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社会・暮らしの問題

【クローズアップ現代】セルフレジ万引きの対策「完全版」再放送は?

【クローズアップ現代】セルフレジ万引きの対策「完全版」再放送は? kurogen-self-reji-manbiki
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2026年6月16日に放送されたNHK「クローズアップ現代」は、「無人が便利と思いきや… どう防ぐ?“セルフレジ万引き”」がテーマでした。セルフレジの普及の裏で広がる新たな万引きの手口と、その対策の難しさに迫る内容です。この回は放送終盤に緊急地震速報が入って中断しましたが、その後2026年7月6日に完全版が改めて放送され、カットされていた後半の内容も明らかになりました。この記事では、前半の手口や実態から、後半で判明した電子タグ・AI・「店員の挨拶」による対策まで、放送内容の完全版を時系列で整理し、再放送・見逃し配信の情報もまとめます。

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クローズアップ現代「セルフレジ万引き」放送内容を完全版で徹底解説

この回のキャスターは桑子真帆アナウンサー、ゲストは犯罪心理学が専門で15年以上にわたり万引きを研究してきた香川大学の大久保智生教授でした。

大久保智生

香川大学の大久保智生准教授                              (引用:「Syncable」HPより)

番組によると、セルフレジを含む万引き全体の件数は推定で年間3460万件、被害額は年間で3460億円にのぼると推計されています。番組は、巧妙化する手口、店側の対策とコスト、海外の動向、AIを使った最新技術へと話を進めました。本放送では大久保教授がAIの精度について語る場面で緊急地震速報により中断しましたが、7月6日の完全版では、その後に続く電子タグ(RFID)の活用や、費用負担をめぐる課題、そして「店員の挨拶」を軸にした対策までが放送されました。まずは、放送内容の全体像を順に見ていきます。

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セルフレジ万引きの主な手口とは|「重ね打ち」「バーコード隠し」を解説

番組で紹介された代表的なセルフレジ万引きの手口は二つです。

一つ目は「重ね打ち(重ねスキャン)」。食パンの下に別の商品を重ね、食パンのバーコードだけをスキャンしたり、弁当を二つ重ねて一つ分だけ通したりする手口です。二つ目は「バーコード隠し」。指でバーコードを隠すようにしてスキャンすると、本来は正常に読み取った時に光るランプが作動せず、一見スキャンしたように見えてしまうというものです。

手口2:バーコード隠し

これらを見抜いたのは、長年スーパーの万引き対策に協力してきた万引きGメンの伊東ゆうさん。静岡県内で10店舗以上を展開するスーパーマーケットでは、3年前にセルフレジを導入したところ万引きの数が4倍に増え、被害額は年間500万円に達したといいます。なお、ここで手口を紹介するのは防犯の注意喚起が目的であり、模倣を勧めるものではありません。

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なぜ増える?セルフレジ万引きと大久保智生氏の「不正のトライアングル」

なぜセルフレジで万引きが起きやすいのか。大久保教授は「不正のトライアングル」という心理メカニズムで説明しました。

不正のトライアングル

不正のトライアングル

ポイントは三つです。まず「動機」。物価高による節約心が万引きにつながります。次に「機会」。店員ではなく客自身がスキャンするため、店員の目が届きにくくなります。そして「正当化」。「スキャンし忘れた」「音が聞こえなかった」と言い訳がしやすい状況です。この三つが揃うことで、セルフレジ万引きが起きやすくなると指摘します。

大久保教授は、セルフレジ万引きの最大の特徴は「正当化のしやすさ」だと話します。通常の万引きも言い訳しやすい犯罪ですが、セルフレジではそれが一段と顕著になり、「通し忘れても大丈夫」という誤った認識にもつながりやすいというのです。

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セルフレジ万引きの被害額は年間3460億円|深刻化する実態

被害の深刻さは数字にも表れています。番組が示した被害額は年間3460億円、推定件数は年間3460万件です。

店側の苦労も特有です。不正を見つけても、客が「スキャンし忘れた」と申告すれば言い逃れの材料になり、現行犯逮捕が難しくなります。そのため確実な証拠を残すには防犯カメラ映像の徹底的な確認が必要で、長い時には5〜6時間も映像を見続けることもあるといいます。取材したスーパーではこれまで約20件の摘発につなげてきましたが、その負担は本来の売り場づくりや接客といった業務を圧迫します。

コストの面も切実です。フルセルフレジを導入すれば1店舗あたり年間1000万円程度の人件費が削減できる一方、万引き対策の負担がそこに上乗せされる構図です。このスーパーは新店舗ではフルセルフレジを導入しないことを決断しました。大久保教授は、万引きによる価格転嫁はすでに起きていると指摘し、万引きの被害額を消費者みんなで支えている状態だと語っています。

