2023年12月17日放送の「がっちりマンデー!!(TBS系)」で、業界トップの売上高を誇る「焼肉きんぐ」を展開する(株)物語コーポレーションが紹介されていました。その人気の秘密を支えているのが、他社事例を取り入れたサービス革新と、社員が自由に意見交換できる独自の社内文化「明言のすすめ」です。会長から新入社員まで、階層に関係なく積極的にアイデアを表明することを奨励。加藤央之(かとうひさゆき)社長(37)自身も、そうした議論を後押しする姿勢が革新的なサービス開発の原動力となっているのです。他社の枠にとらわれないフットワークの軽さこそが、業界トップの座をつかむことができた要因なのかもしれません。
「焼肉きんぐ」は業界トップの売上を誇る
焼肉チェーン店「焼肉きんぐ」は、2023年6月期の年商が約770億円となっており、業界内売上高ランキング1位を誇っています。約200店舗を展開する同チェーンは、食べ放題メニューが大人気で、全国の店舗は常に満席状態です。人気の秘密として、豊富な130種類以上の食べ放題メニューや高級部位を使ったこだわりの焼肉がある一方、リーズナブルな価格設定が絶妙と言えます。
後発参入だったが他業界のサービスを取り入れ成長
実は「焼肉きんぐ」は、業界内では後発参入となる2007年にスタートした比較的新しいチェーン店なのです。しかしむしろ後発ゆえに、他業種先進企業のサービスを取り入れることで差別化を図り、目覚ましい成長を遂げることができました。
例えば店舗立地は、ファストフードチェーンのように住宅街の駅からやや離れた郊外ロードサイドを中心に出店。家族連れに人気のファミレス方式をまねることで新規顧客獲得に成功しました。さらにカラオケチェーンやファミレスで一般的なタッチパネル式注文システムをいち早く導入するなど、サービス面でも業界の枠を超えた取り組みが奏功しています。
また、ファミレスチェーンの定番手法である季節ごとのフェアメニューを取り入れるなど、業界慣習に囚われない柔軟なサービス展開が人気獲得に貢献しています。現在12月は北海道フェアを開催するなど、変化に富んだメニューが魅力のひとつとなっています。
「明言」という自由闊達な社内文化が革新的サービスを生み出す
物語コーポレーションでは、社員が自由闊達に意見交換できる独自の社内文化が確立しています。会長から新入社員まで、部署や役職に関係なくアイデアを表明することが奨励されています。ある会議では、階層にとらわれない活発な討論が交わされていました。しかし明言することで、互いの意見をぶつけ合うからこそ、より良い解が導き出されるのです。過去の成功事例にとらわれず、業界の枠を超えて自由な発想が許されるこの社内風土が、「焼肉きんぐ」の抜群のサービス開発を支えているのです。
まとめ
業界後発企業である「焼肉きんぐ」がトップへ駆け上がった最大の原動力は、他社事例を取り入れたサービス革新と、自由闊達な社内文化にあると考えられます。自分の意見を正々堂々と「明言」できる風土こそが、チェーン店の持続的な成長の源泉であることを、同社の成功は如実に示しているのです。今後も業界の枠や過去の成功にとらわれることなく、新しいサービスを創り続けていくでしょう。
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