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【クローズアップ現代】着手金トラブルと非弁行為「50億円被害の実態」広告会社の手口を追跡

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弁護士に依頼したのに着手金だけ取られて被害金は回収されない。NHK「クローズアップ現代」が追跡取材した「着手金トラブル」の実態をご紹介します。全国で8000人、50億円もの被害が発生している背景には、「非弁行為」と広告会社の存在がありました。この記事を読めば、悪質な弁護士事務所の見分け方と対策が分かり、二次被害を防ぐことができます。信頼できる弁護士選びのポイントを押さえて、安心して法的サポートを受けましょう。

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着手金トラブルの全容と被害規模〜8000人・50億円の衝撃

2025年5月14日に放送されたNHK「クローズアップ現代」では、弁護士による「着手金トラブル」の問題が取り上げられました。この問題は、詐欺被害者が弁護士に相談したところ、着手金だけを取られて被害金の回収がされないという二次被害の実態を明らかにしたものです。

NHKの独自調査によると、このような着手金トラブルは全国で相次いでおり、少なくとも8000人が巻き込まれ、その被害総額は50億円以上に上っていることが判明しました。この4年間で弁護士会から懲戒請求を受けたり、弁護士法違反の罪で起訴されたりした弁護士は全国に11人いるとのことです。

特に深刻なのは、詐欺の被害にあって精神的にも弱っている状態の人々が、さらに「弁護士」という信頼できるはずの存在から二次被害を受けるという点です。シングルマザーとして子どもを育てていた40代女性の例では、子どもの学費のために貯めた700万円を投資詐欺で失った後、その回収を依頼した弁護士に68万円の着手金を支払ったものの、1年経っても被害金は全く回収されず、連絡も取れなくなったというケースが紹介されました。

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クローズアップ現代が追跡取材!弁護士による着手金トラブルの手口

「クローズアップ現代」の追跡取材によって、着手金トラブルを引き起こしている弁護士事務所の手口が明らかになりました。これらの事務所は主にネット広告を活用し、詐欺被害者をターゲットにしています。

広告では「1000万円の回収に成功」などの実績を謳い、被害者の期待を高めるような表現が使われています。また、「24時間365日対応」「詐欺被害に強い」というフレーズや、金融庁・警察庁のバナーを貼るなど、信頼性を印象づける手法が用いられています。

番組で紹介された弁護士Aの事例では、約4000人から30億円に上る着手金を集めていたことが明らかになりました。依頼者に対しては被害金回収の仕組みとして、詐欺グループの口座凍結を銀行に依頼し、振込詐欺救済法に基づいて被害者に返還するという説明をしていました。しかし実際には、ほとんどの依頼者の被害金は回収されていません。

最終的に弁護士Aは破産手続きに入り、着手金の返還に当てる資金も残っていない状態となり、弁護士資格も失っています。依頼者たちからは「まさか弁護士から二重の被害を受けるとは思っていなかった」という悲痛な声が上がっています。

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非弁行為の仕組み〜弁護士資格がないスタッフが法律事務を行う違法状態

番組では、着手金トラブルの背景には「非弁行為」と呼ばれる弁護士法違反の問題があることも明らかにしました。本来、被害者との契約などの法律事務は弁護士本人が行わなければなりません。しかし、番組で取り上げられた事例では、弁護士資格のないスタッフたちが弁護士の名義を使い、電話やオンラインで契約を結んでいたのです。

弁護士法違反の罪で逮捕・起訴された弁護士Bの証言によると、彼は知人から被害金回収のビジネスを勧められ、「社会貢献ができて報酬も頂けるのでプラスになる」と考えて始めたといいます。高齢でネットの知識が乏しかった弁護士Bは、広告会社から紹介されたスタッフを事務所に受け入れ、ネット広告の運営はほぼ任せきりの状態だったといいます。

その結果、弁護士が1人しかいないのに「24時間365日対応」と広告に掲載されたり、別人の写真が使われたりするなど、実態とかけ離れた宣伝が行われていました。また、スタッフたちは別のオフィスを立ち上げ、そこで弁護士B名義で契約を結んでいたのです。

わずか8ヶ月の間に270人から1億円の着手金を集めた弁護士Bですが、依頼された被害金の回収はほとんどできていなかったといいます。

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広告会社の存在と着手金ビジネスの拡散方法

「クローズアップ現代」の追跡取材で最も衝撃的だったのは、一見無関係に見える複数の弁護士事務所が、実は同じ広告会社によってコントロールされていたという事実です。

番組では、弁護士Aの事務所で電話対応をしていた元スタッフの証言を紹介しています。この事務所では着手金ビジネスのノウハウについての研修が行われていたといいます。研修内容を記したメモによれば、着手金は一律で被害額の8.8%に設定し(これは複数の弁護士会によると高額な設定とのこと)、電話対応の際には「必ず取り返せます」とは言わずに「可能性がある」と説明するよう指導されていました。

さらに取材を進めると、この研修を取り仕切っていたのも広告会社であり、彼らが弁護士Aの事務所に関係者を派遣して講師役を務めさせていたことが分かりました。また、弁護士Aの事務所で働いていたスタッフの一部が弁護士Bの事務所、さらには弁護士Cの事務所へと移動していたことも明らかになりました。

