2026年11月1日放送の『がっちりマンデー!!』に、しまむらの高橋維一郎社長が出演しました。しまむらは国内でいちばんお店の数が多い洋服屋さんで、売上は7000億円を超えます。その儲かる秘密はどこにあるのでしょうか。この記事では、番組で明かされた仕組みを「売り場・商談・物流・在庫管理」の4つに分けて解説します。読み終えたら、次のしまパトがもっと楽しくなるはずです。
がっちりマンデーで判明!しまむらの儲かる秘密は4つ
放送回の概要と出演した高橋維一郎社長
今回の『がっちりマンデー!!』(TBS系)は、加藤浩次さんと進藤晶子さんの進行で「ファッションセンターしまむら」を特集しました。スタジオゲストは、株式会社しまむらの代表取締役社長執行役員、高橋維一郎さんです。
加藤さんが「しまむらさんじゃないんですか?」と聞くと、高橋社長は笑って「創業者はしまむらでしたが、2代目からはしまむらではありません」と答えていました。高橋社長は6代目です。1999年に入社し、2025年2月に社長に就いた生え抜きで、年齢は52歳です。早朝4時ごろに起きて自分の会社をエゴサーチしていた、というエピソードもあり、お客さんの声をとても大事にしている人柄が伝わってきました。
店舗数1424・年商7000億を支える4つの仕組み
番組によると、しまむらの店舗数は国内ダントツの1424店舗です。ユニクロや西松屋よりも多く、年間売上は7000億円を超えます。番組で紹介された儲かる秘密は、次の4つに整理できます。
- 多品種少量の売り場:ワンサイズ1点限りで「一期一会」をつくる
- バイヤーの商談力:サプライヤー600社と毎週商談して、安さと品数を両立する
- 自前の物流:商品センターで「その日に入荷して、その日に出荷」する
- コントローラーの店間移送:売れ残りを減らして、値下げを防ぐ
このあと、ひとつずつ詳しく見ていきます。
しまむらの売り場は「多品種少量」|ワンサイズ1点で一期一会
1店舗に4万点以上、それでも各サイズ1点限り
しまむらの店内には、若い世代向けの服からシニア向けの服、喪服や数珠、さらに布団や枕まで並んでいます。「暮らしに必要な布っぽいものなら何でもある」というナレーションには思わず笑ってしまいましたが、本当にその通りです。三室店の深井俊明店長によると、1店舗あたりの商品は4万点以上もあるそうです。
ところが、それぞれの在庫はほとんどが「ワンサイズ1点限り」です。Mサイズが売れたら、それで売り切れ御免。アパレル業界では欠品しないように在庫を持つのが鉄則なので、まったく逆のやり方です。
この仕組みがお客さんの心をつかんでいます。インタビューに答えた女性は「しまむらは一期一会。買っとかないと」と話していました。次に来たときにはもうない、と思うと「欲しい」と感じた瞬間に買ってしまいます。その結果、お客さん1人あたりの買い物の金額が上がるわけです。
毎日2000点の新商品が「しまパト」を生む
もうひとつの仕掛けは、毎日の入荷です。しまむらには1店舗あたり約2000点の商品がほぼ毎日届きます。ポイントは、売れた商品の補充ではなく、新しい商品が入ってくることです。
何が入るかわからないので、お客さんは何度も見に来たくなります。番組でも「週1でしまパト(しまむらパトロール)してます」「週に3回は来ますね」「ほとんど毎日」という声が続きました。三室店だけでも月に1万人以上、年間で12万人以上が来店しているそうです。
私が面白いと感じたのは、「品切れ」が弱点ではなく、来店の理由になっている点です。普通のお店では品切れは機会損失ですが、しまむらでは「今日しか会えない服」という価値に変わっています。
しまむらとユニクロの違い|真似したら業績が落ちた
定番を大量に並べるユニクロと、宝探しのしまむら
加藤さんは「これ、ユニクロさんの真逆じゃないですか?」と鋭く切り込みました。ユニクロは定番商品を大量に作って並べるので、商品のコストを下げられます。しまむらはその反対で、たくさんの種類を少しずつ仕入れて、売り場を毎日変えていきます。
社長が語った「すぐやめて戻した」決断
驚いたのは、高橋社長の「一時期ユニクロさんの真似をしたんです」という告白です。結果は「落ちました」。業績が下がったそうです。社長は、お客さんがしまむらに求めていたのは「多品種少量で、毎日売り場が変わる宝探し」だったと振り返っていました。そこですぐにやめて元に戻したところ、業績は回復したといいます。
番組では、真似をした時期は語られませんでした。それでも、大企業がうまくいかなかったことを認め、すぐに方針を戻せたことはすごいと思います。「他社の勝ち方が自社の勝ち方とは限らない」という、ビジネスの基本を改めて感じた場面でした。
しまむらが安い理由はバイヤーの商談力|サプライヤー600社
毎週の商談会と、上司の許可がいらないバイヤーの権限
しまむらの商品は自社で作ったものではありません。メーカーや商社、問屋などの「サプライヤー」から仕入れています。さいたま新都心駅前の本社には、ワンフロアを丸ごと使った商談スペースがあります。全国から約600社のサプライヤーが集まり、全1424店舗で売る商品をほぼ毎週ここで決めているそうです。
バイヤーは23部門・約60ブースに分かれて、朝9時から夕方5時半まで商談をします。高橋社長によると、バイヤーは数量も金額も上司の許可なしに自分で決められるとのことです。「売れるものを早くお店に入れるには、早く商談することが大事」という説明には納得しました。
値下げの代わりに数量を増やす「電卓交渉」
