2025年7月20日放送のTBS系「がっちりマンデー!!」で、国内ゲーム市場2兆円突破という驚異的な成長を続けるゲーム業界の中でも、特に注目を集めたのが株式会社グッドロイドです。代表取締役社長の松田和彬氏が明かした「1日3000万円、月9億円」という売上の背景には、ハイパーカジュアルゲームという新たなゲームジャンルと、巧妙に仕掛けられた儲かりの仕組みがありました。番組で詳しく紹介されたグッドロイドのビジネス戦略を徹底解説します。
グッドロイド松田和彬とは?「1日3000万円」を稼ぐハイパーカジュアルゲーム会社の正体
株式会社グッドロイドは、2014年にサイバーエージェントの子会社として設立されたゲーム開発会社です。代表取締役社長の松田和彬氏は、2009年にサイバーエージェントに入社し、Ameba事業本部で事業部長・プロデューサーを経験した後、2014年にグッドロイドを設立しました。
松田氏が番組で明かしたところによると、同社の主力ゲーム「Hexa Away(ヘキサアウェイ)」は驚異的な売上を記録しており、「1日に大体3000万円ぐらい売れている」とのことです。これを月換算すると約9億円、年間では70億円という規模になります。
グッドロイドは累計ダウンロード数が全世界3億を突破しており、「青鬼」シリーズや「東京リベンジャーズ ぱずりべ!」など数多くの人気ゲームを手がけています。2017年にはサイバーエージェント全社総会で「ベストスタートアップ賞」を受賞するなど、その実力は業界内でも高く評価されています。
Hexa Away(ヘキサアウェイ)で月9億円!グッドロイドの儲かりの仕掛け解説
番組で特に注目されたのが、グッドロイドの主力ゲーム「Hexa Away」です。このゲームは、六角形のタイルに描かれた矢印の方向にタイルをタッチして移動させ、決められた回数以内に全てのタイルを盤面から落とすというシンプルなパズルゲームです。
重要なのは、このゲームが完全無料で提供されているにも関わらず、1日3000万円という巨額の売上を生み出している点です。その秘密は広告収入にあります。松田氏によると、「ゲーム内に出てくる広告をプレイヤーに見てもらうことによって収益を上げている」とのことで、広告が1回表示されるごとに約0.5円の収益が発生します。
この一見小さな積み重ねが、結果的に月9億円という巨額の売上につながっているのです。つまり、プレイヤーが長時間ゲームを楽しむほど、より多くの広告が表示され、グッドロイドの収益も増加するという仕組みになっています。
ハイパーカジュアルゲーム市場の現状「年間70億円売上」の秘密
Hexa Awayが属する「ハイパーカジュアルゲーム」は、現在ゲーム業界で最も注目されているジャンルの一つです。番組では、このジャンルの特徴として「超シンプルなルールで短時間でサクッと遊べる」点が挙げられました。
ハイパーカジュアルゲーム市場は急速に拡大しており、現在全世界で約1万タイトル以上が群雄割拠状態にあります。グッドロイドは、この激戦区において年間約70億円の売上を誇っており、業界でも屈指の成功を収めています。
松田氏は番組で「1つのゲームを長く遊んでもらうということが一番大事」と語っており、これがハイパーカジュアルゲームで成功するための最重要ポイントだと明かしました。長時間のプレイは広告表示回数の増加に直結するため、いかにプレイヤーを夢中にさせ続けるかが収益の鍵となっています。
「モヤモヤさせる広告」少名子遼太が語るマーケティング戦略
グッドロイドの成功を支えるもう一つの重要な要素が、巧妙に練られた広告戦略です。番組では、事業部長でマーケティングプロデューサーの少名子遼太氏が、同社独自の「モヤモヤさせる広告」戦略について詳しく説明しました。
この戦略の核心は、広告動画でゲームプレイを見せる際に、「もうちょいでクリアできそうなのにできない」映像を意図的に流すことです。少名子氏によると、「俺だったら絶対クリアできるやろ、みたいなところでインストールしてくれたりする」とのことで、視聴者の「自分ならできる」という気持ちを刺激してダウンロードを促進する仕組みになっています。
