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テクノロジー・サイエンス

【アンパラレルド】自走式ロープウェイ須知高匡「12秒に1台の衝撃」

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2026年4月15日放送のテレビ東京系「アンパラレルド~ニッポン発、世界へ~」で、自走式ロープウェイ「Zippar」を開発するZip Infrastructureが登場しました。CEO須知高匡さんの熱い挑戦とは?この記事を読めば、人手不足に苦しむ公共交通の救世主となり得る新技術の全貌と、その驚きの仕組み・コスト・社会実装までの道のりがまるごと理解でき、未来の街の姿まで鮮明にイメージできるようになります。


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【アンパラレルド】自走式ロープウェイ「Zippar」とは?Zip Infrastructureの新交通システム

「道路の上空を、12秒おきに無人のゴンドラが次々とやってくる」――。SF映画のような光景が、数年後には日本の街なかで当たり前になるかもしれません。2026年4月15日放送のテレビ東京系「アンパラレルド~ニッポン発、世界へ~」で紹介され、大きな話題となったのが、福島県南相馬市に本社を置くスタートアップ「Zip Infrastructure(ジップ・インフラストラクチャー)」が開発する自走式ロープウェイ「Zippar(ジッパー)」です。

自走式ロープウェイZipper

自走式ロープウェイ「Jippar」                                 (引用:「アンパラレルド」より)

Zipparの最大の特徴は、その名の通り「自走式」である点です。一般的なスキー場のロープウェイは、大型モーターがロープ自体を巻き取ることでゴンドラを動かしますが、Zipparは車両側にモーターとバッテリーを搭載し、固定されたロープやレールの上を車両自身が走行するのです。番組でCEOの須知高匡さんは「上側は、車を改造してこの動力ユニットとして使っております。ゼロから作るよりも、こっちの方が圧倒的にコストが安く済みます」と語っていました。いわば「空を走る小型バス」のような発想で、既存の自動車部品を活用することで開発コストを大幅に圧縮しているわけです。

車両は1両あたり12人乗りで、最短12秒間隔で次々とやってくる構想。1時間あたり最大3,600人を輸送できる計算で、これはもはや「ロープウェイ」というより、空中を走る高頻度シャトルと呼んだ方がしっくりきます。筆者の個人的な印象ですが、この「高頻度」という発想こそが、従来のロープウェイ概念を根底から覆している最大のポイントだと感じます。「待たない公共交通」という利用者体験は、郊外のバスを諦めてマイカーに流れている層を呼び戻す力を秘めているはずです。

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Zip Infrastructure CEO須知高匡|宇宙エレベーター研究から生まれた開発秘話

Zip Infrastructureの創業者でありCEOの須知高匡さんは、2026年現在28歳という若きリーダーです。会社の設立は2018年7月。慶應義塾大学理工学部在学中の創業で、当時から並外れた行動力の持ち主だったことがうかがえます。

ZipInfrastructureの CEO須知高匡氏とCOOレボンキン氏

ZipInfrastructureの CEO須知高匡氏とCOOレボンキン氏                              (引用:「アンパラレルド」より)

意外に思われるかもしれませんが、Zipparの原点は「宇宙エレベーター」の研究にあります。宇宙エレベーターとは、地上と宇宙空間をロープやケーブルで結び、そこを自走式のマシンで昇降させるという壮大な構想です。須知さんは大学時代、この「縦方向に自走するマシン」の研究に没頭し、大会にも出場していました。しかしそこで得た技術を社会にどう役立てるかを模索する中で、日本社会が直面する「交通渋滞」と「バス運転手不足」という大きな課題に行き着きます。番組で須知さんは「それを、こう、どうにか社会に役立てたいなと思って、色々見てたんですけども、やっぱりこの渋滞、そしてバスの運転手不足が大きいというところで、横方向にして人を運ぼう」と開発秘話を明かしました。

「縦を横にすれば社会課題が解決できるのではないか」――。この発想の転換こそが、Zipparを生んだ原点なのです。筆者が特に唸らされたのは、宇宙という壮大なスケールの研究を、あえて「地上の通勤客を運ぶ」という地に足のついた用途に降ろしてきた柔軟性です。若い世代ならではの視野の広さと現実感覚の両立が、この事業の強さを支えているように思えます。

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COOレボンキンとの出会い|Twitter発・フィリピン出身28歳コンビの挑戦

