2025年4月6日にTBS系列で放送された「がっちりマンデー!!」では、絶好調の観光ビジネスの中で特に注目される「お土産ビジネス」に焦点を当てました。番組では東京駅一番街が日本一売れる「道」として紹介され、その驚くべき売上の秘密が明かされました。儲かるお土産ビジネスの成功事例として、今回はその内容をより深く掘り下げていきます。
東京ステーション開発の坪月商100万円を生み出す驚きの仕掛け
東京駅八重洲口の改札を出てすぐのところにある「東京駅一番街」は、年間2200万人もの人が訪れる大人気スポットです。この場所を運営する東京ステーション開発によると、年間売上高は約400億円にも達するとのこと。特に驚くべきは、店舗の坪月商(1坪あたりの月間売上)が平均100万円という数字です。
一般的な繁盛店の坪月商が30万円程度、コンビニ並みと言われる高水準でも50万円と言われる中、その倍の坪月商100万円を叩き出しているのは驚異的な成績と言えるでしょう。
この成功には、東京ステーション開発が20年以上前から「コツコツと」取り組んできた様々な工夫があります。番組では東京ステーション開発の宇田川享社長が、その秘密を明かしていました。
がっちりマンデーで明かされた東京駅一番街の儲かる作戦とは
「がっちりマンデー」の取材で宇田川社長が語ったのは、東京駅一番街が直面していた二つの課題でした。
一つ目は、新幹線ホームの下という制約された場所にあるため、店舗スペースが「細長い」という特殊な形状であること。東京駅一番街はJR東海の敷地内にあり、東海道新幹線のホーム下という限られたスペースでしか商売ができません。
二つ目は、改札から出口へと直進するだけで「素通り」されてしまうお客様が多いという課題です。いかにして人の流れを止め、お店に立ち寄ってもらうかが大きな課題となっていました。
これらの課題を解決するために、東京ステーション開発が考え出した作戦は、特徴を活かした「ストリート」形成と、「夕方5時」の行列作戦という二つの施策でした。
宇田川享社長が明かす細長い敷地を活かしたストリート作戦
宇田川享社長によると、かつては東京駅一番街の地下街では飲食店やグッズ店などが混在していました。しかし、「細長い」という敷地の特徴を逆手に取り、店舗を種類ごとにまとめる「ゾーニング」を行ったのです。
具体的には、以下のような特色あるストリートを形成しました。
- 東京のお土産を買える「東京ギフトパレット」
- 北海道から鹿児島のグルメが楽しめる「日本グルメ街道」
- 東京の名物ラーメンが並ぶ「ラーメンストリート」
- 日本で人気のキャラクターが並ぶ「東京キャラクターストリート」
特に「キャラクターストリート」については、当初バラバラにあった7店舗のキャラクターショップを大幅に増やして1つのゾーンにまとめることで、お客様にとって分かりやすい空間を作り出しました。
この「ストリート」という名前付けも重要なポイントです。細長い敷地を「ストリート」と呼ぶことで、お客様にとって回遊性が高く、目的地として認識されやすくなりました。実際、番組のVTRでは改札から出てきたお客様が「吸い込まれるように」東京駅一番街に入っていく様子が映し出されていました。
驚異の坪月商100万円を支える「夕方5時」限定商品戦略
東京ステーション開発のもう一つの巧妙な作戦が「夕方5時の大行列」です。東京駅一番街では、夕方5時になると多くのお店が一斉に「5時限定のスペシャル商品」を売り出します。
これを目当てに訪れるお客様が各店舗の前に行列を作り始めると、その光景自体が新たな集客装置となるのです。行列を見た別のお客様が「なんか美味しそう」と思って立ち寄るという心理を利用した巧妙な仕掛けです。
番組内では実際に、夕方5時前になると様々なお店の前に行列ができ始め、その様子を見た女性客が「いい匂いがしてきた」と反応する場面も捉えられていました。宇田川社長は「日本人の性として、やっぱり何かいいものがあるんじゃないかということで吸い寄せられる」と説明しています。
