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【ブレイクスルー】核融合発電ヘリカルフュージョン「2030年代実用化への挑戦」

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2025年8月30日放送のテレビ東京系「ブレイクスルー」で、作家・相場英雄氏が取材したのは、日本発の核融合技術で世界を変えようとするスタートアップ「ヘリカルフュージョン」でした。同社が目指すのは、まさに電力革命を起こす究極のエネルギー「核融合発電」の実用化です。スプーン1杯分の燃料で8トンの石油タンカーと同じエネルギーを生み出すという驚異的な技術について、その全貌を詳しく解説します。

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核融合発電とヘリカルフュージョンとは?後藤拓也が挑む究極のエネルギー

核融合発電とは、軽い原子の核同士を融合させる際に発生する膨大なエネルギーを電力に変換する技術です。現在の原子力発電がウランなど重い原子核を分裂させる「核分裂」を利用するのに対し、核融合発電は海水に含まれる重水素などを融合させる「核融合」を活用します。

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ヘリカルフュージョンの後藤拓也副CTO                              (引用:「ブレイクスルー」より)

番組に出演したヘリカルフュージョンの後藤拓也副CTOによると、核融合発電の効率は既存の火力発電と比較して約1500万倍という驚異的な数値を示しています。「スプーン1杯分ぐらいの核融合の燃料があれば8トンぐらいの石油タンカーと同じぐらいのエネルギーが出せる」という説明からも、その圧倒的なエネルギー密度が理解できるでしょう。

ヘリカルフュージョンは、国立核融合科学研究所からスピンアウトして2021年10月に設立されたスタートアップです。同社は日本が世界に誇る「ヘリカル式」核融合技術の社会実装を目指しており、2025年7月には新たに23億円の資金調達を発表しました。この技術は70年以上にわたる日本の核融合研究の集大成であり、世界初の定常核融合炉の実現に向けて着実に歩みを進めています。

核融合を起こすためには、1億度という超高温のプラズマを安定して維持する必要があります。これは太陽の中心温度に匹敵する極限状態であり、その制御技術こそが核融合発電実現の鍵を握っているのです。後藤氏が語る「70年ぐらいの研究成果がずっと積もってきて、ようやく我々これでいけるという自信を持って会社を立ち上げた」という言葉からは、長年の基礎研究がついに実用化の段階に入ったという確信が感じられます。

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ヘリカル式vs トカマク式「プラズマ維持3000秒の技術的優位性」

核融合発電の実現において最も重要な技術的課題は、プラズマの安定維持です。世界の核融合研究では「トカマク式」が主流となっていますが、ヘリカルフュージョンは独自の「ヘリカル式」で勝負しています。この選択には明確な戦略的意図があります。

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トカマク式VSヘリカル式                                   (引用:「ブレイクスルー」より)

トカマク式の世界最長記録は、フランスで達成された約1300秒(約22分)に留まっているのに対し、日本のヘリカル式はすでに実験で3000秒以上のプラズマ維持を確認しています。これは約50分間という長時間であり、事実上さらなる維持も可能だといいます。

後藤氏は「我々このヘリカルっていう方式にこだわってる最大の理由がですね、これあの非常に安定にこのプラズマを閉じ込めることができて、形はちょっと複雑なんですけども、作ってしまえば、もうあとは本当に1年間ずっとプラズマを安定作ることができます」と説明しています。

ヘリカル式の特徴は、二重螺旋状の超電導コイルによってプラズマを磁場の籠で包み込む構造にあります。この複雑な形状は一見デメリットに見えるかもしれませんが、一度構築すれば外部からの制御なしに安定したプラズマ維持が可能になるという大きな利点があります。発電所として1年間連続運転が求められる商用化を考えれば、この安定性は決定的な優位性となるでしょう。

世界が主流のトカマク式に注力する中で、あえて独自路線を選んだヘリカルフュージョンの判断は、日本の技術的強みを活かした戦略的な選択といえます。「数分とか、あの、それぐらいしか維持できてない」他の方式に対して、圧倒的な安定性を実現できるヘリカル式こそが、「唯一の解ではないかなと思ってます」という後藤氏の自信は、70年の研究蓄積に裏付けられたものです。

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2つの革新技術ブレイクスルー「液体金属ブランケットと蛇腹式コイル」

核融合発電の実用化には、プラズマの安定維持に加えて2つの革新技術の開発が不可欠です。ヘリカルフュージョンはこれらの課題に対して、独創的なソリューションを開発しています。

液体金属ブランケット技術

核融合反応で発生した熱エネルギーを受け止める「ブランケット」は、核融合発電の心臓部ともいえる装置です。従来の固体金属製ブランケットは、膨大なエネルギーによってすぐに損傷してしまうという致命的な課題がありました。

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液体金属の膜で耐久性を維持                             (引用:「ブレイクスルー」より)

ヘリカルフュージョンが開発したのは、加熱して液体状になった金属を壁面に流し続けることで、常に新しい膜で表面を覆う画期的な技術です。後藤氏の説明によると「そのブランケットの表面をですね、普通は金属の、あの、鉄の塊で作るんですけども、それを、あの、固体ではなくて、液体にすれば、あの、ずっとそれ流れていってくれるんで」という仕組みです。