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セルフレジ万引きの対策は?有人レジ回帰・情報共有・AI技術の最前線

対策として番組が取り上げたのは三つの方向性です。

一つ目は店頭での監視強化。セルフレジに設置した防犯カメラの映像を店の入り口に表示し、従業員の見回りを強化することで、常習犯を中心に逮捕につなげてきました。二つ目は企業間の情報共有ですが、ここには壁があります。プライバシーへの配慮から防犯カメラ映像の共有は進まず、犯人の特徴や手口などの文字情報の共有にとどまっているのが現状です。全国万引犯罪防止機構の樋口建史理事長は、厳格な法令要件を満たした取り組みであれば、防犯カメラ映像の共同利用を社会として受け入れていく必要があるのではないかと述べています。

三つ目が海外の動向です。アメリカでは万引きの被害額が年間7.4兆円にのぼり、小売チェーンの「ダラー・ジェネラル」は全米およそ2万店舗のうち1万2000店舗からセルフレジを撤去。有人レジに戻す動きが広がっています。そして期待されるのがAI技術です。フランスの企業が開発したのは、防犯カメラに映った人物の体の動きをパーツごとに解析し、万引きが疑われる動作を赤く表示して確率を判定する仕組み。最終判定は人の目で行いますが、疑わしいケースを自動で抽出できます。大久保教授は、現時点ではセルフレジでの検知精度は6〜7割程度でまだまだだと評価しました。本放送はこの直後に緊急地震速報で中断しましたが、完全版ではここからさらに、電子タグを使った対策へと話が続きます。

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セルフレジ万引き対策の切り札?RFID電子タグ「かごを置くだけ会計」

番組の後半では、万引き対策と省力化を同時に実現する技術として、RFID(電子タグ)の活用が紹介されました。取材したのは熊本市のスーパーマーケットです。ここでは店内およそ20万点の商品一つ一つに電子タグを貼り付けています。買い物客はかごを所定の場所に置くだけで、複数の商品が一括で読み取られ、会計が完了します。一つ一つスキャンする必要がないため、スキャン漏れを防ぐことができ、万引き対策としても有効です。出入り口には未会計の商品を検知するセンサーが設置されており、会計されていない商品が持ち出されるとアラームが鳴る仕組みです。

電子タグの効果は防犯だけではありません。専用のリーダーを使えば、どの商品がいくつ残っているかを瞬時に把握できます。これまで手作業で30分かかっていたゼリー売り場の在庫確認は、わずか39秒で完了しました。数か月がかりだった棚卸し作業も、1日程度で終えられるようになったといいます。従業員の負担軽減にも直結する技術として、同業者の視察も相次いでいます。

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電子タグのコストは誰が負担する?書店とドラッグストアで分かれた明暗

便利な電子タグですが、普及には大きな壁があります。コストです。一般的な電子タグは1枚あたり十数円かかります。安価な商品が多いスーパーでは、この費用を価格に転嫁するのが難しいのが実情で、取材先のスーパーでも現状では採算が合っていないといいます。液体や金属で覆われた商品は電波を通しにくいという技術的な難しさもあります。

このスーパーでは、タグの貼り方を商品ごとに工夫して1種類のタグですべてを管理したり、使用後のタグを回収してICチップを再利用したりと、コストを切り詰める努力を重ねてきました。それでも1日6000点以上に上る貼り付け作業のほぼすべてを手作業で行うため、人件費がかさむ課題は残ります。竹下慎一社長(スーパー「ロッキー」)は、自分たちだけでは負担しきれず、製造業者や流通業者など取引先の協力が必要だと訴えています。

この費用を業界全体でどう分担するかは、業種によって明暗が分かれています。ドラッグストア業界では5年前に製造メーカー・物流業者・小売の間で負担のあり方を検討しましたが、結論はまとまりませんでした。一方、書店業界では4年前に導入を進める企業が設立され、出版社がタグ代を、書店が読み取り機器の費用を負担する形で導入が進み、現在は出版社15社・書店118店舗が参加しています。大久保教授は、この違いの背景には商品単価の差があると指摘します。1冊あたりの価格が高い書籍と、10円のお菓子とでは、タグをつける費用対効果が大きく異なるというのです。

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万引きを最も防ぐのは「店員の挨拶」大久保教授の研究が示す答え

番組の締めくくりでは、大久保教授が昨年行った研究が紹介されました。ポスター・音・光・店員の挨拶という4つのうち、どれが最も万引きを躊躇させるかを検証したもので、答えは「店員の挨拶」でした。

