2026年4月26日放送の「がっちりマンデー‼」で紹介された、茨城県ひたちなか市発の人気菓子店「お菓子のきくち」。年間150万個を売り上げる干し芋スイーツ「ほっしぃ〜も」が大注目を集めています。菊池雅人社長が編み出した独自の加工法と、ほっしぃ〜もが愛される秘密を徹底解説していきます。
がっちりマンデーで紹介されたお菓子のきくち「ほっしぃ〜も」とは?
2026年4月26日放送のTBS系「がっちりマンデー‼」では、「謎だらけ茨城県チェーン」シリーズの第4弾として、ひたちなか市の人気菓子チェーン「お菓子のきくち」が紹介されました。シリーズの締めくくりを飾るに相応しい、地元の名産を活かした素晴らしいビジネスストーリーが詰まったお店です。
代表は菊池雅人社長。「お菓子のきくち」はひたちなか市を中心に茨城県内で10店舗を展開しており、年間売上はなんと約5億5,000万円。地元密着の菓子店としては相当な規模感です。
そんなきくちの大黒柱とも言える看板商品が、黄色いパッケージが目印の「ほっしぃ〜も」。番組内では地元の女性たちが「きくちさんならほっしぃ〜も」「めっちゃ買ってます」と口を揃えて推す、まさにひたちなかを代表する名物菓子です。
ちなみに「ほっしぃ〜も」というネーミングは、英語の「HOSHII(欲しい)」と「MORE(もっと)」を掛け合わせた造語。「もっと欲しくなる」という意味と、ひたちなか名産の「干し芋」をかけたダブルミーニングで、ネーミングセンスも秀逸です。
なお、お菓子のきくちは2026年4月、ひたちなか市から「未来に残したいお店」にも選出されており、地元での評価の高さがうかがえます。
ほっしぃ〜もが年間150万個売れる理由|干し芋スイーツの中身
「ほっしぃ〜も」は、見た目はサクッとしたパイ菓子ですが、中を割ると干し芋を練って作った特製あんがぎっしり詰まっています。1個180円というお手頃価格で、なんと年間およそ150万個も売れているそう。単純計算で約2億7,000万円もの売上をたたき出している、紛れもないモンスター商品なんです。
外はサクサクのパイ生地、中はしっとり濃厚な干し芋あん。この食感の対比が絶妙で、一度食べるとリピートしたくなる中毒性があります。香ばしく焼き上げたパイ生地と、素材本来の優しい甘さが感じられる干し芋あんの組み合わせは、洋菓子と和菓子のいいとこ取りといった印象でしょうか。
私の率直な見方を述べると、この商品の凄さは「干し芋のお菓子」と聞いて多くの人が想像する地味さや古臭さを完全に裏切っている点にあります。パッケージは現代的で可愛らしく、商品名も洒落ている。中身もパイ菓子という洋菓子フォーマット。こうした工夫の積み重ねが、若い世代にも受け入れられる秘訣になっているのだと思います。
しかも180円という価格設定が絶妙で、ばらまき土産にも自分用おやつにも気軽に使えるラインに収まっているのもポイント。年間150万個という数字は、こうした緻密な商品設計の結果として生まれた成果なんです。
お菓子のきくちが干し芋ペースト化に成功した秘密|奥さんのアイデア
「ほっしぃ〜も」が誕生するまでの裏側には、なかなか面白いエピソードがありました。
そもそも干し芋は、地元ひたちなかでは「そのまま食べるもの」という発想が当たり前。お菓子の素材として加工しようなんて、誰も真剣に考えてこなかったんですね。そこに目をつけたのが菊池社長でした。
ところが実際にやってみると、これが大変な作業でした。番組内で菊池社長が語っていたとおり、干し芋は天日干しされて乾燥しているため固く、粘りもあって加工がしにくい素材なんです。「お菓子作りを諦めようか」と思い詰めた時期もあったそうです。
そんな袋小路を抜け出すヒントをくれたのが、社長の奥さんでした。実家でカチカチになった干し芋を、お湯で煮て柔らかくして食べていたという話を思い出した、というエピソードはちょっと感動的です。
このアイデアをきっかけに、菊池社長は干し芋を細かく刻み、砂糖などと一緒に煮込んで熱を加えることで、ペースト化に成功しました。「奥様、頭上がんないですよね?」というスタッフの問いかけに、菊池社長が笑いながら「上がんないっすね」と答えていたシーンは、番組のハイライトの1つでしたね。
しかも使用するのは、干し芋を作る際にカットして出た「切りっぱなし」という規格外の部分。商品にできない端材を活用して大ヒット商品を生み出すという、サステナブルな発想も含まれているのが素晴らしいポイントです。
私が思うに、このストーリーの本質は「身近な人の何気ない知恵が、ビジネスを救う」という点にあります。社内で煮詰まったときこそ、家族や周囲の生活感のあるアイデアが突破口になる。これは多くの起業家・経営者にとってヒントになる話ではないでしょうか。
茨城ひたちなかの名産「干し芋」がお土産になった理由
そもそもなぜ、ひたちなか市が干し芋の街なのか。番組内でも触れられていましたが、ひたちなか市は冬場の降水量が非常に少なく、太平洋から吹き付ける潮風が干し芋作りに最適な環境を提供しています。実は茨城県全体で全国シェアの約9割を占めると言われており、その中心地がひたちなか市なんです。
地元の人にとって干し芋は、おやつ代わりに「しょっちゅう食べる」存在。番組では「家に4キロぐらい買いました」という女性も登場していて、その消費量の多さに驚かされました。「朝ごはんに食べました」という発言まであり、本当に生活に溶け込んでいる食材なんですね。
