「がっちりマンデー」より）
番組内で「売上は家3軒分くらい」と語った志村社長ですが、その真の凄さは開発した品種の数にあります。なんと、現在日本で主力品種として出回っている約50〜60品種のうち、半分ほどが志村葡萄研究所の品種だというのです。
これは驚異的な数字です。一般的に、ぶどうの新品種を1つ世に出すだけでも「宝くじ1等に当たるより難しい」と言われる中、志村社長はその困難を何度も乗り越えてきました。
山梨県はフルーツ王国として知られ、特にぶどうは日本一の生産量を誇ります。その山梨のぶどう農家の間で「次世代のぶどうを作っている会社がある」と噂になっているのが、まさにこの志村葡萄研究所なのです。
志村社長の強みは、品種開発に特化した研究姿勢にあります。多くの農家が栽培と品種開発の両立に苦労する中、志村社長は品種開発に全力を注ぐことで、圧倒的な成果を生み出してきたのです。
新品種開発は宝くじより困難!志村葡萄研究所の挑戦
ぶどうの新品種開発がどれほど困難か、志村社長の説明は衝撃的でした。「宝くじ1等が当たる確率よりも、世の中に1種類ぶどうが出る方が難しい」というのです。
その理由を詳しく見ていきましょう。
まず5月に、ぶどうに別のぶどうの花粉を受粉させますが、この時点で「奇跡的に受粉された種だけが新品種になる」とのこと。種が採れること自体が奇跡なのです。
万が一種ができたら、秋に回収し春先まで保管して畑に植えますが、「芽が出ない」ことがほとんどだそうです。つまり、種が採れても発芽しないという二重の壁があります。
仮に芽が出ても、そこからぶどうの木が育つまで3年かかります。さらにその木からぶどうが1房できるかどうかも、宝くじのような確率だといいます。
そして最も過酷なのが、奇跡が重なってぶどうが1房ついたとしても、「玉割れが激しい」「病気に弱すぎる」「味がしない」など、商品化できないケースがほとんどだということです。志村社長は「至難です」と一言で表現していましたが、その裏には想像を絶する苦労があるのでしょう。
さらに困難なのが、5月〜6月の受粉時期が、通常のぶどう栽培でも余計な実を間引くなど最も忙しい時期と重なることです。国や県、民間の農家も新品種開発を行っていますが、多くが栽培との両立に苦しんでいます。
「赤い弾丸」「ほほえみ」など他の新品種も続々誕生
志村葡萄研究所の凄さは、富士の輝だけではありません。次々と魅力的な新品種を生み出しています。
「赤い弾丸」は4年前に開発された赤ぶどうの新品種で、りんごのような風味が特徴です。このネーミングセンスも秀逸で、「赤い弾丸」という名前は消費者の印象に残りやすく、マーケティング的にも優れていると言えます。
新品種「赤い弾丸」 （引用：「がっちりマンデー」より）
「ほほえみ」は10年かけて開発された品種で、バラのような香りが口に広がる上品な甘さが特徴です。10年という開発期間は、志村社長の粘り強さと品種への情熱を物語っています。
新品種「ほほえみ」 （引用：「がっちりマンデー」より）
さらに番組では、まだ名前もついていない最新品種も初公開されました。これは今年できたばかりで、富士の輝の系統だそうです。このように、志村葡萄研究所では常に新しい品種の開発が進められており、日本のぶどう業界の未来を切り開き続けています。
今年できたばかりで名前もない新品種 （引用：「がっちりマンデー」より）
個人的には、このような多様な品種開発の姿勢こそが、志村葡萄研究所の強みだと感じます。一つの成功に満足せず、常に次の挑戦を続ける姿勢が、業界をリードする原動力になっているのでしょう。
朝4時から作業!諦めずにひたすら試しまくる開発哲学
では、志村社長はどのようにして、この困難な新品種開発を成功させているのでしょうか。
その答えは、驚くほどシンプルでした。「諦めないで、毎年毎年、品種改良に当たっている」ということです。
具体的には、朝4時から毎日働いているそうです。番組スタッフが「気が遠くなる作業」と表現したように、その労力は並大抵のものではありません。志村社長は「時間を惜しみながらやってます」と語っていましたが、この時間への執念が成功の鍵なのでしょう。
さらに驚くべきは、常に50種類以上の新品種を、数十本のぶどうの苗を並行して育てているということです。これは確率論的なアプローチとも言えます。宝くじ1等級の確率ならば、試行回数を増やすしかありません。志村社長はまさにそれを実践しているのです。
番組内で志村社長は「結果はすごいことやってますけれども、本当に運がいいんだなと思いながら、挑んでおります」と謙遜していましたが、加藤浩次さんが「運じゃないですよ」と即座に否定したのも頷けます。
この努力の積み重ねこそが、市場の半分の品種を生み出すという偉業につながっているのです。MCの加藤浩次さんが「志村さんぐらいいろんな例を見てきてる方でも、予想できないんですか?」と質問したのに対し、志村社長は「できないですね」と答えています。経験を積んでも予測不可能な世界だからこそ、諦めずに試し続けることが唯一の成功法なのでしょう。
まとめ
志村晃生社長が率いる志村葡萄研究所の「富士の輝」は、糖度25度、シャインマスカットの1.25倍のサイズという驚異のスペックを持つ次世代エース品種です。
新品種開発は宝くじ1等より困難と言われる中、志村社長は朝4時から作業を開始し、50種類以上を並行育成するという圧倒的な努力で、市場の半分の品種を生み出してきました。「赤い弾丸」「ほほえみ」など、魅力的な新品種も次々と誕生しています。
2025年11月16日放送の「がっちりマンデー！！」で紹介された富士の輝は、価格4,000円〜20,000円で年間1万房が飛ぶように売れており、シャインマスカットの次を担う品種として注目を集めています。
日本の果物輸出額が過去最高の354億円を記録する中、志村葡萄研究所の挑戦は、日本の果物業界の未来を明るく照らしています。諦めずにひたすら試しまくる開発哲学こそが、奇跡を生み出す唯一の方法なのかもしれません。
※ 本記事は、2025年11月16日放送（TBS系）の人気番組「がっちりマンデー！！」を参照しています。
※ 志村葡萄研究所の公式サイトはこちら
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