2025年6月8日に放送されたTBS系「がっちりマンデー！！」で、九州の通販王国として注目を集めたタンスのゲン。年商330億円という驚異的な業績を誇る家具インテリア通販の成功秘話が明かされました。橋爪福寿会長や工藤直也副社長の革新的な戦略、そして話題の推し活ラックの開発秘話まで詳しくご紹介します。
1. がっちりマンデーで紹介されたタンスのゲンとは？橋爪福寿会長が語る年商330億円の実績
2025年6月8日放送の「がっちりマンデー！！」で特集された「通販王国九州」において、福岡県大川市に本社を構えるタンスのゲンが大きな注目を集めました。この会社は、22年前からネット通販のみで家具・インテリア雑貨を販売し、完全に実店舗を持たない独自のビジネスモデルを展開しています。
番組に登場した橋爪福寿会長は、息子である橋爪裕和社長の海外出張による飛行機の遅れで急遽ピンチヒッターとして対応することになったというエピソードから始まり、「去年の決算で330億、お、こ、儲けとります」と関西弁で売上実績を明かしました。この数字は、ニトリやIKEAといった大手家具チェーンに負けない規模であり、ネット通販専業企業としては驚異的な成果といえるでしょう。
「タンスのゲン」の橋爪福寿会長 （引用：「がっちりマンデー」より）
タンスのゲンの取り扱いアイテム数は2600にも及び、その中でも4999円から販売している高反発マットレスが年間30万枚、木目調のジョイントマットに至っては年間500万枚という圧倒的な販売実績を誇っています。これらの数字は、同社がネット通販市場において確固たる地位を築いていることを物語っています。
2. 橋爪福寿会長の経営哲学「人と違うことをやりなさい」とは
橋爪福寿会長が番組で語った経営理念の核心は、「人と違うことをやりなさい」という言葉に集約されています。この哲学は、タンスのゲンが大手企業との競争に勝ち抜くための重要な戦略として位置づけられており、同社の商品開発から販売戦略まで全ての業務に浸透しています。
会長によると、世の中のトレンドや他社の売れ筋商品を常にチェックすることは重要ですが、それをそのまま真似するのではなく、必ず自社独自のオリジナル要素を加えることを徹底しているといいます。「韓国風のインテリアが流行ったり、やっぱり世の中のトレンドは必ず見ますね」と語る会長の言葉からは、市場動向への鋭い感度と、それを自社の強みに変換する能力の高さが伺えます。
この経営哲学が実際に成果を生んでいるのが、同社の取り扱い商品の95%が自社企画開発品であるという事実です。単純な仕入れ販売ではなく、オリジナリティを追求することで、価格競争に巻き込まれることなく独自のポジションを確立しているのです。
3. 工藤直也副社長が開発した推し活ラック！1ヶ月で1000台販売の秘密
番組で最も注目を集めたのが、工藤直也副社長が開発した「推し活ラック」の成功事例でした。一見すると、どこの家具屋でも見かけそうなベーシックなカラーボックスに見えるこの商品ですが、推し活文化に特化した巧妙な仕掛けが施されています。
タンスのゲン副社長の工藤直也氏 （引用：「がっちりマンデー」より）
工藤副社長の説明によると、背面に開けられた穴にはSフックをかけることができ、推しグッズを美しく飾ることが可能になっています。また、手前に設けられた溝は推しのカードを立てて飾るためのスペースとして設計されており、ファンの心理を深く理解した設計となっています。
この推し活ラックは2025年4月から販売を開始し、わずか1ヶ月で1000台という驚異的な売上を記録しました。この成功の背景には、単なる収納家具としてではなく、推し活という特定のライフスタイルに寄り添った商品設計があります。工藤副社長は「簡単に言えばそういう話です。そこが難しいんです」と謙遜していましたが、このような細やかな気配りこそが、タンスのゲンの商品開発力の源泉といえるでしょう。
“タンスのゲンの推し活ラック”『飾れるコミックラック』 （引用：「がっちりマンデー」より）
4. タンスのゲンのネット通販戦略「トレンドにオリジナルをプラス」
タンスのゲンの成功の秘訣は、流行を敏感に察知し、それに独自のアレンジを加える戦略にあります。橋爪福寿会長は「もうオリジナルですよ」と強調し、社員に対して常に「人と違うことをやりなさい」と指導していることを明かしました。
