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【ブレイクスルー】星川尚久が挑むダイヤモンド半導体「廃炉から未来産業へ」

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2025年7月5日にテレビ東京系で放送された「ブレイクスルー」では、作家・相場英雄氏が福島県大熊町を訪れ、次世代半導体の開発に挑む開拓者に迫りました。その中心にいるのが、大熊ダイヤモンドデバイス代表取締役の星川尚久氏です。彼が手がける「ダイヤモンド半導体」は、福島第一原発の廃炉作業という人類未踏の困難に立ち向かい、同時に未来の産業を切り開く可能性を秘めています。

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星川尚久とダイヤモンド半導体とは?「究極の半導体」の正体

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大熊ダイヤモンドデバイスの星川尚久CEO                          (引用:「ブレイクスルー」より)

星川尚久氏が代表を務める大熊ダイヤモンドデバイス株式会社は、2022年3月に設立された北海道大学・産業技術総合研究所発のスタートアップ企業です。同社が開発する「ダイヤモンド半導体」は、文字通り人工ダイヤモンドを材料とした次世代半導体で、「究極の半導体」と呼ばれるほど優れた特性を持っています。

従来のシリコン半導体は摂氏150度で機能しなくなってしまいますが、ダイヤモンド半導体は約500度の高温にも耐えることができます。さらに驚くべきは、その放射線耐性です。従来品と比較して1万倍もの放射線に耐えることができ、まさに過酷な環境での使用に特化した究極の材料と言えるでしょう。

星川氏は番組の中で「シリコンをダイヤモンドに置き換えて作るのがダイヤモンド半導体で、昔からポテンシャルは非常に高いと言われてきた」と説明しており、長年の研究開発の末に実用化の段階に近づいています。

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大熊ダイヤモンドデバイスが挑む廃炉への使命

大熊ダイヤモンドデバイスという社名は、福島第一原発のある大熊町に由来しています。これは偶然ではありません。同社の最大の使命は、福島第一原発の廃炉作業を支援することにあります。

廃炉作業の最難関とされるのが、極めて高い放射線量の燃料デブリ(溶融燃料)の回収です。推定880トンのデブリのうち、これまでに回収できたのは1グラムにも満たないという現実があります。この過酷な環境では、従来の電子機器が機能せず、作業は著しく困難となっています。

星川氏が開発している放射線センサーは、筒状の装置に数百枚のダイヤモンド半導体を取り付けたもので、作業時の線量を常に監視する役割を担います。このセンサーにより、「どこが危険で、どこが安全か」を正確に把握することで、効率的な廃炉作業の実現を目指しています。

星川氏は「どれが危険か分からないと、880トン全てを取り出して安全な処理をしようとすると莫大な予算がかかってしまう」と述べ、ダイヤモンド半導体による正確な測定の重要性を強調しています。

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ダイヤモンド半導体の驚異的な性能「従来品の1万倍の放射線耐性」

ダイヤモンド半導体の製造は、メタンガスを原料として行われます。基板をセットした装置内でプラズマを発生させ、ガスを分解して炭素を取り出し、結晶化することで高純度の人工ダイヤモンドが作られます。この過程は約1週間で完了し、想像以上に短期間で製造できることも特筆すべき点です。

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一番中心がダイヤモンドの半導体                          (引用:「ブレイクスルー」より)

現在、同社では製品化率90%という驚異的な成功率を達成しています。これは世界的にダイヤモンド半導体の製造成功率が10%程度と言われる中で、圧倒的な技術力を示すものです。

コスト面では現在まだ高額ですが、星川氏は「量が増えてくると劇的にコストが下がってくる」と説明し、最終的には他の半導体材料の数倍程度の価格まで下げることが可能だと見込んでいます。これは半導体産業の特徴である規模の経済効果によるものです。

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2030年実用化に向けた量産工場と金子純一の技術革新

大熊ダイヤモンドデバイスの技術開発を支えるのが、取締役の金子純一氏です。金子氏は放射線検出器の専門家として長年研究を続けており、産業技術総合研究所との連携により、同社の技術基盤を築いています。

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大熊ダイヤモンドデバイスの金子純一取締役                (引用:「ブレイクスルー」より)

