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【クローズアップ現代】が紐解く!ハンバーガー価格が映す「日本経済」の現状と課題

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消費者にとって身近なハンバーガーですが、その価格の変化に、実は日本経済の動向が反映されているのをご存知でしょうか。2024年4月17日放送の『クローズアップ現代』では、ハンバーガー価格の変遷を追うことで、デフレからの脱却を目指す日本経済の現状と課題が浮き彫りになりました。低価格が続いてきたハンバーガーの価格上昇が、企業の賃金改善や消費の行方など、日本経済の重要な指標を映し出しているのです。この記事では、クローズアップ現代が紐解くハンバーガー価格が映す「日本経済」の実態を詳しくご紹介します。

 

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ハンバーガーの価格高騰に隠された日本経済の真実

ハンバーガーの価格は、長期にわたるデフレ経済の影響を如実に映し出してきた。1996年には業界最大手のマクドナルドが80円のハンバーガーを販売するなど、かつては極端な低価格競争が繰り広げられていた。その後も2002年には59円まで下落するなど、デフレの影響で長年、低価格帯で推移してきた。

しかし、ここ数年、状況が一変する。原材料価格の高騰や円安の影響を受け、ハンバーガー価格は急激に上昇している。2024年現在では2,350円の高級バーガーまで登場するなど、かつての姿とは様相が一変した。

このハンバーガー価格の変遷を、日経平均株価の推移と重ねてみると、デフレからの脱却に向けた歩みが見て取れる。デフレ下では株価も低迷していたが、2010年代後半から緩やかな回復基調に転じ、2024年には3万7,000円台に乗せている。一方でハンバーガー価格も、この数年で確実に上昇している。

 

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大手チェーンの価格戦略 – 賃金と物価の好循環の実現に向けて

デフレ脱却に向けた取り組みの先駆けとなったのが、業界大手のマクドナルドだ。同社はこれまで、安売り競争に巻き込まれ業績悪化を招いていた低価格路線から転換し、2年連続で4%の平均賃上げを実施。さらに新入社員の初任給も27万円に引き上げるなど、賃金改善に注力している。

「値段を下げて量を取りに行くっていうのは短期的にはいいかもしれませんけれども、ビジネスをまあ継続していくためには、やはりええ価格をまあ、しっかり是正して、あのしっかりと収益が出るような形にしていかなければいけない」と、日色保社長は言う。

その一方で、ウェンディーズファーストキッチンでは、高価格帯の商品投入にも力を入れている。都心部を中心に2,350円の「トリュフバーガーセット」を販売し、インバウンド需要やビジネスマンの支持を集めている。

このように大手チェーンでは、賃金と物価の好循環を意識した、多層的な価格戦略を展開している。値上げによる収益改善を原資に、社員の賃金アップにつなげる。そして、そうした取り組みが消費を後押しし、さらなる価格上昇にも道を拓こうとしている。

 

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地域格差に直面する中小企業 – 賃上げの難しさと生き残りの工夫

一方で、中小のハンバーガー店では、価格転嫁と賃上げのバランスを取ることが難しい状況にある。都心部と地方では客単価に最大2倍近い開きがあり、地域による「二極化」が進んでいるのだ。

都内の人気店「マンチーズバーガーシャック」の柳澤さん夫婦は、昨年価格を2割以上引き上げたものの、人件費への転嫁は難しいと嘆く。「大手さんをみたいに肉をまとめてこうボンってロットでとれば、多分その原価率も少しこうとしたりとか、調整はできると思うんですけど、じゃあその分、じゃあそこに人件費に回すことができたりとかできるかもしれないと思うんですけどから中小零細系は、なかなか厳しいっすよね、正直な話」と、中小企業ならではの苦悩を語る。

一方、岩手県の店「GROW」では、人手不足に直面し、時給を900円から1,200円に引き上げたものの、新しい人材を確保できずにいる。店主の菊池さんは「金額的なところがちょっと高いとか、大体待遇がいいみたいなのは、一個フックにはなるかな」と、高い賃金設定が魅力的に受け止められないジレンマを抱えている。

こうした中、店主たちは知恵を絞り、生き残りの工夫に乗り出している。マンチーズバーガーシャックでは、原材料の仕入れロットを増やして原価率の改善を図ろうとしている。一方、GROWでは、メニューを絞り込んでロスを削減し、賃上げの原資を捻出しようと試行錯誤している。

 

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スマッシュバーガーに見る「生産性向上」の取り組み

価格上昇と賃上げのバランスを保つ上で、生産性向上も大きなカギを握る。そうした取り組みの好例が、「スマッシュバーガー」の製造方式だ。

パティをカチカチに焼き上げる従来の手法とは一線を画し、パティの形成工程を大幅に削減できるのが特徴。手間を省くことで、店側の人件費負担を抑えつつ、魅力的な食感を実現している。

「まあ値段は上がりましたね。私、食べ始めた頃、20年前からするとまあ約倍ぐらい。にえ、あのマクドナルドがなってますけども、まあ、でもあのそれだけ原材料も上がってますし、特に輸入食品も多いですから、ハンバーガーなのでまあ上がるのは当然かなとええで、むしろその人件費までちゃんとこう盛り込まれているのかなんて心配になるぐらいええはいええ、そう思いますね」と、ハンバーガー評論家の松原好秀さんは指摘する。

 

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政府の役割は? – 日本経済の好循環実現に向けた支援策

ただし、企業のみならず、政府の役割も重要だという声も上がっている。東京大学の渡辺努教授は、「まずは政府が賃上げに取り組む企業を積極的に支援すべきだ」と指摘する。

例えば、原材料価格高騰などで収益が圧迫されながらも、賃上げに踏み切る企業に対して、補助金などの財政支援を行えば、より多くの企業が賃上げに踏み切れるはずだ。

一方で、「賃上げの恩恵が及ばない消費者にも目を向ける必要がある」と渡辺教授は述べる。所得の伸び悩む層への減税や給付金の支給など、幅広いアプローチが求められるのだ。

このように、企業と政府の連携により、物価上昇の恩恵が広く行き渡る形で、賃金と物価の好循環を実現していくことが重要だと言えるだろう。

 

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まとめ:ハンバーガーが映し出す日本経済の現状と課題への示唆

ハンバーガーの価格変動が示してきたのは、デフレからの抜け出しを目指す日本経済の姿だった。大手チェーンは賃金改善と価格是正の好循環を実現しつつあるが、中小企業にとっては依然として高い壁がある。

政府の適切な支援策と、企業の生産性向上への取り組みが、日本経済の好循環の実現につながる鍵を握るといえよう。ハンバーガーは、この分岐点に立つ日本経済の姿を鮮やかに映し出しているのだ。

(参照:2024年4月17日放送-NHK『クローズアップ現代』)

 

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