弁護士Aと弁護士Bの事務所の通帳を分析すると、合わせて8億円余りがこの広告会社に流れていたことが判明。弁護士Bの場合、集めた1億円の着手金のほとんどが広告費として流れていたのです。この広告会社の社長は現在、中東のドバイに拠点を移し投資会社を経営しているという情報もあります。

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被害者を狙うネット広告の特徴と見抜き方

東京弁護士会で非弁行為の対策にあたっている小早川真行弁護士によると、こうした悪質な弁護士事務所のネット広告には共通の特徴があるといいます。

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東京弁護士会非弁提携弁護士対策本部の小早川真行弁護士              (引用:「NHK」より)

具体的なチェックポイントとしては以下が挙げられます。

  1. 弁護士が1人しかいないのに「24時間365日対応」「全国対応」などと表示している
  2. 「多くの回収実績」「お客様の声」として具体性に欠ける内容が書かれている
  3. 「詐欺被害に強い弁護士」など、実績が不明確なアピールがある
  4. 弁護士とは思えない人物の写真が掲載されている
  5. 金融庁や警察庁などの公的機関のバナーを不自然に貼っている

小早川弁護士は「普通の弁護士ではやらないようなことが見受けられる広告は注意が必要」と警告しています。また、弁護士に依頼する際は実際に弁護士事務所に行き、弁護士本人と話をして、紙の委任契約書に署名・押印するという基本的なプロセスを踏むことで、ほとんどのトラブルを避けられるとアドバイスしています。

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小早川真行弁護士が解説!着手金トラブルに遭わないための対策

番組に出演した東京弁護士会非弁提携弁護士対策本部の小早川真行弁護士によると、着手金トラブルの背景には司法改革の影響で弁護士が増加し、一部に仕事がない弁護士が存在することも関係しているといいます。その状況に「非弁業者」と呼ばれる広告会社が目をつけ、弁護士の社会的信用を利用したビジネスを展開しているのです。

小早川弁護士は、詐欺被害の回収事案では高額な着手金を設定できるため、悪質な業者にとって格好のターゲットとなっていると指摘しています。また、詐欺被害者が精神的に追い詰められた状態であるため冷静な判断ができなくなっている点も、このようなトラブルが広がる一因だと説明しています。

着手金トラブルに遭わないためには、以下の点に注意することが重要です:

  1. インターネットだけで完結する契約は避ける
  2. 弁護士と直接会って話をする
  3. 紙の委任契約書に署名・押印する
  4. 不自然に高額な着手金を請求される場合は要注意
  5. 即日の支払いを求められる場合は慎重に判断する

また、日弁連は今年2月に広告指針を改正し、弁護士の広告についてより積極的に指導できる体制を整えています。各弁護士会も倫理研修や資料配布を通じて、所属弁護士への啓発を進めているとのことです。

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着手金トラブルの被害に遭ってしまった場合の対処法

すでに着手金トラブルの被害に遭ってしまった場合、どのように対応すればよいのでしょうか。小早川弁護士は以下の手順を紹介しています。

  1. まず依頼した弁護士事務所に連絡し、委任契約の解除と着手金の返還を求める
  2. 返金に応じない場合や連絡が取れない場合は、その弁護士が所属する弁護士会に「紛議調停」を申し立てる
  3. 弁護士会が間に入り、問題解決を図ってくれるはず

弁護士Aのケースでは、着手金の返還を求めて裁判所に集まった被害者たちがいましたが、残念ながら弁護士Aは破産手続き中で着手金を返還する資金は残っていませんでした。このような最悪のケースを避けるためにも、早めの対応が重要です。

なお、弁護士法違反の疑いがある場合は警察に相談することも考慮すべきですが、弁護士が返金に向けて何らかの行為をしていたり、契約書に「必ず取り戻せるとは限らない」と記載がある場合には、詐欺罪の立証は難しいという現実もあります。

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まとめ:弁護士選びで注意すべきポイントと被害防止策

詐欺被害からの回復を目指して弁護士に依頼したにもかかわらず、さらなる被害に遭うという「着手金トラブル」。NHK「クローズアップ現代」の追跡取材によって明らかになったその実態は、広告会社が介在する組織的なビジネスとして展開されていることが分かりました。

被害を防ぐために最も重要なのは、弁護士との直接の対面による相談と契約です。ネット広告や電話だけでの契約は避け、必ず弁護士事務所に足を運び、弁護士本人と話をしましょう。また、不自然に高額な着手金や即日支払いの要求には慎重になるべきです。

弁護士全体からすれば非弁提携弁護士は1%にも満たないとのことですが、詐欺被害者という弱い立場の人々を狙った悪質なビジネスモデルであることには変わりありません。弁護士会や警察も対策を進めていますが、私たち一人ひとりが注意喚起情報を知っておくことが大切です。

困ったときに相談する弁護士は、信頼できる人物を選ぶことが何よりも重要です。ネット広告の情報だけに頼らず、弁護士会や知人の紹介など、複数の情報源から評判を確認することをおすすめします。そして何より、「絶対に取り戻せる」という甘い言葉には要注意です。被害回復には時間がかかることも多く、確実性を保証する表現には疑いの目を向けましょう。

適切な弁護士選びを通じて、詐欺被害からの回復を着実に進めていきたいものです。

※ 本記事は、2025年5月14日放送のNHK「クローズアップ現代」を参照しています。

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