この心理的な仕掛けは非常に効果的で、多くのユーザーが「無性にこのゲームがやりたくなる」状態に導かれ、結果的にゲームのダウンロード数増加につながっています。番組出演者の村上氏(マヂカルラブリー)も「俺の方ができるよって言ってやっぱりダウンロードしちゃう」と、実際にこの戦略の効果を体験していたことを明かしました。
がっちりマンデーで判明!無料ゲームで儲ける3つのポイント
番組を通じて明らかになったグッドロイドの成功法則は、以下の3つのポイントに集約されます。
1. 絶妙な難易度調整による長時間プレイの実現
グッドロイドが採用している「むずさこっそり調整作戦」では、5回に1回程度の割合で難しいステージを配置し、クリア後は再び難易度を下げることで、プレイヤーに「やめられない、止まらない」という感覚を与えています。松田氏は「ぱっと見難しいけど、クリアすることは全然実は簡単みたいなステージ」を意図的に作ることで、プレイヤーが気持ちよくクリアできる体験を提供していると説明しました。
2. 薄利多売による大規模マーケティング展開
ハイパーカジュアルゲームは「薄利多売なビジネス」と松田氏が語る通り、大規模な広告投資が必要不可欠です。驚くべきことに、1日3000万円の売上を誇るHexa Awayでは、なんと1日約2500万円もの広告費を投下しています。この大胆な投資により、より多くのユーザーにゲームを届け、結果的に大きな収益を生み出しています。
3. プレイヤー心理を熟知した「無思考プレイ」の促進
加藤浩次氏が「仕事のこととか考えたくない時」にプレイしたくなると語ったように、ハイパーカジュアルゲームは「何も考えずにただただ気持ちいいからやっちゃう」ことを狙って設計されています。松田氏もこの点を「狙って作っている」と明言しており、現代人のストレス解消ニーズを的確に捉えた戦略といえます。
松田和彬流「薄利多売ビジネス」1日2500万円の広告投下術
グッドロイドのビジネスモデルで最も注目すべきは、その大胆な広告投資戦略です。松田氏が明かしたところによると、Hexa Awayでは売上3000万円に対して広告費2500万円という、利益率約17%という薄利での運営を行っています。
この戦略が成功する理由は、ハイパーカジュアルゲームの特性にあります。一度ダウンロードされたゲームは、プレイヤーが継続的に遊び続けることで長期間にわたって広告収益を生み出します。そのため、初期の広告投資が回収できれば、その後は安定した収益源となるのです。
また、番組で紹介された「モヤモヤさせる広告」のような効果的な広告クリエイティブにより、通常よりも高いダウンロード率を実現できていることも、この薄利多売戦略を支える重要な要因となっています。松田氏は「薄利多売なビジネス」と表現しましたが、実際には効率的な集客と継続的な収益化を両立させた、非常に計算された戦略といえるでしょう。
まとめ
2025年7月20日放送の「がっちりマンデー!!」で紹介されたグッドロイドの成功事例は、現代のゲーム業界におけるイノベーションの一つの形を示しています。松田和彬氏率いる同社は、ハイパーカジュアルゲームという新たなジャンルで月9億円という驚異的な売上を達成し、その背景には巧妙に設計された「儲かりの仕掛け」がありました。
プレイヤーの心理を熟知した難易度調整、効果的な広告戦略、そして大胆な投資戦略という3つの要素を組み合わせることで、無料ゲームでありながら巨額の収益を生み出すビジネスモデルを確立しています。今後もハイパーカジュアルゲーム市場の成長が期待される中、グッドロイドの動向は業界全体にとって重要な指標となりそうです。
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