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【カンブリア宮殿】ヤマダイ凄麺と大久保慶一社長「ご当地麺で大手に対抗する生き残り戦略」

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テレビ東京系「カンブリア宮殿」(2025年4月17日放送)で注目を集めたヤマダイの「凄麺」と大久保慶一社長の戦略をご紹介します。年間58億食が消費される激戦の即席麺市場で、なぜ中堅メーカーが大手に対抗できているのでしょうか?凄麺の「マネのできない麺作り」と「ご当地ラーメン戦略」から、大久保社長の経営哲学まで、他社と差別化するための具体的な取り組みを解説します。この記事を読めば、ブランド価値を高め、熱心なファンを獲得する秘訣がわかります。

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カンブリア宮殿が注目したヤマダイ「凄麺」の成功とその理由

2025年4月17日放送のテレビ東京系「カンブリア宮殿」では、中堅即席麺メーカー「ヤマダイ」と、同社の看板商品「凄麺」シリーズが特集されました。日本国内では年間約58億食もの即席麺が消費され、毎年1000種類以上の新商品が投入される激戦市場。日清食品や東洋水産、サンヨー食品などの大手メーカーがしのぎを削る中、なぜ従業員約200人、年間8000万食を販売する中堅メーカーがこれほどの存在感を示せているのでしょうか。

「凄麺」シリーズは、その名の通り「凄い麺」を提供するという明確なコンセプトを持ち、北は札幌から南は長崎まで全国約30種類のご当地ラーメンをカップ麺で再現しています。中でも特筆すべきは、独自のノンフライ製法を用いて茹でたての麺の味わいを追求している点です。この徹底したこだわりが功を奏し、ノンフライカップ麺では全国売上1位を獲得するまでになりました。

番組では、村上龍さんと小池栄子さんがMCを務め、ヤマダイの社長である大久保慶一氏へのインタビューを通じて、大手にはできない「真似のできないものづくり」の秘密に迫りました。ラーメンフェスでも堂々と出店し、本格店に並んでカップ麺を販売する姿も紹介され、多くの来場者から「生麺のよう」「本当にお店の味のような感じ」と絶賛されていました。

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ヤマダイ大久保慶一社長が語る創業から凄麺誕生までの道のり

ヤマダイは戦後間もない1948年、現社長の大久保慶一氏の父である周三郎氏がうどんの製麺所として創業しました。その後、1971年に日清食品が世界初のカップ麺「カップヌードル」を発売すると、翌1972年にはすかさず「ニュータッチヌードル」としてカップ麺市場に参入。「うまいヌードルニュータッチ」という覚えやすいCMソングで知名度を上げていきました。

大久保慶一社長は1983年に入社し、大手スーパーやコンビニなどを営業して回りましたが、ある日「お宅の商品なんてうちが扱うメリットがない」「仕入れてほしいなら価格をもっと下げてもらわないと」という厳しい言葉を浴びせられます。さらに「大手の企業の有名なブランドが、これの値段だから宅の商品は1食5円安くないと買えないよ」というような発言も直接言われたことがあるといいます。

この悔しさをバネに、大久保社長は広告費を削ってその資金を商品開発に回すよう父に進言。自ら開発の現場に立ち、他社とは違う本当に価値ある商品を目指しました。試行錯誤を重ねること実に10年、ようやく完成させたのが街のラーメン店のような味わいを持つノンフライ麺だったのです。

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ヤマダイの大久保慶一社長                                (引用:「カンブリア宮殿」より)

1999年には父の後を継いで社長に就任し、2001年に凄麺第1弾となる「これが煮玉子ラーメン」を発売しました。しかし、全国チェーンのコンビニに採用されて売れ行きは好調だったものの、わずか1ヶ月で棚から姿を消してしまいます。即席麺市場では毎年1000種類以上の商品が発売され、小売チェーンは常に商品を入れ替えて売上を維持する手法を取っていたのです。

この経験から大久保社長は凄麺の方向性をご当地ラーメンへ変更し、ターゲットも全国チェーンから地方スーパーへ切り替えました。この戦略が功を奏し、各地のご当地ラーメンを開発しては販売エリアを拡大していくことで、凄麺を全国に広げていったのです。

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凄麺の強み①:マネのできない麺作り技術とノンフライ製法の秘密

凄麺の最大の特徴は、その麺の製法にあります。一般的にカップ麺の麺は、生麺をまず蒸し、その後油で揚げる「フライ麺」と、熱風で乾燥させる「ノンフライ麺」の2種類に分かれます。ヤマダイの凄麺はノンフライ麺ですが、他のメーカーとは作り方が全く異なります。

通常、麺を蒸すところをヤマダイでは街のラーメン店と同じように麺を一度しっかりと茹でています。工場の担当者によれば「たっぷりのお湯で茹でることによって、もちもち感や滑らかな食感を作ることができる」とのこと。ただし、茹でた麺は蒸した麺より水分が多いため、乾燥させるとくっつきやすくなるという問題がありました。

