寒い季節、家族や友人と囲む鍋料理は日本の食文化の定番です。しかし、実は鍋の種類によって料理の味わいが大きく変わることをご存知でしょうか?2025年1月14日放送(テレビ東京系)の「LIFE IS MONEY」で、東京・浅草かっぱ橋で100年以上の歴史を誇る老舗「飯田屋」を訪ね、プロならではの鍋選びのポイントを特集して解説していました。
お鍋選びのプロ飯田屋が伝授!料理別おすすめ鍋5選
かっぱ橋の老舗「飯田屋」には、実に100種類以上の鍋が並びます。中でも特におすすめの5種類を、それぞれの特徴と相性の良い料理とともにご紹介します。
■寄せ鍋におすすめ:ステンレス製鍋(1,562円) 素早く火が回り、グツグツと煮込む料理に最適です。業務用でも人気が高く、コストパフォーマンスに優れた実用的な鍋です。価格も手頃で、家庭での普段使いにぴったりです。
■おでん・湯豆腐におすすめ:土鍋(4,200円) 熱伝導率が低く、じっくりと味が染み込むのが特徴です。一度温まると冷めにくいため、ゆっくり楽しむ料理に最適です。保温性が高く、食卓で時間をかけて楽しむ料理には欠かせません。
■キムチ鍋におすすめ:セラミック鍋(13,750円) 匂いが移りにくく、耐久性と耐火性に優れています。ガスコンロでもIHでも使用可能で、使い勝手が良いのが特徴です。価格は少し高めですが、長く使える優れものです。
■水炊きにおすすめ:アルミ製鍋(3,960円) 熱伝導率が高く、食材がすぐに温まるのが特徴です。特に鶏肉を使う水炊きでは、中まで確実に火を通すことができます。軽量で扱いやすく、高齢者やお子様でも安心して使えます。
■もつ鍋におすすめ:鉄製鍋(19,800円) 食材の旨みを逃がさず、特にもつのプリプリとした食感を引き出すのに最適です。価格は高めですが、一生モノの調理器具として人気があります。
老舗飯田屋の六代目・飯田結太が語る各種鍋の特徴と価格
東京・浅草かっぱ橋の飯田屋は、鍋処(なべどころ)の屋号を掲げる専門店です。店頭には100種類の鍋に加え、お玉は1000種類、おろし金は260種類と、まさに鍋料理のプロフェッショナルが選び抜いた調理道具が揃っています。
六代目社長の飯田結太氏は「鍋は料理の味を大きく左右する重要なアイテム」と語ります。価格帯は1,500円台から2万円超まで幅広く、それぞれの特徴を活かした使い分けがポイントだと指摘します。
熱伝導率で変わる!お鍋の選び方と料理の相性
鍋選びで重要なポイントとなるのが「熱伝導率」です。これは、どれだけ早く熱が伝わるか、そしてどれだけ熱を保つことができるかを示す指標です。
■熱伝導率が高い鍋(アルミ製・ステンレス製)
- 特徴:素早く温まり、冷めやすい
- メリット:短時間で調理できる
- 向いている料理:水炊き、寄せ鍋など、食材を手早く茹でる料理
■熱伝導率が低い鍋(土鍋・セラミック鍋)
- 特徴:じっくり温まり、冷めにくい
- メリット:長時間保温できる
- 向いている料理:おでん、湯豆腐など、じっくり味を染み込ませる料理
土鍋の8割を占める万古焼が危機!?知っておくべき現状
日本の土鍋生産の約8割を占める三重県の伝統工芸品「万古焼」。その特徴は高い耐火性と割れにくさにあります。この優れた特性は、以下の原料配合によって実現されています:
- 粘土:40%
- 陶石:20%
- ペタライト:40%
特に注目すべきは「ペタライト」という原料です。これはリチウムを含むレアメタルで、土鍋の耐熱性を高める重要な役割を果たしています。しかし、2025年現在、主要な輸入元であるジンバブエの鉱山が中国企業に買収され、日本への輸出が滞る事態となっています。
この状況を受け、各メーカーは代替材料の研究開発を進めていますが、万古焼の特徴である「割れにくさ」を維持しながら、ペタライトに代わる原料を見つけることは容易ではないようです。
まとめ
お鍋選びのポイントは、作る料理に合わせた素材選びにあります。
- ステンレス製:手頃な価格で扱いやすい、グツグツ煮込む料理に
- 土鍋:じっくり煮込む料理に最適、保温性抜群
- セラミック鍋:匂い移りしにくく、多用途に使える
- アルミ製:軽量で熱伝導が良い、手早い調理に
- 鉄製:食材の旨みを引き出す、一生モノの調理器具
プロも指摘するように、全ての鍋を揃える必要はありません。ご家庭での使用頻度や保管スペースを考慮し、2~3種類を使い分けるのが理想的でしょう。ぜひ、この記事を参考に、ご家庭に最適な鍋選びをしてみてください。
※本記事は、2025年1月14日放送(テレビ東京系)の「LIFE IS MONE ~世の中お金で見てみよう~」を参照しています。
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