2025年4月20日放送(TBS系)の「がっちりマンデー!!」で話題となった「fav(ファブ)ホテル」。霞ヶ関キャピタルの淺井佳氏が明かした2つの「儲かり作戦」に注目が集まっています。なんと、稼働率たった20%でも黒字経営を実現する革新的なビジネスモデルとは?従来のホテル業界の常識を覆す戦略から、新たな宿泊スタイルの可能性まで、成功の秘密を徹底解説します。
fav(ファブ)ホテルが実践する2つの儲かり作戦とは?
2025年4月20日、TBS系列で放送された人気経済番組「がっちりマンデー!!」で取り上げられた「fav(ファブ)ホテル」が注目を集めています。この番組では「最近増えているけどよく知らないホテル」をテーマに、有名ホテルチェーンとは全く異なる独自戦略で急成長を遂げている新興ホテルが紹介されました。
特に印象的だったのが、霞ヶ関キャピタル株式会社が手掛ける「fav(ファブ)ホテル」です。同社の淺井佳氏が番組内で語った2つの「儲かり作戦」は、従来のホテル業界の常識を覆すものでした。
第一の儲かり作戦は「多人数向け客室設計」。そして第二の作戦は「無人運営によるコスト削減」です。これら2つの戦略によって、なんとたった20%の稼働率でも黒字経営が可能になるという驚きの経営モデルが明らかになりました。
番組に出演したエコノミストのエミン・ユルマズ氏も「すごく賢い」と評価するこの新しいホテルのビジネスモデルについて、詳しく見ていきましょう。
霞ヶ関キャピタルが仕掛けるホテル業界の新風 – 5年で15棟731室の急成長
「fav(ファブ)ホテル」を運営する霞ヶ関キャピタルは、不動産デベロッパー業界で急成長している企業です。番組内で紹介されたように、同社の売上は昨年657億円に達し、ここ4年間で8倍に膨れ上がるという驚異的な成長を遂げています。
しかし意外なことに、同社がホテル業界に参入したのは比較的最近のことです。淺井佳氏によると、ホテル事業への参入は2020年と、まだ5年ほどの新参者だとのこと。それにも関わらず「めちゃくちゃ伸びている」と自信を持って語る姿が印象的でした。
5年前の2020年に1軒目のオープンから始まり、現在は全国に15棟、731室を展開するまでに成長しています。これほどの急成長を可能にした秘密は、ホテル業界の常識にとらわれない新しい発想にありました。
多人数向け客室設計という盲点突いた儲かり作戦①
fav(ファブ)ホテルが実践する儲かり作戦の1つ目は、多人数向けの客室設計です。番組内で紹介された客室は一般的なビジネスホテルの「倍かそれ以上の広さ」があり、二段ベッドを設置することで4人から最大8人まで一部屋に宿泊できるようになっています。
一見すると、こうした広い客室設計は効率が悪く、利益を圧迫しそうに思えます。しかし、ここに日本のホテル業界の「盲点」がありました。
淺井氏によると、国内で行われる旅行の約55%が3人以上のグループ旅行であるにもかかわらず、日本のホテルの客室はシングルやツイン、ダブルなど少人数向けの部屋が主流だったのです。この需給ギャップに着目したことが、fav(ファブ)ホテルの成功の鍵となりました。
番組では、実際に利用した5人組の学生グループのインタビューも紹介されました。彼らは「1人6,500円」という価格で宿泊し、「2泊で一人1万円くらい」と、通常のホテルの半額以下の料金で滞在できることに満足していました。
このような価格設定は若者を中心に人気を集め、「大学生に優しいホテル」として支持されています。多人数で1室を利用することで、1人当たりの宿泊費を大幅に抑えられるのは、特に予算に限りがある若者層にとって大きな魅力と言えるでしょう。
ホテルの常識を覆す無人運営の儲かり作戦②
fav(ファブ)ホテルのもう一つの儲かり作戦は、徹底した効率化による無人運営です。番組でロビーを訪れたスタッフが驚いたように、フロントデスクにスタッフがいません。チェックインはQRコードを端末にかざすだけの簡単な方法で完結します。
また、通常のホテルなら当たり前にあるレストランや大浴場などの施設も省略。その代わりに、各部屋にはキッチンや調理器具、冷蔵冷凍庫を完備し、広々としたバスルームを設置することで、利用者の不便を感じさせないよう工夫しています。
番組では実際に、オレオチーズケーキを作る利用客や、ホテル提供の鍋を使って料理を楽しむ様子も紹介されていました。これらのサービスを必要最低限にすることで、人件費だけでなく、水道光熱費などの運営コストも大幅に削減できているのです。
