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【カンブリア宮殿】ゆで太郎「そばチェーン1位」池田智昭の独自戦略

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2025年11月6日放送の「カンブリア宮殿で特集された「ゆで太郎」。なぜ郊外中心の出店で、富士そばや小諸そばを抜いてそばチェーン店舗数1位になれたのでしょうか?この記事では、池田智昭社長が仕掛けた独自戦略の全貌を詳しく解説します。読み終えた後には、外食チェーンの成功法則と、立ち食いそばの常識を覆したビジネスモデルが理解できるはずです。


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ゆで太郎がそばチェーン店舗数1位になった3つの理由

ゆで太郎は2025年時点で234店舗を展開し、名代富士そば(105店舗)、小諸そば(56店舗)を大きく引き離して、そばチェーン店舗数全国1位の座を獲得しています。

この快進撃を支える核心は、「郊外ロードサイド出店」「店内製麺による品質管理」「多時間帯集客の仕組み」という3つの独自戦略にあります。

一般的な立ち食いそばチェーンが駅前やオフィス街に集中する中、ゆで太郎は真逆の戦略を選びました。池田智昭社長は「立ち食いそばは立地が限られる。駅前かオフィス街以外はありえない」という業界常識を逆手に取り、誰も手をつけていない郊外市場に着目したのです。

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ゆで太郎システムの池田智昭社長                               (引用:「カンブリア宮殿」より)

さらに、そば粉55%という高い配合率での店内製麺、朝メニューやもつ次郎との併設による24時間営業態勢など、立ち食いそばの枠を超えた「街のそば屋」としての価値提供が、リピーターを生み続けています。実際、週に3〜4回来店する常連客も珍しくないといいます。

この3つの戦略が絶妙に組み合わさることで、ゆで太郎は「ブルーオーシャン」とも言える市場を切り開き、そばチェーン1位の地位を確立したのです。


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池田智昭社長とゆで太郎システム設立の経緯

池田智昭社長の経歴を知ると、ゆで太郎の成功が必然だったことが分かります。

明治大学卒業後、22歳で持ち帰り弁当チェーン「ほっかほっか亭」のフランチャイズオーナーとしてキャリアをスタート。その経営手腕が評価され、26歳で本社に入社し、取締役にまで昇進しました。店舗営業、出店戦略、フランチャイズ契約といった外食チェーンのノウハウを徹底的に学んだのです。

しかし46歳の時、ほっかほっか亭が買収され、新体制に賛同できず退社を決意。そんな時、以前から美味しいと思っていた「ゆで太郎」の創業者・故水信春夫氏から相談を受けます。

当時、水信氏が運営していた信越食品は33店舗を展開していましたが、各店の品質がバラバラで運営に悩んでいました。そば職人の店長が個人店感覚で店を切り盛りし、マニュアル化ができていなかったのです。

池田社長は実際に店で働きながら状況を確認し、「職人の本格的なそば作りをマニュアル化できれば一気に店を増やせる」と確信。水信氏に全国展開のためのフランチャイズ化を提案し、2004年にゆで太郎システムを設立しました。

水信氏から「好きなようにやっていい」と全面的な信頼を得た池田社長は、マスターフランチャイズ契約を結び、独自のゆで太郎ブランドを展開。ほっかほっか亭で培った経験を持つ部下たちも合流し、現在の経営陣を形成しています。


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ゆで太郎の独自戦略①「郊外ロードサイド出店」の成功

ゆで太郎最大の差別化戦略が、この「郊外ロードサイド出店」です。

池田社長は語ります。「ロードサイドは、お客さまが15kmぐらいは来る。わざわざ遠くからも来てくれる」。実際、売上1位の店舗は最寄り駅から徒歩40分という立地にもかかわらず、週末のお昼時には家族連れで賑わっています。

郊外出店の最大のメリットは、①商圏が広い、②家賃が都心部より安い、③出店できる立地がたくさんある、という3点です。立ち食いそば業界では「都心部、オフィス街か駅前じゃないとやっていけない」が常識でしたが、池田社長はその常識を覆しました。

店舗設計にも工夫があります。立ち食い用のカウンターは設けず、全て椅子席。4人がけテーブルを多く配置し、家族連れが入りやすい雰囲気を作り出しています。「郊外に立ち食いってありえないですから。街のそば屋という認識で店を作っている」という池田社長の言葉通り、外観も「安っぽく見せるように」あえて作り、日常食レストランとして入りやすさを重視しています。

大手チェーンも時々郊外に出店を試みますが、ほとんどが撤退しています。なぜゆで太郎だけが成功できたのか?それは次の「店内製麺」戦略と密接に関係しているのです。


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ゆで太郎の独自戦略②「店内製麺」へのこだわり

ゆで太郎の味の秘密は、各店舗に設置された製麺機による「挽きたて、打ちたて、茹でたて」の三たてにあります。

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店内製麵、打ち立て!                                  (引用:「カンブリア宮殿」より)

そば粉55%、小麦粉45%という配合は、一般的な立ち食いそば店のそば粉20〜40%と比べて圧倒的に高い数値です。そば粉を多く使うことで香りを引き立て、本格的な味わいを実現しています。

1回の製麺で105杯分を作り、ある店舗では1日7回製麺するといいます。風味を保つため作り置きはせず、「必要な分を必要な分だけ打つ」ことを徹底。出汁も店内で仕込み、カツオ節・サバ節・宗田節の3種類を合わせて一回20杯分しか作りません。

なぜセントラルキッチンを使わないのか?池田社長の答えは明快です。「品質がよく、鮮度が上がる。それから人に頼まないし運んでこないので、原価は安くなる。おそばであれば半分以下です」

