学校給食にかかせない”使い切り”の小袋入りジャム。その裏側には、子供たちに喜ばれる製品作りへの情熱と、献身的な改良の努力がありました。この記事では、「がっちりマンデー!」(2024年3月10日放送-TBS系)で紹介された、タカ食品の小袋ジャムが給食現場の課題を解決し、食育の質を高めてきた軌跡をご紹介します。適量で衛生的な”使い切り”サイズの小袋ジャムは、子供たちの健やかな成長を献身的にサポートしてきたのです。
学校給食で”使い切り”が大切な理由
学校給食では、生徒全員に公平に栄養を届けることが重要です。そのため、1人1人の分量を計る必要があります。大きな容器からジャムを分ける従来の方法では、後の生徒に行くほど分量が少なくなる恐れがありました。
また、衛生面の課題もありました。給食当番の生徒が大人の手を介さずに直接ジャムを扱うため、手の清潔さが保てないリスクがあったのです。
そこで、”使い切り”の個包装ジャムが登場しました。小袋入りならば、1人分の量を均等に保つことができます。開封前の密閉状態なので、衛生的に扱えるメリットもあります。この”使い切り”サイズのおかげで、給食の質が大幅に改善されたのです。
タカ食品の小袋入りジャムが誕生した経緯
1960年代、アメリカで液体食品の小袋入り包装が見られました。当時タカ食品を率いていた先代社長は、これを見てひらめいたそうです。給食現場の課題を解決できると気づき、小袋に充填する専用機械を自ら設計・製作したのです。
こうしてタカ食品から、日本初の給食用小袋入りジャムが誕生しました。手間がかからず、均等で衛生的な点が高く評価され、すぐに全国の学校給食で採用が広がりました。以来60年近く、タカ食品は給食ジャムのトップシェアを守り続けています。
小袋ジャムの進化で解決した課題
小袋ジャムには、開封時にジャムが飛び散るという課題がありました。特に子供が開ける際には、ジャムがこぼれ落ちてしまうことも多々ありました。
そこでタカ食品は、平成初期に小袋ジャムの設計を一新しました。開口箇所に飛び出した部分を設け、切り口が外に突き出す形状にしたのです。この「瓶口(びんくち)」の設計により、切り口からジャムが勢いよく飛び出すのを防げるようになりました。さらに分かりやすいよう、切り口部分に矢印マークも追加されました。
こうした地道な改良を重ねた結果、現在の使いやすい小袋ジャムの形ができあがりました。タカ食品は課題を解決し、より完璧な製品を作り上げてきたのです。
栄養士の声に耳を傾け地域のフルーツジャムを開発
学校給食の献立作成は、管理栄養士が中心となって行います。タカ食品は、これら栄養士の意見に常に耳を傾け、ニーズに応えるよう努めてきました。
例えば、最近では食育の観点から、地元の特産フルーツを使ったジャムの開発要望が多く寄せられているそうです。それに応えて、タカ食品では「とちおとめジャム」(栃木県産)や「あまおうジャム」(福岡県産)などの地域限定品を販売しています。
生産者の要望に柔軟に対応することで、タカ食品は全国約52,000校の学校給食現場で高い支持を得られているのです。
食育にも配慮した新フレーバー開発の可能性
タカ食品の大塚直社長は、今後の新フレーバー開発にも意欲的です。生徒や栄養士のニーズを的確に捉え、食育の視点からも新しい価値を提供していく考えです。
具体的には、明太子の風味を加えた「明太マヨジャム」といった斬新なアイデアも検討中だそうです(未公表)。生徒に人気が出そうな新製品を常に生み出し続けることで、さらなる給食の楽しみづくりに貢献できるはずです。
タカ食品には、これからも革新的で健康的な新製品を開発し、学校給食を通した食育を実践していく強い意欲があります。
まとめ:「使い切り」ジャムで給食の質向上に貢献
以上のように、タカ食品の小袋入りジャムは、均等で衛生的な”使い切り”サイズが大きな武器となり、学校給食の質の向上に大きく貢献してきました。
生徒に喜ばれる製品作りを追求し続けたことで、60年近い歴史の中で小袋ジャムは着実に進化を遂げてきました。開封時の飛び散りを防ぐ工夫や、地域の食材を活かした新フレーバー投入など、課題解決を続けながらラインナップを充実させています。
さらに、栄養士の意見に耳を傾け、食育の観点からも新製品開発を行おうとしています。学校給食に携わる全ての人々に寄り添い、健康で楽しい給食を提供し続けることが、タカ食品の大きな使命なのです。
確かな実績と革新性の両立により、タカ食品のこの小袋入りジャムは、今後もますます給食の現場で活躍していくことでしょう。
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