霞ヶ関キャピタルの淺井佳氏は「基本的にはもう無人で回せるような仕組みにしています」と語り、効率化の徹底ぶりを強調していました。
霞ヶ関キャピタル淺井佳が語る、稼働率たった20%でも黒字になる秘密
これらの独自戦略によって、fav(ファブ)ホテルは驚くべき収益性を実現しています。番組内で淺井佳氏が明かしたところによると、なんと客室の稼働率がたった20%であっても黒字経営が可能だというのです。
これは従来のホテル業界では考えられない数字です。一般的なホテルでは、黒字化のためには少なくとも60-70%程度の稼働率が必要だと言われています。
多人数向けの客室設計と徹底した無人運営による効率化、そして必要最低限のサービスに絞り込んだ結果、従来のホテル業界の常識を覆す収益構造を実現したことがわかります。
そして、現実のfav(ファブ)ホテル15棟731室の平均稼働率は約70%とのこと。最低限の20%をはるかに上回る稼働率を実現していることから、非常に高い収益性が期待できます。
fav(ファブ)ホテルが若者やグループ旅行者から支持される理由
「がっちりマンデー!!」に出演したエコノミストのエミン・ユルマズ氏は、fav(ファブ)ホテルの成功要因について「日本人だけでなく外国人も、日本の1人いくらという概念に慣れていない」と分析しています。
従来の日本のホテルは、主に出張ビジネスマンや1泊2日程度の短期滞在を想定した料金設計が主流でした。しかし現代の旅行スタイルは、長期滞在やグループでの旅行など、多様化しています。
特に海外からの観光客(インバウンド)は、「とにかく部屋は安く泊まりたい。しかも長く泊まりたい」というニーズを持っていると、エミン氏は指摘します。また、インバウンド市場は約8兆円規模にまで成長し、アパレル業界と同規模の巨大市場になっているとのことです。
加えて、旅行者のニーズも「物消費からコト消費」へと変化しており、買い物中心だった外国人観光客も、今では体験や滞在そのものを重視する傾向が強まっています。このような市場の変化をいち早く捉え、ニーズに応えたビジネスモデルを構築したことが、fav(ファブ)ホテルの成功につながっているのでしょう。
業界の変化を先取りしたfav(ファブ)ホテルの今後の展望
現在のホテル業界は、インバウンドの回復と国内旅行の活性化により、多くのホテルが高い宿泊料金を設定しても需要が途絶えない状況です。エミン・ユルマズ氏も「1万円で泊まれるのに2万円出してもみんな来る」と語るように、供給不足の状態が続いています。
そんな中で、fav(ファブ)ホテルのような多人数向けの新しいホテルの需要は今後も高まり続けることが予想されます。特に、番組内で語られたように家族旅行などでは、5人家族が2部屋に分かれて宿泊するよりも、1部屋で全員一緒に泊まれる方が便利で経済的です。
また、無人運営や最低限のサービスという効率化モデルは、人手不足が深刻化する日本のホテル業界全体にとっても参考になるモデルと言えるでしょう。
霞ヶ関キャピタルの淺井佳氏が実践する「多人数向け客室」と「無人運営」という2つの儲かり作戦は、今後のホテル業界の新たなスタンダードになる可能性も秘めています。
まとめ – ホテル業界の新常識を作り出したfav(ファブ)の儲かり作戦
2025年4月20日の「がっちりマンデー!!」で紹介されたfav(ファブ)ホテルの事例は、ホテル業界の常識を覆す革新的なビジネスモデルとして注目に値します。
霞ヶ関キャピタルの淺井佳氏が語った「多人数向け客室設計」と「無人運営によるコスト削減」という2つの儲かり作戦は、たった20%の稼働率でも黒字経営を可能にする驚きの収益構造を実現。現在の平均稼働率70%という高い数字も考慮すると、その成功は明らかです。
さらに、国内旅行の55%を占めるグループ旅行客に対応した客室設計や、1人当たり5,000円〜6,500円という経済的な料金設定は、特に若者や訪日外国人観光客から高い支持を得ています。
日本のホテル業界が従来のビジネスモデルから脱却し、多様化する宿泊ニーズに応えていくためには、fav(ファブ)ホテルのような革新的なアプローチがますます重要になっていくでしょう。霞ヶ関キャピタルが打ち出した「儲かり作戦」は、今後のホテル業界の新たな指標となる可能性を秘めています。
※本記事は、2025年4月20日放送(TBS系)の人気番組「がっちりマンデー!!」を参照しています。
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