番組では、婦人物のデニムパンツの商談が紹介されました。バイヤーは販売価格を1990円から1490円に、一気に500円下げられないかと持ちかけます。サプライヤーからは「1型5000枚、2型で1万枚の発注が欲しい」という返事がありました。価格を下げてもらう代わりに、仕入れる数を大きく増やす。ここに安さの秘密があります。
また、ティーンズ担当バイヤーの濱田さんは、サプライヤーのタキヒヨー株式会社を訪ね、2時間かけて20着以上をチェックしていました。最後は金額を口で言わずに電卓を見せて交渉し、上下あわせて6点の全量買い取りが決まりました。加藤さんも「金額言わないで電卓を見せる!」と驚いていましたね。
ドラクエコラボ100種類もサプライヤー網から生まれた
600社とのつながりは、コラボ商品にも生かされています。2026年10月7日に発売された「ドラゴンクエスト」とのコラボでは、開店前から行列ができました。Tシャツだけでなく、トイレマットやトイレットペーパーホルダー、敷きパッドまで、100種類を超える商品が並びました。
コラボが決まると、しまむらはサプライヤーに一斉に声をかけます。各社が「うちならこれが作れます」と提案するので、ほかでは真似できないほどの品数になるのです。番組では3万4000円、3万7000円分も買ったお客さんがいて、その熱気が伝わってきました。
しまむら商品センターの秘密|2.7度の傾斜レーンは特許
1日約7万ケースを、その日のうちに入荷・出荷
4万点もの品ぞろえと毎日の入荷を支えているのが、自前の物流です。しまむらの商品センターは国内に10カ所あります。番組で紹介された埼玉県東松山市のセンターは、関東の約600店舗向けの商品を扱っていて、1日に平均で約7万ケースが届くそうです。
弓田センター長によると、このセンターでは「今日入荷して今日出荷」が基本です。7万ケースもの荷物を、その日のうちに600店舗分に仕分けてトラックに積み込んでいます。
電気を使わない傾斜レーンでコストを削る
この早さを支える「心臓部」が、長さ120mのレーンです。24列あって、さらに上に6段重なっています。仕分けた荷物を出荷の時間まで並べておく場所で、10万ケースまでためられるそうです。
工夫されているのは、レーンにつけられた2.7度の傾斜です。段ボールが自分の重さで少しずつ前へ進み、途中で止まっても後ろの箱が押してくれます。この仕組みはしまむらの特許で、電気代がかからない分コストも抑えられます。ハイテクではなく、角度ひとつで安さを生み出しているところに、しまむららしい堅実さを感じました。
しまむらの謎の役職「コントローラー」|店間移送で値下げを防ぐ
月20万点以上をお店からお店へ動かす
本社の商品部には「コントローラー」と呼ばれる人たちがいます。全国に少しずつ配った商品の売れ行きを毎日チェックし、売れていないお店から売れているお店へ商品を移す「店間移送」を指示する仕事です。
メンズTシャツ担当の櫻井さんの画面では、3週間でわずか2枚しか売れず、在庫が59枚も残っているお店がありました。櫻井さんの計画で、メンズTシャツだけでも300店舗分の移送が決まりました。1人で月1万点以上、23部門あわせると月20万点以上の商品がお店からお店へ動いているそうです。
効率だけを追わない「選ぶ楽しさ」への配慮
高橋社長は「利益を残すには、いかに値下げを減らせるか。コントローラーは非常に大事なポジション」と話していました。一方で、売れるお店に売れる商品だけを入れるようにしすぎると、「お客さまが選ぶ楽しさがなくなり、つまらない売り場になってしまう」とも話しています。効率と楽しさのバランスを、ここまで意識しているのかと感心しました。
がっちりマンデーのしまむら回を見て感じたこと
今回の放送を見て感じたのは、しまむらの強みは「仕組み」と「遊び心」の両立にあるということです。ワンサイズ1点の売り場は、一見すると不便です。けれども、その裏では600社との商談、10カ所の商品センター、月20万点の店間移送という仕組みが、売り場の「一期一会」を支えています。
加藤さんの言葉どおり、かつては「ダサい」と言われたこともあるしまむらが、今では「人とかぶらない服」として若い世代にも支持されています。物価高の中で「300円なんて、ほかでは買えません」と笑うお客さんの姿を見ると、しまむらは生活に寄り添う存在なのだと改めて思いました。
なお、番組の最後には、しまむらグループで使えるデジタルギフト5000円分を200名にプレゼントする企画が発表されました。加藤さんとのやりとりで、30名から100名、200名へと増えていく流れも見どころでした。応募の締め切りは11月3日(火)です。
まとめ
『がっちりマンデー!!』で明かされた、しまむらの儲かる秘密をおさらいします。
- 多品種少量の売り場:1店舗4万点以上をワンサイズ1点で並べ、「一期一会」で買う気持ちを高める
- 毎日の新商品入荷:1店舗約2000点が届き、「しまパト」で何度も来店してもらう
- バイヤーの商談力:サプライヤー600社と毎週商談し、数量と価格を自分の判断で決める
- 自前の物流:2.7度の傾斜レーン(特許)で、当日入荷・当日出荷を実現する
- コントローラー:月20万点以上の店間移送で、値下げを減らして利益を残す
ユニクロを真似して失敗し、元に戻したというエピソードは、しまむらが自分の強みをよくわかっている証拠だと思います。放送は11月8日(日)7:29までTVerで見逃し配信されています。次にしまむらへ行くときは、ぜひ売り場の裏側を思い浮かべながら宝探しを楽しんでみてください。
※ 本記事は、2026年11月1日放送(TBS系)の『がっちりマンデー!!』を参照しています。
※ ファッションセンターしまむらの公式サイトはこちら。


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