焼肉店を経営されている方や、これから開業をお考えの方必見です。外食業界で今、大ブームとなっている「ちゃん系焼肉」。このカウンター焼肉のビジネスモデルを取り入れることで、売上げを大幅にアップさせることができるのです。本記事では、「ちゃん系焼肉」と呼ばれる新業態の仕組みと、従来の焼肉店には無かった「がっちりマンデー!」(2024年3月31日放送-TBS系)に出演したその道の業界記者が指摘する5つの儲かるポイントを徹底解説します。ぜひ一読して、焼肉店経営の新たな道筋をつかんでください。
焼肉業界で話題の「ちゃん系焼肉」とは?通山茂之編集長が解説
2024年、外食業界で新たな波紋を呼んでいるのが「ちゃん系焼肉」です。この「ちゃん系焼肉」とは一体何なのでしょうか。外食業界の専門誌「月刊食堂」の通山茂之編集長に、その実態を伺いました。
「ちゃん系焼肉」の発祥は、大阪の焼肉店「焼肉やっちゃん」です。この店は三島正文社長が経営する三島コーポレーションのフランチャイズ店で、2024年現在、関西を中心に18店舗を展開しています。
通山編集長は「ちゃん系焼肉」について、「ある種の発明だと思います」と評しています。その理由は、従来の焼肉店とは全く異なるスタイルを取り入れていることにあります。
焼肉やっちちゃんでは、店内にカウンター席しかありません。調理スペースとカウンターが「L字型」のレイアウトで、まるでラーメン店のようです。お客様に出すお肉は、カウンター越しに直接手渡されるスタイルなのです。
“ラーメン屋さんのスタイル”を取り入れた三島正文社長の斬新なビジネスモデル
焼肉やっちゃんの斬新さは、そのビジネスモデルにあります。三島正文社長がヒントを得たのは、ラーメン屋のスタイルでした。
「ラーメン屋さんと同じことをやりたかったんですね、とにかく回転率を上げていく。」(三島社長)
ラーメン店同様、カウンター席しかないレイアウトにすることで、効率的な提供が可能になります。さらに、一人前のお肉の量を普通の2倍の超厚切りにすることで、お肉を出す回数が半分に減り、回転率が更に上がるのです。
その結果、普通の焼肉店が2回転であれば、焼肉やっちゃんでは5回転することもあるそうです。一方で、お客様の支払う単価は5800円と普通の焼肉店と変わりません。
「ラーメン屋さんをモデルにしてますけど、回転率は同じ。でも単価は焼肉の方が5、6倍は高いですよね。」(通山編集長)
つまり、ラーメン店並の高い回転率に、焼肉店の高い客単価を組み合わせた、極めて効率的な営業スタイルが実現できるわけです。
焼肉やっちゃんの”ちゃん系焼肉”に隠された5つの儲かるポイント
焼肉やっちゃんの”ちゃん系焼肉”には、さまざまな儲かるポイントが隠されています。
1.高い回転率 先述のとおり、ラーメン店スタイルのカウンターレイアウトと、厚切りのお肉で回転率を大幅に高められます。
2.低い人件費 小さな店舗で従業員2人でカウンター14席を回せるため、人件費が通常の3分の1ですみます。
3.良質な食材の提供や人件費が抑えられるため、その分の予算をお肉の質に回すことができます。人気の上タン塩は1人前2420円と高価格帯です。
4.低い初期投資 通常は居抜き物件を活用するため、低コストでの出店が可能です。
5.高い客単価の維持
ランチ営業は行わず夜営業のみにすることで、高い客単価を維持できます。
このようにちゃん系焼肉には、効率的な運営を実現するためのさまざまな工夫が凝らされているのです。
関西から全国に広がる「ちゃん系焼肉」人気の秘密に迫る
焼肉やっちゃんが大阪に1号店をオープンしてから間もなく、この斬新な”ちゃん系焼肉”のスタイルは関西を中心に急速に広まりました。関西には「たくちゃん」、関東には「あいちゃん」など、店名に「ちゃん」がつく同様のお店が次々と増えています。
そのブームの理由は何でしょうか。通山編集長は次のように分析しています。
「目の前で本当に分厚く切って出すんですね。肉を分厚く切るって、一目見てわかる価値じゃないですか。だからすごくわかりやすい価値を売っている。」
つまり、超厚切りのお肉を目の前で提供されるという体験価値の高さに、お客様も惹かれるのだということです。さらに、普通の焼肉店よりも小さな店で本格的な焼肉が楽しめるアットホームさも人気の一因かもしれません。
様々な業種がデフレ経済に苦しむ中、ちゃん系焼肉は合理的な経営手法とお客様ニーズをうまくマッチングさせ、大ヒットしているのです。
まとめ:焼肉屋のカウンター革命「ちゃん系焼肉」がブームの理由と儲かる秘訣
ここまで見てきたように、「ちゃん系焼肉」とは従来の焼肉店とは異なり、カウンター席のみで超効率的な運営を行う新しいスタイルの焼肉店のことを指します。
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