2026年4月5日放送の「がっちりマンデー!!」で特集された木造ビジネス。なかでも注目を集めたのが、岡山県真庭市の銘建工業が製造する「CLT」という木造建材です。国内シェア50%超を誇り、大阪・関西万博の大屋根リングにも採用されたこの素材は一体何がスゴいのでしょうか?この記事では、CLTの仕組みや銘建工業の強さの秘密を、番組の内容をもとにわかりやすくお伝えします。
CLT(クロス・ラミネイティッド・ティンバー)とは?木造建築を変える新素材
CLTとは「Cross Laminated Timber(クロス・ラミネイティッド・ティンバー)」の略で、日本語では「直交集成板」とも呼ばれます。簡単に言うと、木の板を縦と横に交互に重ねて接着した、大きくて丈夫なパネル状の建材です。
従来の集成材は、板を一方向に重ねて接着したものでした。これに対してCLTは、板の繊維方向を90度ずつクロスさせて重ねるのがポイント。これによって強度が大幅にアップするだけでなく、木特有の伸び縮みも抑えられます。集成材では一方向に重ねているため、湿度の変化でどうしてもズレが生じてしまうのですが、CLTではクロス構造がそれを相殺してくれるわけです。
この特性のおかげで、CLTは幅のある大きな面積の建材として使えるようになりました。壁や床、屋根など「面で建物を支える」建材として、今まさに大注目されています。1990年代にオーストリアを中心に発展し、ヨーロッパや北米では10階建て以上の木造建築にも使われるほど。日本でも2013年にJAS(日本農林規格)が制定され、本格的な普及が進んでいます。
個人的に驚いたのは、CLTの重量が鉄筋コンクリートの5分の1から6分の1しかないという点です。番組に出演された
銘建工業の中島浩一郎社長によると、地下鉄が下を通っているような場所でも、CLTなら建物を建てられる可能性があるとのこと。鉄筋コンクリートでは重すぎて無理な立地でも、CLTなら対応できる。これは木造建築の可能性を大きく広げる話ですよね。
銘建工業が国内シェア50%超!CLTで日本一になれた理由
そんなCLTの国内シェア50%超を誇るのが、岡山県真庭市に本社を構える銘建工業です。創業は1923年(大正12年)、もともとは「中島製材所」という製材所からスタートした会社で、2026年現在で創業103年という老舗中の老舗です。
銘建工業がCLTに目をつけたきっかけは、ヨーロッパで中高層の木造建築が次々と建てられている現場を見たこと。2010年には国産材のスギやヒノキを使ったCLT製造を国土交通省に提案し、2016年には国内初のCLT専用量産工場を稼働させました。まさに「先見の明」があったと言えるでしょう。
現在の年商は約340億円。毎日大型トラック50台分の建材を全国に出荷しているというのですから、そのスケールの大きさがうかがえます。1世紀を超える歴史の中で、常に新しい木材加工技術にチャレンジしてきた姿勢こそが、この会社の最大の強みなのだと思います。
万博大屋根リングの6割を供給!CLTの実力と採用事例
銘建工業のCLTが一躍注目を浴びたのが、2025年の大阪・関西万博です。あの象徴的な大屋根リングの建材のうち、なんと6割を銘建工業が供給しました。さらに、リング以外のパビリオンにも10以上採用されているというのですから、その信頼度の高さがわかります。
番組でゲストの森永康平さんが指摘していたように、万博でこれだけ大量に使われたという実績は、CLTの技術が世界的にも評価されている証拠です。今後もオフィスビルやマンション、公共施設など、様々な建築物でCLTの採用は増えていくでしょう。
集成材との違いは?CLTが「強くて大きい」木造を可能にする仕組み
改めて集成材とCLTの違いを整理しておきましょう。集成材は板を同じ方向に重ねて接着したもので、主に柱や梁に使われます。いわば「線」で建物を支える部材です。
一方CLTは、板を縦横にクロスさせて重ねるため、大きな「面」として使えます。壁や床、屋根に使えるので、建物全体を面で支えることが可能。強度も集成材より高く、伸び縮みも抑えられるため、より大型の建築物に適しています。
番組で銘建工業の中島洋さん(総務人事部長)が説明されていたように、CLTは「木であって木ではない究極の素材」とも言えるかもしれません。木の温かみや加工のしやすさを残しつつ、鉄やコンクリートに匹敵する強度を実現しているわけですから。
フィンガージョイントとは?木材を長くつなぐ技術
CLTの製造工程で見逃せないのが、「フィンガージョイント」という技術です。CLTは大きなパネル状の建材ですから、当然ながら一本の木では長さが足りません。では、どうやって長くしているのか?
その答えが、ギザギザに加工した木材の先端同士をかみ合わせてつなぐフィンガージョイントです。指を組み合わせたような形状から、この名前がついています。接着面が広いためしっかりとくっつき、横方向の力に非常に強いのが特徴です。
番組では銘建工業の社員がフィンガージョイントでつないだ木材を引っ張る実演もありましたが、まったく抜ける気配がありませんでした。接着剤と精密な加工技術の組み合わせで、ここまで強固な接合ができるのは、まさに日本のものづくりの底力を感じます。
木屑で発電!銘建工業の「もったいない精神」と経営戦略
銘建工業が103年も続いてきた秘密の一つに、「もったいない精神」があります。製造過程で生まれる1日約200トンもの木屑を、発電用の燃料として活用しているのです。
自社工場やオフィスの電力を木屑発電で賄い、さらに余った電力は売電までしているとのこと。加えて、木屑を圧縮して作る「木質ペレット」の生産量は日本トップシェアを誇ります。
「ケチから来ている」と番組では笑いを交えて紹介されていましたが、これは今の時代に言い換えれば、まさに「サステナブル経営」そのもの。SDGsやカーボンニュートラルが叫ばれるはるか前から、銘建工業はこの循環型のビジネスモデルを実践してきたわけです。
木材メーカーとして100年以上生き残ってきた理由が、ここにあるように思います。原材料を余すところなく使い切り、新しい技術には積極果敢に挑戦する。この「もったいない精神」と「チャレンジ精神」の両立こそが、銘建工業の真の強さではないでしょうか。
まとめ
2026年4月5日放送の「がっちりマンデー!!」で紹介された銘建工業とCLTについてお伝えしました。
ポイントを振り返ると、CLTは板を縦横にクロスさせて重ねた高強度の木造建材で、壁・床・屋根など面で建物を支えられること。銘建工業は国内シェア50%超でCLT市場をリードしており、万博の大屋根リングにも大量供給した実績があること。そして、木屑発電やペレット製造など「もったいない精神」に基づく循環型経営で103年の歴史を紡いできたこと。
鉄やコンクリートに代わる建材として、CLTの可能性はまだまだ広がっていきそうです。木造建築に興味がある方は、ぜひ銘建工業の取り組みに注目してみてください。
※ 本記事は、2026年4月5日放送(TBS系)の人気番組「がっちりマンデー!!」を参照しています。
※ 銘建工業株式会社の公式サイトはこちら






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