この課題を克服するために、ヤマダイは独自の乾燥技術を開発。麺は「鍵を握る乾燥室」へと送られますが、その中がどうなっているかは「我々のノウハウがたくさん詰まった工程になりますので、企業秘密でお願いします」と社員が語るほど重要な技術なのです。

この秘密の乾燥技術によって、お湯で戻した際に茹でたての麺のような食感と味わいを実現しています。大久保社長も「一口食べてですね、ラーメン専門店の味に限りなく近いもの、茹で立てのうまさを再現するということ」とその目標を語っています。

そのため製造コストは確かにかかりますが、大久保社長は「目先の販売数字よりもファンを作り続けること。そうすることによって間違いなく数量は伸びてきますし、それと時間をかけていきながら我々の生産性というのは上げることもできる」と長期的な視点での経営を強調しています。

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凄麺の強み②:全国約30種類のご当地ラーメンの開発戦略

凄麺のもう一つの強みは、全国約30種類ものご当地ラーメンを開発していることです。札幌味噌ラーメンや喜多方ラーメンなど全国のご当地麺をカップ麺で展開し、それぞれの地域の特徴を忠実に再現しています。

特に麺へのこだわりが徹底しており、例えば栃木佐野ラーメンなら平打ち麺、横浜家系ラーメンならもちもちの極太麺というように、凄麺の名の通り麺の特徴まで忠実に再現しているのです。

ご当地ラーメンの開発に際しては、現地の名店に協力を仰ぎ、意見を聞きながら商品化を進めています。広島では地元の「くにまつ 八丁堀本店」の協力を得て汁なし担々麺を開発し、リニューアルの際にも試作品の意見を聞くために訪問するなど丁寧な商品開発を行っています。

興味深いのは、今ではヤマダイに対して全国各地から商品化の依頼が殺到していることです。例えば、京都の伏見では地元の観光協会が酒粕ラーメンをメジャーな名物にしようと、ヤマダイに協力を求めました。創業350年を数える老舗・玉乃光酒造から酒粕を提供してもらい、2025年2月に商品化にこぎつけたのです。

このような協力関係は地元にもメリットをもたらしています。伏見の名酒を扱う店では酒粕ラーメンの凄麺が2週間で60個も売れ、実際に酒粕ラーメンを提供している店の店主も「ありがたかったですね。酒粕ラーメンというもの自体がもうちょっと広まっていければあのうちにもお客さん来てくれたりもしますし」と話しています。

大久保社長はご当地ラーメンの開発について「地域地域にはご当地と言ってもたくさんのラーメン店がありますので、その中でそのど真ん中というか、こういう商品を作ったら皆さんから評価いただけるだろうというものをまず描いていく」と説明し、開発期間は「1年また2年、場合によっては3年4年という商品も出てきます」と、時間をかけた丁寧な開発姿勢を明かしています。

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凄麺の強み③:リニューアルを重ねて磨き続ける商品力

凄麺の三つ目の強みは、既存商品を終売にせず、何度もリニューアルを重ねて商品力を高め続けているという点です。ヤマダイではほとんどの商品でこうした細かいリニューアルを繰り返しており、例えば仙台辛味噌は11回、博多豚骨は12回もリニューアルしています。特に横浜とんこつ家系に至っては、2005年の発売以来実に16回も改良の手を加えているのです。

このようにリニューアルを重ねる理由について大久保社長は「絶えず良い原材料いい素材そういうものを活用しながらどんどん進化させていく。大手がやりたくてもやれないことをも頑固にやり続ける」と語っています。

さらに、売れ行きが落ちてきても終売にしない理由として「やはり地域の皆さんと一緒になって作っていますので、数字が落ちてきたとしても、そこで販売をやめるということは皆さんにやっぱり申し訳ない。せっかく作ったんだったらそれをですね、止めずにこう磨いていく。そちらの方が間違いなくいい商品が出来上がる」と、ヤマダイの商品に対する姿勢を示しています。

この姿勢が功を奏し、凄麺は多くのファンを獲得しています。番組では週に5日も凄麺を食べるという会社員の大堀さんが紹介され、信州味噌ラーメンが特にお気に入りで「こういうご当地麺もあるんだってという。そういう興味も湧きまして、それ以来買い続けてます」と話していました。さらに自宅にはすご麺を全種類ストックしており、公式サイトでは好きなものを12種類選んでまとめて買うこともできるため、「つい色々と食べてみたくなる」というファンが続出しているのです。

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大久保慶一社長の経営哲学「ファンを作り続けることが競争優位性につながる」

大久保慶一社長の経営哲学は、単に売上数字を追い求めるのではなく、「ファンを作り続けること」にあります。入社後の苦い経験から「他社さんと同じような商品を作って同じような営業活動をしていても競争に勝つことは絶対にできない」と悟り、独自の価値を提供することを重視しています。