ところが、この「日常的な食べ物」というポジションが、お土産として渡すには逆に弱点になっていました。番組内で地元の方が語っていた本音、「干し芋そのまま渡すのは、なんかちょっと地味」という感覚は、お土産文化を理解する上で非常に重要な視点です。
干し芋というのは、見た目が茶色くて素朴で、パッケージもシンプルなものが多い。県外の友人や親戚に「これ茨城のお土産」と渡しても、もらった方の反応がいまひとつになりがちなんですね。
そこを「ほっしぃ〜も」が見事にカバーしました。干し芋をペースト化してパイに包むことで、見た目はオシャレな洋菓子に変身。中身は紛れもなく地元名産の干し芋というストーリー性も持たせる。これなら自信を持ってお土産として渡せる、というわけです。
私の見方を加えると、「ほっしぃ〜も」がやったことは単なる商品開発を超えた「お土産文化のリブランディング」だと言えます。地元の素材に新しい入れ物と物語を与えることで、地味だった名産品を全国に通用するブランドに昇華させた。この視点は、地方創生に取り組む方々にとって大きなヒントになるはずです。
お菓子のきくちの店舗情報と菊池雅人社長が語る売上
お菓子のきくちは、ひたちなか市の本店をはじめとして、茨城県内に合計10店舗を展開しています。和菓子・洋菓子の両方を取り扱う総合菓子店として地域に根付いており、看板の「ほっしぃ〜も」だけでなく、季節の和菓子やケーキ、いちご大福など多彩な商品ラインナップが特徴です。
番組で菊池社長が明かした年商は約5億5,000万円。10店舗体制であることを踏まえると、地域密着型の菓子店としては非常に堅実かつ強い数字を出しています。
注目すべきは、ほっしぃ〜もだけで年間約2億7,000万円の売上を生み出している計算になる点。会社全体の売上のうち、相当な割合を1つの商品が支えているということで、私のような外野から見ても「軸となる定番商品の力」がいかに重要かを思い知らされる事例です。
ちなみに、ほっしぃ〜もは茨城県内のお店だけでなく、公式オンラインショップ(kikuchi shop)からも全国どこでもお取り寄せ可能です。茨城を訪れる予定がない方も、ネットで気軽に試せるので、興味がある方はチェックしてみるといいでしょう。
派生ヒット商品「干し芋羊羹」がアスリートに人気の理由
ほっしぃ〜もの大成功で、干し芋ペースト技術を確立した菊池社長は、次なる商品「干し芋ようかん」も世に送り出しました。これがまた意外な層に大ヒットしているんです。
なんと、地元のバレーボール選手たちやJリーガーといったプロのアスリートに大人気。番組では選手たちがトレーニングの合間に干し芋羊羹をパクついている映像が流れていました。
その理由は、薄型でコンパクトな形状と、手軽に糖質を補給できるという機能性にあります。アスリートにとって、運動中・運動後の糖質補給は競技パフォーマンスや筋肉のリカバリーに直結する重要な要素。市販のエネルギーゼリーや糖質補給食品と比べても、自然由来の干し芋を使った羊羹はクリーンなエネルギー源として注目に値する商品だと言えます。
私が興味深いと感じたのは、お菓子の文脈ではなく「スポーツ補給食」という新しい文脈に商品を載せ替えたマーケティング感覚です。同じ干し芋羊羹でも、「お年寄り向けの和菓子」と紹介するのと「アスリートのコンディショニング食」と紹介するのでは、訴求できる客層がまったく変わってきます。
しかも、プロが食べているという情報が広まれば、子どもたちもマネして食べたくなる。実際、番組内でも「子どもたちにも干し芋羊羹は浸透している」と紹介されていました。プロが認める→子どもが憧れる→家庭で買われる、という連鎖が自然に発生しているわけです。これは商品開発として、本当に上手い展開だと思います。
まとめ
2026年4月26日放送の「がっちりマンデー‼」で紹介された、お菓子のきくちと干し芋スイーツ「ほっしぃ〜も」について見てきました。
ポイントを整理すると、年間150万個・売上約2億7,000万円を叩き出す看板商品「ほっしぃ〜も」、奥さんのアイデアから生まれた干し芋ペースト化技術、規格外の「切りっぱなし」を活用したサステナブルな発想、そしてアスリートにも愛される派生商品「干し芋羊羹」。地元の名産を最大限に活かしながら、新しい価値を創造している好例です。
干し芋という地元では「地味な日常食」だった素材を、洒落たパイ菓子に変身させてお土産文化に組み込んでしまった菊池社長の発想力は、地方ビジネスを考えるすべての人に学びを与えてくれます。「素材は身近にあるが、見せ方を変えるだけで全国区になる」という事例として、これほど分かりやすいものはないでしょう。
茨城を訪れる機会があれば、ぜひ「ほっしぃ〜も」を試してみてください。きっとあなたも、ひたちなか市民が誇りに思うこのお菓子の魅力を体感できるはずです。
※ 本記事は、2026年4月26日放送の「がっちりマンデー‼」を参照しています。
※ 「お菓子のきくち」(株式会社きくち)の公式サイトはこちら






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