「家の近くにバス停があれば…」そんな悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。2025年12月14日放送の「がっちりマンデー!!」で紹介された日野自動車の小型バス「ポンチョ」は、まさにその課題を解決する存在です。この記事では、ポンチョの特徴や価格、武蔵野市との共同開発秘話、そして次世代モデル「ポンチョドット」まで、番組内容を詳しく解説します。地域交通の未来を変える小さなバスの魅力をご覧ください。
日野自動車の小型バス「ポンチョ」とは?価格・サイズ・特徴を解説
2025年12月14日放送の「がっちりマンデー!!」では、儲かる小さな乗り物として日野自動車の小型バス「ポンチョ」が大きく取り上げられました。
ポンチョは、トラックやバスで知られる日野自動車(売上高約1兆7000億円)が手がける小型路線バスです。番組に登場した日野自動車プロダクト推進部の鈴木丈太さんによると、その名前の由来は「ポンと乗ってチョこっと行く」から。ユニークなネーミングですが、その性能は本格派です。
ポンチョのサイズは全長約7メートル、車幅約2.1メートル。普通の路線バスと比べるとかなりコンパクトで、番組内では「おもちゃみたい」という声も上がっていました。しかし車内に入ると意外と広く、シートは11席で車椅子スペースも完備。バリアフリーに対応した設計になっています。
気になる価格は1台約2,000万円。年間約200台が販売されており、年間売上は約40億円に達するまさに「がっちりバス」なのです。国産で唯一の小型ノンステップバスとして、全国のコミュニティバスで採用が広がっています。
武蔵野市の「ムーバス」から全国1400自治体へ!ポンチョ人気の理由
ポンチョが全国に広まったきっかけは、東京都武蔵野市との共同開発にあります。番組では吉祥寺駅のバスターミナルを取材し、ポンチョを使った「ムーバス」の人気ぶりが紹介されました。
武蔵野市役所交通企画課の澤田和弥課長によれば、ムーバスの年間利用者数は260万人以上。吉祥寺駅では大行列ができるほどの盛況ぶりです。実際に番組スタッフがムーバスに乗車すると、1.5車線ほどの狭い道に入っていき、対向車とすれ違う場面も。人通りの多い商店街の中も器用に進んでいく様子が映し出されました。
そもそもムーバスが誕生したのは1995年のこと。当時、武蔵野市には「駅に行きたいけどバス停までが遠い」という市民の声が多く寄せられていました。住宅街にも入れる小さなバスがあれば、という発想から、当時の市長が日野自動車に相談。2〜3年の開発期間を経て、小型バスが実現したのです。2025年でちょうど30周年を迎えるムーバスは、まさに「コミュニティバス」という概念を全国に広めた先駆者といえます。
番組では実際の利用者の声も紹介されました。妊娠中の女性は「家の近くまで来てくれるので使いやすい」と語り、毎日利用するという高齢の女性は「買い物とパチンコに毎日乗ってる」と笑顔で答えていました。身近な生活の足として、幅広い世代に支持されていることがわかります。
この成功が評判を呼び、現在では都内のおよそ9割の市区町村、全国およそ1,400の自治体でポンチョが導入されています。「小さいからこそ」住宅街の奥深くまで入れるという逆転の発想が、全国の地域交通を変えたのです。
小型でも快適!ポンチョの設計に込められた工夫とは
小さなボディでありながら、多くの乗客を快適に乗せる。この難題をポンチョはどう解決しているのでしょうか。番組では、日野自動車の鈴木丈太さんが技術的な工夫を詳しく解説してくれました。
まず注目すべきはタイヤの配置です。「前のタイヤと後ろのタイヤをそれぞれ、なるべく端々に置くようなレイアウトにしています」と鈴木さん。通常のバスでは車体の内側寄りにタイヤがあるため、段差なしで乗れるスペースが限られます。しかしポンチョは前輪と後輪をギリギリまで車両の端にずらすことで、フルフラットなスペースを最大限に確保しているのです。この工夫により、お年寄りや子供連れの方でも安心して乗り降りできます。
もうひとつの特徴がドアの開き方です。普通のバスのドアは内側にスライドして収納されるか、折りたたみ式で内側に空間を取ります。これに対してポンチョは、ドアを外側にスライドさせる方式を採用。ワンボックスカーのような開き方で、車内スペースを一切犠牲にしません。ゲストの山口智充さんも「ああ、外に開く」と感心していました。
こうした細部へのこだわりが、コンパクトなボディながらも快適な乗車空間を生み出しています。私見ですが、日本のモノづくりの真骨頂ともいえる「限られた空間を最大限に活かす」発想が、このバスには凝縮されていると感じます。
次世代型バス「ポンチョドット」は普通免許で運転可能!
番組のクライマックスで紹介されたのが、ポンチョの次世代モデル「ポンチョドット」です。日野自動車ソーシャルデザイングループの大倉僚馬さんが、この革新的なバスを披露してくれました。
ポンチョドットは、現行のポンチョよりもさらにコンパクト。全長4.85メートル、幅1.8メートルと、なんとハイエースよりも小さいサイズです。最大の特徴は「普通免許で運転可能なサイズ感」という点。大型免許を持つドライバー不足が深刻化する中、この仕様は画期的です。
番組でポンチョドットの車内に乗り込んだ山口智充さんは「おお!めっちゃ広いじゃないですか!」と驚きの声を上げていました。シートを折りたたみ式にし、前面をガラス張りにすることで、コンパクトながらも開放感のある空間を実現しています。
ポンチョドットは2025年10月に開催された「ジャパンモビリティショー2025」でコンセプト車として発表されました。小型EVトラック「日野デュトロ Z EV」をベースに開発されており、将来的には自動運転レベル4の技術搭載も想定されています。
番組に出演したエコノミストのエミン・ユルマズさんは「これにあとは自動運転がつけば…」とコメント。加藤浩次さんも「地方でもどこでもニーズに合わせて、すぐ元が取れる」と将来性に期待を寄せていました。少子高齢化が進む日本において、小さくて誰でも運転できるバスの需要は、今後ますます高まっていくでしょう。
まとめ
2025年12月14日放送の「がっちりマンデー!!」で紹介された日野自動車の小型バス「ポンチョ」についてお伝えしました。
ポンチョは、武蔵野市との共同開発から生まれ、30年にわたって全国の地域交通を支えてきました。1台約2,000万円、年間200台の販売で40億円の売上を誇る、まさに「儲かる小さな乗り物」です。タイヤ配置やドア構造など、限られた空間を最大限に活かす工夫が随所に施されており、全国約1,400の自治体で導入されています。
さらに、次世代型の「ポンチョドット」は普通免許で運転可能という新たな可能性を示しました。ドライバー不足や自動運転技術の発展を見据えた設計は、これからの地域交通の姿を予感させます。
「大きいことはいいことだ」という時代は終わり、「小さいからこそできること」に価値が生まれる時代。ポンチョは、その象徴ともいえる存在ではないでしょうか。
※ 本記事は、2025年12月14日放送(TBS系)の「がっちりマンデー!!」を参照しています。
※ 日野自動車株式会社の公式サイトはこちら







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