この戦略の具体例として、推し活ラックの開発プロセスが挙げられます。市場で売れているベーシックなカラーボックスをベースとしながらも、現代の若者文化である「推し活」に着目し、専用の機能を追加することで全く新しい価値を創出しました。このような「既存商品＋α」のアプローチにより、開発コストを抑えながらも高い付加価値を実現しています。
また、大川市という家具の一大産地という立地を活かし、地域ブランドの信頼性と独自の商品開発力を組み合わせることで、他社との差別化を図っています。「大川ブランド」として長年培われた家具製造のノウハウを基盤に、現代のライフスタイルに合わせた商品を次々と生み出す体制を構築しているのです。
5. 連尾裕子販売部が実践する徹底的なお客様思いの商品掲載方法
ネット通販最大の課題である「実物を見られない」という弱点を克服するため、タンスのゲンでは連尾裕子さんが所属する販売部を中心に、業界屈指の詳細な商品情報掲載を実践しています。
タンスのゲン販売部の漣尾裕子さん （引用：「がっちりマンデー」より）
連尾さんは番組で「キズ防止のフェルトを貼る時に長さを測って縦横を記載するようにしています」と語り、商品の細部まで丁寧に計測し、数値化することの重要性を強調しました。実際に同社のホームページを確認すると、座椅子であれば折り畳んだ時の大きさ、テレビ台であれば裏側のコード穴の大きさまで詳細に記載されており、購入前に商品の使用感をイメージできるよう配慮されています。
特に印象的なのは、キャットタワーの紹介において猫のサイズに合うかどうかを確認できるよう細かく計算された情報や、商品と人をセットにした画像で大きさを想像しやすくする工夫です。触り心地を伝える動画の活用や、光の加減による色の変化まで考慮した撮影など、現在では当たり前となっているネット通販の掲載手法の多くが、タンスのゲンの取り組みから始まったものだということです。
6. 橋爪裕和社長が語る大手との差別化戦略「コストをかけてでもニッチに挑戦」
番組後半には、橋爪裕和社長がスタジオ登場し、大手企業との差別化戦略について詳しく語りました。2023年4月に父である橋爪福寿氏から代表取締役を引き継いだ裕和社長は、ベンチャー企業としての機動力を最大の武器として位置づけています。
タンスのゲンの橋爪裕和社長 （引用：「がっちりマンデー」より）
「我々はベンチャー企業なので、やっぱり、いろんな新しいことにチャレンジをしながらやっていく中で、大手さんとはやっぱりちょっと違うところ、大手さんがやりたくないところ、コストがかかるようなところをやるっていうところがありますね」という裕和社長の言葉は、同社の戦略を端的に表しています。
具体的には、ニトリやIKEAのような大手企業が参入しにくいニッチな市場、例えば推し活専用家具のような特定のライフスタイルに特化した商品開発に積極的に取り組んでいます。大手企業にとっては市場規模が小さすぎてコストに見合わない分野でも、タンスのゲンの規模であれば十分に利益を上げることができ、結果として競合他社の少ない独自市場を築くことに成功しているのです。
7. まとめ
2025年6月8日放送の「がっちりマンデー！！」で紹介されたタンスのゲンは、橋爪福寿会長の「人と違うことをやりなさい」という経営哲学のもと、年商330億円という驚異的な成果を達成しています。工藤直也副社長が開発した推し活ラックの1ヶ月1000台販売という実績や、連尾裕子さんが実践する徹底的な商品情報掲載など、同社の成功には明確な戦略と実行力があります。
現在は2023年4月に就任した橋爪裕和社長のもと、大手企業とは異なるニッチ市場への挑戦を続けており、九州の通販王国を支える重要な企業として今後の展開が注目されます。ネット通販専業で20年以上培ってきたノウハウと、福岡県大川市という家具産地の強みを活かした独自のビジネスモデルは、多くの企業にとって参考になる成功事例といえるでしょう。
※ 本記事は、2025年6月8日放送（TBS系）の人気番組「がっちりマンデー！！」を参照しています。
※ タンスのゲン株式会社のHPはこちらへ
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