Zipparを語る上で、もう一人欠かせない人物がいます。COOのレボンキン・マリオ・イアン・カルロス・フェリドさん、須知さんと同じく28歳です。

レボンキンさんはフィリピン生まれで、10歳だった2008年に来日。小学校、中学校、そして大学を日本で卒業後、三菱重工業に入社しました。しかし同社が手がけるインフラ製品が「素晴らしいけれど高価で、発展途上のフィリピンには導入しづらい」と感じていたといいます。祖国フィリピンの交通渋滞を何とかしたい――その思いから、より低コストで実装可能なZipparに可能性を見出し、転職を決断しました。

驚くべきは、二人の出会いのきっかけです。なんと「Twitter(現X)」のDMだったのです。須知さんがあるビジネスコンテストに出演していた映像がタイムラインに流れ、同い年で面白い製品を作っている人物に興味を持ったレボンキンさんがDMを送ったことが始まり。連絡の翌週には広島で直接会い、そこから意気投合してジョインに至ったといいます。SNS世代ならではの出会い方で、従来の日本企業の採用プロセスでは絶対に生まれなかったタッグといえるでしょう。技術開発を担う須知さんと、政府・官公庁との折衝や海外展開を担当するレボンキンさん。役割分担が見事に噛み合っている様子は、番組スタジオでも伝わってきました。

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自走式ロープウェイZipparの仕組みと特徴|「曲がれる」特許と低コスト建設費

Zipparが従来のロープウェイと決定的に違うのは、「曲がれる」という点です。通常のロープウェイは直線しか走れず、だから道路の上には建設できないという弱点がありました。一方Zipparは、同社独自の特許技術により、直線部ではロープの上を、カーブ部ではレールの上を、同じ車輪で連続的に走行できます。番組のレゴ模型を使った解説で、曲がりくねった道路の上空をゴンドラがスムーズに移動していく様子は、視聴者に強いインパクトを与えました。

安全性も十分に配慮されています。車両の車輪には溝が切られており、ロープの口径にぴたりとはまる構造。さらに前後には「ガイド輪」と呼ばれる補助車輪が上から押さえつけるように配置され、万が一にも脱落しないよう設計されています。耐風性能も高く、2本式ロープの採用によって風速30メートルまで運行可能。これは鉄道(新幹線を含む)と同等レベルの水準で、公共交通として十分に信頼できる数値です。森本章倫教授(早稲田大学)も番組で「30メートルを超えると、もうほとんどの鉄道は新幹線も含めて止まってしまう」と指摘しており、Zipparがいかに堅牢に設計されているかがわかります。

森本章倫

早稲田大学の森本章倫教授                           (引用:「アンパラレルド」より)

そして最大の武器が、圧倒的な低コストです。Zipparの建設費は1キロメートルあたり15億円。これは地下鉄の20分の1、モノレールの5分の1、路面電車の3分の1という水準です。モノレールは1キロ120億円、地下鉄に至っては1キロ200億~300億円かかると森本教授は指摘しており、財政難に悩む自治体にとってZipparは現実的な選択肢になり得ます。工期も設計1年、建設1年の合計約2年と短く、支柱はモノレールの10分の1の本数で済むため、中央分離帯や歩道に設置でき用地買収の負担も小さい。筆者の目からも、このコスト構造は画期的で、地方都市の交通弱者救済策として真剣に検討されるべき段階に入っていると感じます。

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稲城市との連携協定|自走式ロープウェイの社会実装ロードマップ(2028年・2033年)

Zipparの社会実装は、着実に具体化しています。Zip Infrastructureは2026年1月20日、東京都稲城市と「新交通システムの検討に関する連携協定」を締結しました。東京都内の市区町村では初めてとなる連携協定です(PR TIMES)。

稲城市では現在、京王よみうりランド駅、稲城駅と(仮称)根方谷戸公園、TOKYO GIANTSTOWNを含む新たな基盤整備地区をつなぐ新たな交通システムの検討が進んでいます。背景には、都内最大規模とされる87ヘクタール規模の区画整理事業があり、2025年に開業したプロ野球・読売ジャイアンツのファーム球場「ジャイアンツタウンスタジアム」を中核とする大型レジャー施設の交通アクセス確保が急務となっています。高橋勝浩市長は番組のインタビューで、当初予定していた新バス路線が運転手不足を理由に地元バス会社から断られたことを「大変大打撃」「死活問題」と語っており、Zipparへの期待は切実なものです。高橋市長は2025年10月20日に福島試験線を視察し、Zipparの今後の大きな可能性を肌で感じた とコメントしています。