さらに重要なメリットがあります。「大阪は今一軒しかないんですけど、一軒でもやれちゃう。セントラルキッチンだと運べる範囲が決まってしまうが、うちは一店舗でも二店舗でもどこでも開けることができる」

この店内製麺システムこそが、郊外展開を可能にした最大の要因です。村上龍氏が「成功してるのに、なんで他の店は真似しないんですか?」と問いかけた際、池田社長は「手作業で製麺してますけど、これが美味しさの秘訣。本気でやりますか?職人作業、本気でやりますか?っていうところ。結構執念持ってやれますか?」と答えています。

マニュアル化に5年をかけた池田社長の「執念」が、真似のできない参入障壁を築いているのです。


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ゆで太郎の独自戦略③「多時間帯集客」の仕組み

立ち食いそば店の弱点は、ランチ時に集中しがちな客足です。ゆで太郎はこの弱点を克服するため、朝と夜の時間帯にも独自の仕掛けを用意しています。

24時間営業の店舗では、午前11時までの朝メニューがお得になっています。朝限定のカレーセットは500円、焼きさばご飯セットは530円という価格設定で、夜勤明けのタクシードライバーや早朝から現場に向かう職人たちを取り込んでいます。

夕方以降の集客を支えるのが、2019年にスタートした「もつ次郎」です。これはもつ煮専門店として展開するダブルブランド戦略で、現在では9割のゆで太郎店舗に併設されています。

もつ煮定食はそばや小鉢などが付いて850円。仕事帰りの客層を狙った人気メニューです。池田社長は「もつは夜の補強になる。従業員一緒、ユニフォーム一緒、店舗の設備もほとんど変わらないので、ゆで太郎が落っこちないで、もつ次郎分だけさらっとおまけになった。大成功」と語ります。

既存の設備と人員を活用しながら、新たな客層と売上を獲得する。この効率的な戦略が、ゆで太郎の収益性を高めているのです。


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信越食品とゆで太郎システムの関係

ゆで太郎を語る上で欠かせないのが、元祖である信越食品との関係性です。

信越食品は1994年、東京八丁堀に立ち食いそば店を開業したのが始まりで、創業者は元ほっかほっか亭フランチャイズオーナーでそば職人だった故・水信春夫氏。本格的なそばを出す立ち食いそば店として都内を中心に展開し、現在23店舗を運営しています。

一方、池田社長が2004年に設立したゆで太郎システムは、211店舗にまで拡大。合計234店舗でそばチェーン全国1位となっています。

両社は別資本の別会社ですが、そば粉や出汁の基本の「返し」(醤油と砂糖で作る調味料)は同じものを使用。盛りそば、かけそば、かき揚げそばといった基本メニューは共通していますが、それ以外のメニューは異なります。

この違いについて池田社長は「信越食品さんは立ち食いそばなんですよ。そば屋が始めた立ち食いそばってのがゆで太郎の最初の姿で、私はそれを街のそば屋に戻したかった」と説明しています。

水信氏の作った本格的なそばの味を受け継ぎながら、池田社長が独自のビジネスモデルで全国展開を実現した。これが両社の関係性といえるでしょう。


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外国人正社員430人を活用する人材戦略

外食産業共通の課題である人手不足に対し、ゆで太郎は独自の解決策を持っています。

現在、外国人正社員が430人、日本人正社員が160人と、外国人社員が日本人社員を大きく上回っています。番組では、ベトナム出身で入社3年目のマイ・トゥイ・ニュンさんが副店長として活躍し、店長試験に挑戦する様子が紹介されました。

なぜ正社員として雇用するのか?池田社長は「仕込み量が店舗で多いので、短い時間のパートさんってそんなに欲しくない。正社員中心で採っていこうという戦略。長く働いてもらいたい。そうしないとスキルが上がっていかない。いちいち新しい人を採って教育するよりは、仕事ができる外国人を育てたい」と明言しています。

店内製麺という複雑な作業をマニュアル化し、外国人スタッフでも確実に実行できる体制を構築。教育やコミュニケーションには時間をかけ、長期的にスキルを磨いてもらう方針です。

この人材戦略は、ほっかほっか亭時代に培ったマニュアル化のノウハウがあってこそ実現できたものでしょう。68歳となった池田社長は「会社は引き継がないと経営者としてダメ。企業文化も残したいし、フランチャイズ加盟店もあるから、きっちり残してあげたい」と後継者育成にも意欲を見せています。


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まとめ

ゆで太郎がそばチェーン1位になった背景には、池田智昭社長の「常識を疑う力」と「執念」がありました。

郊外ロードサイドという未開拓市場への着目、店内製麺による品質と原価のバランス、多時間帯集客による収益最大化、外国人正社員の活用。これらすべてが、ほっかほっか亭で培った外食チェーンのノウハウと、そば職人の技をマニュアル化する5年間の努力によって実現しました。

池田社長は「消費者がもっと美味しいものを求めている。その時々に応じてどんどん変わっているわけですよ。変われないお店はあきれられちゃうかもしれない。いつも問題意識、もっと何かできないかと考えている」と語ります。

現在211店舗のゆで太郎システムですが、池田社長は「1000店やそこらはできると思う」と展望を語っています。立ち食いそばの枠を超えて進化し続けるゆで太郎の挑戦は、まだまだ続きそうです。

※ 本記事は、2025年11月6日放送(テレビ東京系)の人気番組「カンブリア宮殿」を参照しています。
※ 株式会社ゆで太郎システムの公式サイトはこちら

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