2025年3月の実証実験では、錫などを溶かした液体金属を用いて、核融合に最適な金属の配合や温度を探る研究が続けられています。実際の核融合炉では1年間連続運転が必要になるため、「1年間ぐらいずっと安定して、あの、流れてくれるシステムが必要」という高い信頼性が求められています。

蛇腹式コイル技術

もう一つの技術的課題が、プラズマを閉じ込める二重螺旋状の超電導コイルの製造です。この複雑な形状のコイルを実現するため、ヘリカルフュージョンは日本企業とのオールジャパン体制で「蛇腹式コイル」を開発しました。

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蛇腹式コイル                                (引用:「ブレイクスルー」より)

フジクラと共同開発したこのコイルは、内部に厚さ数ミリの銅を150枚も重ねることで、大電流に対応しながら柔軟性を獲得しています。実際にコイルを触った相場氏が「曲がる曲がる曲がる」と驚いたように、この蛇腹構造により複雑な二重螺旋形状への加工が可能になりました。

2025年7月には東芝の子会社と基本契約を締結し、共同開発が本格化しています。また、2025年7月にはフジクラから高温超伝導マグネット基幹材料の追加調達も発表され、戦略物資のサプライチェーン構築に向けた動きも加速しています。

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後藤拓也の原点「被爆二世が描く核融合発電の未来」

後藤拓也副CTOが核融合発電に人生を捧げる理由には、深い個人的な背景があります。彼の原点を知ることで、この技術開発にかける並外れた情熱を理解できるでしょう。

「母親が、あの、広島生まれなんですね。生まれた直後に被爆をしているんですね」と語る後藤氏。被爆二世として生まれた彼は、原子力に対して複雑な感情を抱きながら育ちました。「やっぱり原子力に対してはすごく最初はネガティブなイメージを持ってる」という率直な告白からは、その葛藤が伝わってきます。

しかし、エネルギー問題への関心と原子力への理解を深めたいという思いから原子力を学び始め、そこで運命的に核融合と出会いました。「この核融合は実現できたらこれは素晴らしいものなんじゃないかと思って、で、これはぜひなんとかしたいなと思って、ま、その時の思いがもう今までずっと続いてる」という言葉には、研究者としての使命感が込められています。

高校時代から「やっぱりエネルギーとか環境問題っていうのはすごく大変なんだってこと」を意識していた後藤氏にとって、核融合発電は単なる技術開発ではありません。それは被爆の記憶を持つ家族への思い、そして人類のエネルギー問題を根本的に解決したいという強い願いが結実した、人生をかけたプロジェクトなのです。

番組最後に「後藤さんにとってブレイクスルーとは何でしょうか?」という質問に対して、「これをやり遂げたいって心」と答えた後藤氏。技術的な困難を乗り越える原動力は、特別な発明や発見ではなく、「目標のところに対してする強い思い」だという哲学は、彼の人生経験から生まれた重みのある言葉です。

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田口昂哉CEOが語る実用化スケジュール「2030年代発電開始への戦略」

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ヘリカルフュージョンの田口昂哉CEO      (引用:「ブレイクスルー」より)

ヘリカルフュージョンの実用化戦略を統括するのは、田口昂哉CEOです。彼が描く核融合発電実現への具体的なロードマップは、その現実性と野心的なスケジュールで注目を集めています。

田口CEOによると、実験完了まで「あと大体実験を終えるのに5年少しぐらい」、そして「実用化まではあと10年ぐらいでたどり着きたい」というスケジュールを設定しています。つまり2030年代には確実に発電を開始したいという明確な目標があります。

「2030年代には必ず発電行きたいと思ってまして、それをどれだけ縮められるかっていう戦いです」という言葉からは、単なる希望的観測ではなく、「キツキツのスケジュール」で計画を立てている現実的な経営判断が感じられます。

民間企業として核融合発電に取り組む意義について、田口CEOは「最近特に海外、含めて、新しい技術がどんどん出てきて、で、それによって実はその、以前は国でやらないといけない、あるいは国際協調でやらないといけないと思ってたものが、実はもっとスピーディーに、もっと新しい技術を使ってできるんじゃないか」という時代認識を示しています。

2025年6月には日本政府が「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」を改定し、民間による核融合開発を強力に後押しする方針を明確にしました。この国家戦略では「多様な方式の挑戦を促す」ことや、「我が国がサプライチェーンの構築を主導できるよう、官民が連携して取り組む」ことの重要性が強調されています。

田口CEOの戦略は、この政府方針とも合致しており、2025年4月には経済産業省のスタートアップ支援プログラム「J-Startup」にも選出されています。さらに2025年4月には三井金属鉱業とのブランケット共同開発契約、MiRESSOとのベリリウム調達に関する業務提携など、産業界との連携も着実に拡大しています。

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世界の核融合発電競争「日本のヘリカル式が世界の中心になれるか」

