「がっちりマンデー!」(2024年3月17日放送-TBS系)でも紹介された、三重県の伝統焼き物「萬古焼(ばんこやき)」のおひつは毎日の食卓の強い味方です。毎回手間をかけて炊き立てのご飯を作るのは大変。でもこのおひつなら、電子レンジで温めるだけで、いつでも本当に美味しい炊きたてのご飯が楽しめます。おひつに入ったご飯は冷蔵庫や冷凍庫で保存していても、本来のおいしさと香りを失うことがありません。伝統の技と現代のニーズを組み合わせたこのおひつは、日々の食卓に喜びをもたらしてくれるでしょう。
「萬古焼」は三重県の伝統焼き物、㈱ユニバーサル物産の看板商品になった理由
三重県北部の四日市市や菰野町で300年以上の歴史を持つ伝統工芸品「萬古焼」。その萬古焼を活用した「IWANOおひつ」が、株式会社ユニバーサル物産の人気商品となり、累計売上1億3,000万円、個数にして3万個を記録するヒット商品に成長しました。
この萬古焼のおひつがブレイクした理由は何だったのでしょうか。ユニバーサル物産の林恭史社長は「ドヤ顔しましたけど、すごいのあります」と自信たっぷりに語ります。
萬古焼のおひつの凄さは”ペタライト”が生み出す特殊な穴
萬古焼のおひつが他とは違う理由は、その製造工程にありました。三重県菰野町の(有)泰成窯(たいせいがま)代表の伊藤さんが教えてくれました。
「この陶器の中には細かい”気孔”が開いているんですね。穴です。それが調湿作用をするんです」
萬古焼には、目に見えないくらい小さな穴が無数に開いているのです。この小さな穴こそが、萬古焼のおひつの最大の特徴なのだそうです。
その秘密は、「ペタライト」という鉱物の粉末にありました。伊藤さんによると、粘土にペタライトを混ぜて焼成すると、ペタライトがわずかに溶けて粘土同士を固めるのですが、完全に溶けきらないため、隙間ができるそうです。この隙間こそが、おひつの中のご飯の水分を調節する小さな穴になっているのです。
「泰成窯」伊藤さんが作る萬古焼のおひつの製造過程
伊藤さんが代表を務める泰成窯では、このペタライトを使った萬古焼のおひつの製造が行われています。製造工程を簡単におさらいしましょう。
まず、粘土にペタライトを混ぜ合わせ、形を整えます。次に高温で焼成を行います。この過程でペタライトがわずかに溶け、穴が生まれるのです。焼き上がったおひつの表面には無数の細かい穴が開いています。
ちなみに、ペタライトは熱に強い性質を持っているため、萬古焼の製品は優れた耐熱性を発揮します。菰野町では昔から、この耐熱性を活かした土鍋なども作られていました。
萬古焼のおひつのバカ売れの秘密は”ご飯のおいしさ”にあり
さて、萬古焼のおひつが大ヒットした最大の理由は、なんと言ってもその機能性にありました。電子レンジで温めなおすと、たとえ2、3日前に炊いたご飯でも、まるで新鮮に炊きたてのようなおいしさと香りを楽しめるのです。
その理由はペタライトで生まれた無数の小さな穴にあります。冷蔵庫に入れておくと穴がご飯の水分を吸収し、電子レンジで温めると穴からその水分を放出するのです。このおかげでご飯の水分がベストな状態に保たれ、いつでも炊きたての美味しさが味わえるというわけです。
放送でも実際に2日前に炊いたご飯を温め直し、「すげえ、めちゃくちゃ美味しそう。香りがすごい、炊きたての香りじゃないですか」と驚きの声が上がっていました。
ユニバーサル物産の林社長いわく、このおひつは冷凍保存したご飯でも同様の美味しさが楽しめるそうです。忙しい現代人の強い味方になってくれる優れモノだと言えるでしょう。
まとめ:萬古焼のおひつは進化し続ける伝統工芸品
萬古焼のおひつは、長い歴史を持つ伝統工芸でありながら、時代にマッチした進化を遂げた製品だと言えます。
株式会社和えるの代表、矢島里佳さんも「発展していく産地って、その技術開発とともに、それを何に活用するのかっていうのをちゃんと時代を先読みしながら用途を転用していってるのがすごく大事」と語っています。
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