Zip Infrastructureの掲げる社会実装ロードマップは明確です。2028年に私有地での営業運行を開始し、2033年に公共交通機関としての営業運行を目指すというもの。私有地での第一弾候補として、須知さんは番組で空港やアウトレットモールの駐車場、展示会場などを挙げ、成田空港からもヒアリングを受けていると明かしました。アウトレットの「遠い駐車場問題」を解決する手段としてZipparを導入する――。これは多くの買い物客にとって体感的に非常にわかりやすいユースケースで、社会に受け入れられやすい入口として秀逸だと筆者は感じます。また、2026年4月20日には西松建設との出資契約・連携協定も締結され、土木・建築分野の知見を取り込むことで事業化のスピードがさらに加速する見込みです。

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LRT・BRTと比較|Zip Infrastructureが挑む公共交通とバス運転手不足の解決策

Zipparが解決を目指す課題の深刻さを、数字で再確認しておきましょう。日本バス協会の推計によると、バス運転手の数は2017年の約13万3,000人から、現在は約10万6,000人まで減少。実に20%近くも減ってしまっています。番組冒頭でも紹介された通り、2026年4月からは都営バスでも日中の4路線と深夜バス6路線が運休となり、首都東京でさえ「通勤バスがなくなる」という事態に直面しています。

こうした中、近年注目されてきたのがLRT(次世代型路面電車)BRT(バス高速輸送システム)です。宇都宮市の「ライトライン」は2023年に事業費684億円をかけて開業し、市街地から工業団地までの約15キロを各駅停車44分で結んでいます。初乗り150円、平日1日1万7,000人以上が利用する新たな市民の足に成長しました。名古屋の「ゆとりーとライン」は事業費375億円で、高架軌道を走る専用レーン区間では最高速度60キロを出せ、ドライバーはほぼハンドルを握らずに済む仕組みです。

ただ、LRTもBRTも万能ではありません。番組で須知さんは、宇都宮ライトラインの延伸工事費が1キロあたり100億円を超えてしまう点を指摘し、「それが作れない自治体さんにとっては、うちのジッパーシステムの方がいい」と自信をのぞかせていました。1キロ15億円というZipparのコストは、LRTを諦めざるを得なかった中小規模の自治体にとって、まさに待望の選択肢なのです。

一方で課題も残ります。森本教授は普及の分岐点として「利用者目線での定時性と高頻度運行」「供給者目線での事業採算性」「行政側が補助を出すための公益性」の3点を挙げました。さらに、空中の停留所まで高齢者や障害のある方をどう上げるかというバリアフリーの設計も重要です。須知さんは「マンションの廊下をつないでエレベーターを共用する」という独創的なアイデアを提示しており、駅直結マンションの不動産価値向上とセットで進める構想を語っていました。この発想は、交通インフラと不動産開発を一体化させるという意味でも示唆に富んでおり、日本の都市計画の新しい形を予感させます。

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まとめ|アンパラレルドが描く自走式ロープウェイと須知高匡・レボンキンの未来

テレビ東京系「アンパラレルド」で取り上げられた自走式ロープウェイ「Zippar」は、人口減少と人手不足に直面する日本社会にとって、まさに時代の要請から生まれた挑戦です。Zip InfrastructureのCEO須知高匡さんは宇宙エレベーター研究を交通課題解決へと転換し、COOのレボンキンさんはフィリピンの渋滞解消を視野に世界展開を見据えています。

12秒間隔での高頻度運行、地下鉄の20分の1という圧倒的な低コスト、曲がれるロープウェイという唯一無二の特許技術、そして2028年の私有地営業運行・2033年の公共交通営業運行という明確なロードマップ。東京都稲城市をはじめとする自治体との連携、西松建設や九州電力などの大手企業との資本業務提携も進み、絵空事ではない「実装段階」に入っていることが見て取れます。

番組MCの若林正恭さんが「二人のピュアな気持ちで大人の壁を越えていってほしい」と語った通り、法規制や採算性、バリアフリー設計など乗り越えるべき壁はまだ存在します。しかし28歳の若きリーダー二人が、Twitterでの出会いから始まった挑戦を着実に形にしている姿は、日本の未来に確かな希望を感じさせてくれます。エレベーターの数を超えるZipparが都市を縦横無尽に行き交う日、そしてフィリピンをはじめ海外にも日本発の交通網が広がる日が来るのか――。今後の社会実装の動向から目が離せません。

※ 本記事は、2026年4月15日放送(テレビ東京系) の「アンパラレルド~ニッポン発、世界へ~」を参照しています。
※ Zip Infrastructure株式会社(ジップ・インフラストラクチャー)の公式サイトはこちら

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