大久保教授によると、万引き犯は人の目を非常に気にしており、通路をまっすぐ見て人がいないかを確認する傾向があるといいます。手元の商品を見ている一般の客とは目線が異なるのです。防犯ポスターや防犯カメラを意識させる掲示は、最近の研究では効果が限定的とされます。これに対して有効なのが店員の声かけですが、疑って声をかけるのではなく、おもてなしの気持ちで「何かお困りですか」と思いやることが重要だといいます。セルフレジであれば、「機械の調子が悪くて」と機械のせいにしながら手伝う形が望ましいとのことです。

そのうえで大久保教授は、今後の対策には「ソフトとハードの融合」が必要だと述べました。人手が減る一方で、電子タグもAIもまだ万全ではありません。人と機械それぞれの弱点を補い合う対策こそが重要になる、というのが番組の結論でした。

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クローズアップ現代「セルフレジ万引き」完全版の再放送・見逃し配信はある?【最新情報】

多くの視聴者が気にしていた完全版の再放送は、その後実現しました。地震速報で中断した6月16日放送分の内容は、2026年7月6日にNHK総合で改めて放送され、カットされていた後半部分を含む完全版を見ることができました。見逃した場合は、NHKの見逃し配信やNHKオンデマンドで視聴できる可能性があります。配信の有無や期間は変動するため、最新の状況はNHKプラス、NHKオンデマンド、番組公式サイトなど公式の情報源で確認するのが確実です。

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桑子真帆キャスターは今回で卒業|後任は星麻琴アナウンサー

実はこの回は、桑子真帆キャスターにとって番組の卒業回でもありました。番組の最後で桑子キャスターは「今日をもってこの番組を離れることになりました」と述べ、これまでの日々を振り返りながら視聴者へ感謝を伝えています。ただ、このあいさつは番組の終盤にあたるため、6月16日の放送では地震速報による中断でカットされ、7月6日の完全版で改めて放送される形になりました。

桑子キャスターは2022年4月から番組を担当してきましたが、今回の卒業は第1子の妊娠にともなう産休のためとされています。後任は「ニュースウオッチ9」などを務めてきた星麻琴アナウンサーで、7月第2週から新キャスターとして番組を担当します。

星真琴

星真琴アナウンサー                        (引用:「クローズアップ現代」HPより)

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X(旧Twitter)の反応は?「セルフレジ万引き」放送への視聴者の声を考察

放送を受けたSNSでは、いくつかの傾向が見られました。

まず目立ったのが、地震速報による中断で「肝心のAIの話や結論が見られなかった」「続きが気になる」という、消化不良を惜しむ声です。内容面では、セルフレジの便利さと防犯のジレンマに共感する声、対策に追われる店側に同情する声、そして大久保教授の「言い訳しやすい」という指摘に納得する声が見られました。一方で、悪意のないスキャンミスまで疑いの目で見られかねないことへの不安や、「結局セルフレジは本当に便利なのか」という利用者目線の疑問も少なくありません。なお、その後7月6日に完全版が再放送され、中断で見られなかった後半の電子タグや「店員の挨拶」の話まで、改めて確認できるようになりました。

当ブログの考察として一点付け加えるなら、この番組が示した本質は「万引き対策のコストを誰が負担するのか」という問題です。価格転嫁がすでに起きているという指摘は、万引きが一部の人の問題ではなく、ふだん正直に買い物をしている私たち全員のコストになっていることを意味します。便利さを享受する以上、利用者一人ひとりの正しい使い方と、店側を一方的な負担に追い込まない社会の合意形成が、これからの鍵になりそうです。

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まとめ

2026年6月16日放送のクローズアップ現代「セルフレジ万引き」は、新たな万引きの手口とその対策の難しさを浮き彫りにしました。主な手口は「重ね打ち(重ねスキャン)」と「バーコード隠し」で、被害額は年間3460億円。大久保智生教授は「不正のトライアングル」、とりわけ正当化のしやすさが背景にあると分析しました。対策としては、有人レジへの回帰や情報共有、AI技術に加え、完全版で紹介された電子タグ(RFID)の活用が注目されます。ただし、いずれもコストやプライバシーの壁を抱えています。研究では「店員の挨拶」が最も万引きを防ぐ効果を示し、大久保教授は人と機械を組み合わせた「ソフトとハードの融合」が鍵だと締めくくりました。地震速報で中断した本放送は、7月6日に完全版が再放送されています。

※ 本記事は、2026年6月16日に放送(7月6日に完全版を再放送)されたNHK「クローズアップ現代」を参照しています。

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