村上龍さんから「コストかかるでしょう」「大体250円で(他社と価格は)同じですよね。どうやってコスト回収してるんですか?」と問われた際も、「目先の販売数字よりもファンを作り続けること」と長期的な視点での経営を強調しました。

また「皆さんが真似できないというかやりづらいような商品をあえて我々が作ることが我々の競争優位性につながる」という考え方も示しています。実際に、ご当地ラーメンを扱う戦略についても「喜多方のラーメンを出せばですね、『これは喜多方の皆さんに食べていただきたいために作ったんですよ』。もうまずそこから入るわけですよね。『これは我々が売らなくて誰が売るんだ』というような、やはり地域地域には郷土愛がありますんでね」と語り、地域の誇りに訴えかける販売戦略を展開しています。

さらに、先行き不透明な時代におけるサバイバル術として「量の競争、売り上げ金額の競争でいくとすれば、やはり日本の地位という評価はどんどん下がっていくんじゃないかな」と述べ、「品質の価値を海外のメーカーさんよりも優れたものを作っていかないと優位性はほとんどなくなっていく」と品質重視の姿勢を貫く必要性を強調しています。

大久保社長自身も週に3回は必ず凄麺を食べるというほどの製品愛を持ち、「全部好きですね」「だから飽きない」と語るなど、自社製品への揺るぎない自信を持っています。

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凄麺のアレルギー対応戦略と食の安全への取り組み

ヤマダイでは、2020年から商品づくりを見直し、卵と乳成分を使わないアレルギー対応の商品に順次改良しています。これは一般的なカップ麺には一部の原料に卵や乳成分が含まれていることが多い中での画期的な取り組みです。

番組では茨城県の水戸市に暮らす渡野邉さん一家を紹介。息子の慶太君は卵と乳成分にアレルギーを持っているため、食べられる食品が限られていました。渡野邉さんは「こちらにアレルゲンが書いてありまして卵と乳製品はアレルゲンとして入ってませんのでうちの子が食べられるカップラーメンがあるんだってということで、びっくりしたのと嬉しかったです」と語っています。

慶太君も「美味しいです。こういう食べれるラーメンもあって安心しました」と話し、アレルギーを持つ子供たちに選択肢を提供することの重要性を示しています。現在、ヤマダイのアレルギー対応商品は45種類にまで増えており、「簡単に食べられるものが見つかったことが一番大きな発見かなと思いますし、何よりも本人が美味しいと言って食べてくれることが一番嬉しかったです」という渡野邉さんの言葉が印象的でした。

この取り組みは、単に美味しさだけでなく、食の安全や多様なニーズに応えるというヤマダイの企業姿勢を表しています。大手メーカーが見落としがちな細やかなニーズにも応えることで、より多くの人に愛される商品づくりを実践しているのです。

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まとめ:中堅メーカーが生き残るためのヤマダイの戦略と今後の展望

カンブリア宮殿で紹介されたヤマダイと凄麺シリーズの成功は、中堅メーカーが激戦市場で生き残るための重要なヒントを与えてくれます。大久保慶一社長が実践してきた戦略は、次の5つにまとめることができるでしょう。

  1. 大手との差別化:「マネのできない製法」を開発し、独自の価値を提供する
  2. 地域密着型の展開:ご当地ラーメンに特化し、地元の誇りに訴えかける
  3. 長期的視点での商品開発:ファンを作り続けることを最優先にする
  4. 継続的な改良:商品をすぐに終了せず、リニューアルを重ねて磨き続ける
  5. 多様なニーズへの対応:アレルギー対応など、きめ細かい配慮を行う

これらの戦略は、大手メーカーには真似のできない、中堅・小規模メーカーだからこそできる強みを最大限に活かしたものです。価格競争に巻き込まれず、独自の価値を提供し続けることで、熱心なファンを獲得しています。

また、村上龍さんも番組後の編集後記で「停滞していた1983年に入社。小売店から大手より安くないと売れないと悔しい言葉を。CM投下量が販売に直結しなくなった。広告宣伝が客にとっていいことなのか?それよりその宣伝費を商品の価値に結びつけるべきでは。およそ10年の時を経て2001年に「凄麺」ができた」と振り返り、「麺が美味しくてかつ強い。それは食べた人しか分からない」と評価しています。

今後もヤマダイと凄麺は、単なる価格競争ではなく、本物の美味しさと地域の魅力を伝える役割を担っていくことでしょう。大久保社長の「品質の価値を海外のメーカーさんよりも優れたものを作っていかないと優位性はほとんどなくなっていく」という言葉は、日本の食品メーカー全体にとっても重要な示唆を含んでいます。

凄麺の成功事例は、大手との差別化、地域との協働、そして何より妥協なき品質へのこだわりが、中堅メーカーの生き残り戦略として有効であることを示しています。今後も進化し続ける凄麺から目が離せません。

※本記事は、2025年4月17日放送(テレビ東京系)の人気番組「カンブリア宮殿」を参照しています。

ヤマダイ株式会社のHPはこちら

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