イギリス郵便局で1999年から導入された富士通の会計システム「ホライゾン」。その欠陥が原因で700人以上もの郵便局員が不当に犯罪者扱いされ、投獄されたり破産したりする大惨事が発生しました。本記事では、欠陥システムの全貌や富士通の謝罪、被害者への補償を詳述します。ご覧いただければ、この信じがたい事件の真相がよくわかる内容となっております。是非最後までお読みいただき、欠陥システム開発の責任が問われている富士通の対応について、今後の展開が気になる方も多いのではないでしょうか。
1999年導入の郵便局会計システム「ホライゾン」とは
1999年、イギリスの郵便局では、富士通の英国子会社が開発した会計システム「ホライゾン」が導入されました。このシステムは郵便局の窓口での現金取引をコンピューター上で管理するもので、残高や取引記録を一元管理できるように設計されていました。
しかしシステムには欠陥があり、窓口の実際の現金残高とシステム上の数字が一致しないという問題が発生。この「残高不一致」が後に700人以上もの郵便局員を不当に訴追する大惨事を招くことになりました。
現金残高不足で700人超が冤罪疑惑
ホライゾンの欠陥により、郵便局の実際の現金残高よりもシステム上の残高の方が過大に表示されるという事態が発生しました。これにより現金の不足分を補填せざるを得なくなった郵便局員は、2005年には7万4000ポンド(約1100万円)もの現金不足を補てんしています。
このような現金の不足分は郵便局員の横領や窃盗などの犯罪行為によるものとみなされ、1999年から2015年の間になんと700人を超える郵便局員がえん罪で告発されました。中には収監や破産、自殺者を出すなど壊滅的な影響が及びました。
ホライゾンの欠陥が明らかに、富士通が謝罪
2009年にはすでにホライゾンのシステム欠陥を指摘する声が上がっていましたが、国営の郵便局はこれを否定。欠陥の存在が認められたのは遅くとも2019年のことで、この時、裁判所はシステムの欠陥が原因であると判断しました。
富士通も当初からシステムの不具合を認識していた可能性が指摘されており、2024年1月にヨーロッパ担当取締役が英議会で謝罪。「システムのバグやエラーが郵便局員の刑事訴追を招いた」と明言しました。
被害者への補償をめぐり富士通と対立
英政府は全被害者に対し1人当たり60万ポンド(約1億1000万円)の補償を検討しています。富士通は自社にも「道義的補償責任がある」としつつ、「詳細は調査結果を待ちたい」との意向です。
しかし英政府は富士通に調査完了を待たず、早期に補償協議に臨むよう要請。富士通の対応次第では英政府との対立が深まる可能性があります。
まとめ
以上が、「ホライゾン」と呼ばれた富士通の欠陥システムが引き起こした郵便局史上最大の冤罪事件の概要です。今後は富士通の補償の行方が焦点となっており、被害者への早期の補償が求められています。
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