同社は2030年の実用化を目指しており、2025年1月に着工し、2026年3月完成予定で福島県大熊町に量産工場を建設中です。敷地面積6,000平方メートルのこの工場では、年間数万台の放射線センサーの生産能力を見込んでいます。

資金調達面でも順調に進んでおり、2024年10月にはPreAラウンドで約40億円を調達し、創業後2年半での累計調達金額は助成金も含めて約67億円に達しています。この資金により、量産体制の確立と技術開発の加速が期待されています。

金子氏について星川氏は「非常に経営者として能力が高く、先を見ながらみんなを引っ張ってく能力が長けている」と評価しており、技術と経営の両面で強固な体制を築いています。

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宇宙産業から6G通信まで:ダイヤモンド半導体が切り開く未来

ダイヤモンド半導体の応用範囲は廃炉作業にとどまりません。星川氏が描く将来像は、多岐にわたる産業での活用です。

まず注目されるのが宇宙産業です。宇宙空間は廃炉現場と同様に放射線が飛び交う過酷な環境であり、従来の半導体では対応が困難でした。真空状態のため熱を逃がす場所がなく、高温に強いダイヤモンド半導体が理想的な解決策となります。星川氏は2030年時点で宇宙安全保障産業だけで5000億円以上の市場規模になると試算しています。

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ダイヤモンド半導体は今後の宇宙産業にも必要!                                   (引用:「ブレイクスルー」より)

さらに大きな市場として期待されるのが、6Gなどの次世代通信基地局です。ITの発達により扱う情報量が増加し、それに伴い発熱量も増大しています。従来の冷却システムでは限界があり、熱に強いダイヤモンド半導体が不可欠となります。この分野では2兆円規模の市場が見込まれています。

自動運転車の分野でも活用が期待されています。EVの動力部は発熱が激しく、自動運転には大量の情報処理が必要です。限られた車内空間で効率的な制御を行うには、高温動作が可能なダイヤモンド半導体が重要な役割を果たします。

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連続起業家・星川尚久の経歴と「困難を乗り越える」哲学

星川尚久氏は北海道大学工学部卒業後、23歳で最初の起業を果たした連続起業家です。最初の事業は福祉分野で、うつ病などの精神障害者にITスキルを教え、社会復帰を支援するというものでした。

この事業の背景には、当時の授産施設がシイタケ栽培や箸の袋詰めといった単純作業を中心としていることへの疑問がありました。星川氏は「うつになって箸の袋詰めをして社会復帰できるか」という現実的な視点から、ITスキル習得による復帰支援という革新的なアプローチを考案しました。

その後も複数の会社を立ち上げ、偶然出会ったダイヤモンド半導体事業に携わることになります。星川氏は自身を「合理的なタイプ」と評し、理想主義ではなく現実的な課題解決を重視する姿勢を貫いています。

番組の最後で「ブレイクスルーとは何か」と問われた星川氏は、「困難を乗り越えることであって、人類の歴史そのもの」と答えました。「人類が火を使った時も、きっと怖かったと思う。でもそれをどう工夫して使うかを繰り返して人類は発展してきた」という言葉からは、困難に立ち向かう不屈の精神が伝わってきます。

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まとめ

星川尚久氏と大熊ダイヤモンドデバイスが挑むダイヤモンド半導体の開発は、単なる技術革新を超えた壮大なプロジェクトです。福島第一原発の廃炉という人類史上最も困難な作業を支援しながら、宇宙産業、6G通信、自動運転車など、未来の産業を切り開く可能性を秘めています。

2026年度の量産工場稼働、2030年の本格実用化に向けて、技術開発と資金調達の両面で着実に歩みを進めている同社。その取り組みは、日本の半導体産業復活の象徴的な事例として、今後も注目を集め続けることでしょう。

星川氏の「マイナス1を0にするのではなく、プラス100に持っていく」という言葉通り、東日本大震災という悲劇を乗り越え、人類の新しい時代を創造する挑戦が続いています。ダイヤモンド半導体は、まさに困難を乗り越える人類のブレイクスルーの象徴と言えるのです。

※ 本記事は、2025年7月5日で放送(テレビ東京系)された人気番組「ブレイクスルー」を参照しています。
※ 大熊ダイヤモンドデバイス株式会社のHPはこちら
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