核融合発電を巡る国際競争は激化の一途をたどっており、ヘリカルフュージョンはその中で独自のポジションを確立しようとしています。世界の競争状況を俯瞰することで、日本の技術的優位性が見えてきます。

後藤氏によると、「元々核融合なかなか難しい技術でしたので、やはり先進国、ま、欧米中心に、あの、進んできていた」中で、「でもそれでも日本がかなりリードしてきた」という歴史的経緯があります。しかし近年の状況は変化しており、「昨今で言うと、やっぱり中国の勢いはすごく目覚ましい」という現状認識を示しています。

特に注目すべきは米国の民間投資の規模です。「アメリカで今一番大きくお金を集めてる会社さんはもう3000億円ぐらい民間から調達している」という状況に対して、ヘリカルフュージョンの23億円という調達額は決して大きくありません。しかし、技術的優位性において日本は独自の強みを持っています。

世界の主流であるトカマク式に対して、ヘリカル式は「非常に安定にこのプラズマを閉じ込めることができて」という根本的な優位性があります。この技術的差別化により、「世界の中心になれますか?」という相場氏の質問に対して、後藤氏は「なれると思ってます」「なるべきと言いますか。はい。あの、ヘリカルこそが、あの、まさに先ほど言った、あの、定常できちんと動く核融合炉になる。今んところは唯一の解ではないかなと思ってます」と自信を示しています。

ビル・ゲイツ氏やジェフ・ベゾス氏といった著名投資家が相次いで核融合分野に巨額投資を行う中で、資金力では劣る日本企業がどう戦うか。その答えは、70年間積み上げてきた技術的蓄積と、世界で唯一実用化に近づいているヘリカル式の優位性にあるといえるでしょう。

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原子力発電との安全性比較「ガスバーナーのような固有の安全性」

核融合発電の最大の魅力の一つは、従来の原子力発電とは根本的に異なる安全性です。福島第一原発事故の記憶が残る中で、この安全性の違いを理解することは極めて重要です。

後藤氏は原子力発電と核融合発電の違いを分かりやすく説明しています。「原子力発電所っていうのは、もう1年分とか数年分の燃料を、あの、ちっちゃなプラントの中に入れて、それをゆっくりゆっくり燃やしているので、制御を間違ってしまうとそれが全部解放されてしまって、ああいった大きな事故になってしまう」という現在の原子力発電の構造的リスクに対して、核融合発電は根本的に異なる仕組みです。

核融合発電は「例えるならガスバーナーみたいな感じで、その都度その都度必要な燃料を入れて燃やしてるような形」という説明が、その安全性を端的に表しています。つまり、「新たな燃料さえ入れなければ容易に停止できる」という構造により、暴走リスクが存在しないのです。

相場氏の「それで暴走するリスクはないってことですね」という確認に対して、後藤氏は「全く。はい」と断言しています。この固有の安全性こそが、核融合発電が「究極のエネルギー」と呼ばれる理由の一つです。

さらに、燃料面でも大きな違いがあります。原子力発電がウランやプルトニウムという放射性物質を使用するのに対し、核融合発電は「入手しやすい海水に含まれる重水素など」を燃料とします。放射線量も低く、「燃料も輸入せずに海から取れる」という資源的な独立性も重要な特徴です。

この安全性の違いは、社会受容性の観点からも決定的です。「一般社会ではまだ核融合っていうのは相当浸透してないと思うんですよ」という指摘に対して、後藤氏は「実際に発電ができてないっていうところに尽きる」と答えています。しかし一度実用化されれば、その安全性の高さが広く認知され、エネルギー政策の選択肢として大きな意味を持つことになるでしょう。

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まとめ

2025年8月30日の「ブレイクスルー」で紹介されたヘリカルフュージョンの挑戦は、まさに日本発の技術で世界のエネルギー問題を解決しようとする壮大なプロジェクトです。後藤拓也副CTOの「強い思いを持つこと」という信念と、田口昂哉CEOの現実的な事業戦略が融合することで、2030年代の核融合発電実用化という野心的な目標に向けて着実に歩みを進めています。

70年間の研究蓄積から生まれたヘリカル式の技術的優位性、液体金属ブランケットと蛇腹式コイルという2つの革新技術、そして原子力発電とは根本的に異なる安全性。これらの要素が組み合わさることで、スプーン1杯で8トンの石油タンカーに匹敵するエネルギーを生み出す「究極のエネルギー」の実現が現実味を帯びています。

世界が3000億円規模の投資で競う中で、23億円という限られた資金で挑むヘリカルフュージョンの戦いは、まさに技術力と情熱による挑戦といえるでしょう。被爆二世として核の平和利用に人生を捧げる後藤氏の物語は、単なる技術開発を超えた人間ドラマでもあります。

2030年代に日本から世界初の実用核融合発電が誕生するかもしれません。その時、私たちは人類のエネルギー史における新たな章の始まりを目撃することになるでしょう。ヘリカルフュージョンの挑戦は、まさに現在進行形のブレイクスルーなのです。

※ 本記事は、2025年8月30日放送のテレビ東京系「ブレイクスルー」を参照しています。
※ ヘリカルフュージョンのHPはこちら
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