この「夕方5時」の行列作戦は、帰宅ラッシュの時間帯に合わせたタイミングも絶妙です。仕事帰りのビジネスパーソンや、旅行の帰りに東京駅を利用する観光客など、多くの人が行き交うこの時間帯を狙い撃ちにすることで、最大の効果を上げています。
東京ステーション開発が考案した行列作戦の効果
この「夕方5時」を中心とした行列作戦は、単に限定商品を提供するだけではなく、お客様の心理を巧みに利用した仕掛けとなっています。
行列ができることで「人気がある」「特別なものがある」という印象を与え、さらに多くのお客様を引き寄せる相乗効果を生み出します。また、行列に並ぶ時間が生まれることで、お客様の駅構内での滞在時間が延び、結果的に購買機会が増加するというメリットもあります。
宇田川享社長は番組内で「儲かってますので」と率直に語り、「がっちり!」と力強く締めくくっていました。この自信に満ちた表現からも、作戦の効果に確かな手応えを感じていることが伝わってきます。
さらに興味深いのは、この成功モデルが20年前から「コツコツと」取り組まれてきたという点です。一朝一夕ではなく、長期的な視点で顧客心理を分析し、改善を重ねてきた結果が今日の成功につながっています。
がっちりマンデーで話題!お土産ビジネスの儲かる仕組み
「がっちりマンデー」の番組内では、お土産ビジネス全体についても触れられていました。出演者の一人である坂口孝則氏によると、お土産は特にアジアを中心とした文化であり、日本人の「仲間意識」や「共同体」の強さがお土産購入の背景にあるとのことです。
これは東京駅一番街のような場所が単に商品を売る場所ではなく、日本文化の一部を体現する場として機能していることを示唆しています。観光客にとっては「そこでしか手に入らないグルメ」や「旅の思い出」を持ち帰る機会であり、特別な価値を提供するビジネスなのです。
番組内で紹介された東京駅一番街は、このようなお土産の文化的価値を最大限に活かし、さらに巧みな集客戦略を組み合わせることで、年間400億円という驚異的な売上を生み出しています。2025年現在も続く観光ブームの中で、このビジネスモデルはさらなる発展を続けているでしょう。
まとめ:東京ステーション開発の成功から学ぶビジネス戦略
「がっちりマンデー」で紹介された東京ステーション開発の成功事例から、ビジネスにおいて重要な示唆を得ることができます。
- 制約を強みに変える発想: 細長い敷地という制約を「ストリート」というコンセプトに転換し、むしろ特徴として活かしました。
- ゾーニングの重要性: 関連する店舗をまとめることで、お客様にとっての分かりやすさと回遊性を高めています。
- 時間帯を活かした戦略: 夕方5時という帰宅ラッシュの時間帯を狙った限定商品販売は、顧客心理を巧みに利用しています。
- 行列の力を活用: 人が集まる様子自体が新たな集客装置となり、さらなる購買意欲を喚起しています。
東京ステーション開発の宇田川享社長が20年以上前から取り組んできたこれらの戦略は、坪月商100万円という驚異的な成果につながりました。この数字は一般的な繁盛店の3倍以上、コンビニ並みと言われる水準の2倍にも達する驚異的なものです。
2025年4月6日放送の「がっちりマンデー!!」で紹介されたこの事例は、場所の制約や人の流れといった「ハンデ」を独自の発想で乗り越え、むしろ強みに変えていくビジネス姿勢の重要性を教えてくれます。
お土産ビジネスという日本文化に根差した領域で、東京ステーション開発が実践しているこのようなマーケティング戦略は、他の小売業やサービス業にも応用できる貴重なヒントを提供しているのではないでしょうか。
※本記事は、2025年4月6日放送(TBS系)の人気番組「がっちりマンデー!!」を参照しています。
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