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社会・暮らしの問題

【クローズアップ現代】住宅ローン返済「払えない」金利上昇で破綻急増

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2026年4月1日放送のNHKクローズアップ現代では、住宅ローン返済に苦しむ人々の実態が取り上げられました。物価高や退職金の減少、離婚によるペアローン破綻、そして金利上昇が家計を直撃しています。この記事では、番組で紹介された具体的な事例や専門家・矢野礼菜さんの提言をもとに、返済破綻を防ぐための対策と「借りられる額」と「返せる額」の違いという大切な考え方をお伝えします。


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住宅ローン返済破綻が急増!物価高・退職金減少が招くリスクとは

2026年4月1日放送のNHK「クローズアップ現代」では、「住宅ローンが返せない!? 増加する返済破綻リスク」というテーマが取り上げられました。キャスターの桑子真帆さんと、三井住友トラスト・資産のミライ研究所の研究員・矢野礼菜さんが出演し、住宅ローン返済に苦しむ人々のリアルな姿が紹介されています。

番組の中で明らかになったのは、住宅ローン破綻の背景にある「複合的なリスク」です。単に金利が上がったから苦しい、という単純な話ではありません。物価高による日常的な出費の増加、退職金の大幅な減少、介護や病気による離職、そして離婚によるペアローンの返済不能など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。

特に深刻なのが退職金の減少傾向です。番組で紹介されたデータによると、会社員の退職金は2022年時点で平均1896万円。25年前と比べるとおよそ1000万円も減少しています。かつては「退職金でローンの残りを一括返済する」という計画が成り立っていましたが、もはやその前提が崩れつつあるわけです。

さらに注目すべきは、住宅ローンに関する相談件数の増加です。番組に登場した大阪の不動産売却仲介会社では、ローンに関する相談が5年前の1.5倍に増え、年間およそ500件にのぼっています。2022年頃からは「どうしても払えない」という切実な相談が目立つようになったといいます。

個人的に強く感じたのは、これは決して他人事ではないということです。住宅ローンは多くの人が数十年にわたって返済し続ける、人生最大の借金です。その長い期間の中で、健康状態も家族関係も雇用環境も大きく変わりうる。「今は大丈夫」という感覚だけでは、不十分なのかもしれません。


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退職金ゼロで破綻した事例とペアローン離婚で返済不能になるケース

番組では、住宅ローン破綻の具体的な事例が複数紹介されました。どれも「まさか自分が」と思っていた人たちの話ばかりで、見ていて胸が痛くなる内容です。

退職金ゼロで計画が狂った池田さん(64歳・仮名)

関東地方に暮らす池田さんは、20年前に中古の一戸建てを購入。2500万円のローンを組み、月々約10万円を返済していました。輸入雑貨の会社に正社員として勤め、月収約40万円、年収500万円超と安定した収入がありました。

ところが4年前、60歳で退職した際に、会社の業績悪化で退職金がゼロに。もともと500万円ほどの退職金でローン残高を一括返済する計画だったため、この誤算は致命的でした。さらに65歳までの再雇用も実現せず、現在はアルバイトで月収10万円余り。妻のパート収入と合わせても月20万円ほどで、物価高もあってローンの滞納が続いています。

金融機関からは残り1100万円の一括返済を求める「催告書」が届き、このまま返済できなければ「強制競売」——裁判所が強制的に入札を行い、相場より安い価格で家を手放さなければならない状況に追い込まれています。

ペアローンが離婚で崩壊した30代女性

もう一つ印象的だったのは、30代の女性の事例です。4年前にペアローンで3700万円の一戸建てを建てましたが、1年前に離婚。家を出た夫がローンを払わなくなり、女性に月10万円の支払い義務がのしかかっています。

ペアローンとは、夫婦がそれぞれ住宅ローンを組む仕組みです。二人合わせた額で家を購入できるため、一人では手が届かない物件も買えるメリットがあります。しかし、お互いが連帯保証人になるため、どちらかが払えなくなるともう一方に返済義務が生じます。

この女性の場合、ローン残高約3400万円に対して、地方で駅から遠い物件は相場で売れても2200万円ほど。1000万円以上のローンが残ってしまう見込みです。夫からの養育費も途絶え、フルタイムで働きながら子供二人を育てている状況で、自己破産も視野に入れざるを得ないと語っていました。

ペアローンは住宅価格の高騰を背景に近年急増していますが、この15年ほどでマンション価格は全国的に2倍以上に上昇しています。「ペアローンって素敵なものだと思っていた」という女性の言葉には、制度の光と影が凝縮されていると感じました。


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金利上昇で返済額はいくら増える?変動型と固定型の比較シミュレーション

番組では、金利上昇が住宅ローン返済に与える影響も詳しく取り上げられました。まさに2026年4月1日から適用された変動金利は1.082%と、十数年ぶりの水準にまで上昇しています。

西村さん夫婦(40代・東京都内)の不安

東京都内に住む40代の西村さん夫婦は、5年前に新築一戸建てを4850万円、35年変動型ローンで購入しました。借入時の金利は0.905%でしたが、2026年現在は1.305%にまで上昇。月々の支払額は約13万5000円から、すでに1万円近く増えています。

「1万円は家族にとって大きな数字」と語る西村さん。世帯の毎月の生活費39万円に物価高も重なり、外食を控えるなど家計の見直しを迫られています。残りの返済期間は30年。変動型を続けるか固定型に借り換えるかも検討し始めましたが、先行きが読めず判断に悩んでいるとのことです。

シミュレーションで見る衝撃の数字

番組に登場した住宅ローン比較診断サービス運営会社の塩澤崇さんによると、相談件数は前年の1.5倍から2倍に急増。元金3000万円で具体的にシミュレーションした結果は、かなりインパクトのあるものでした。

変動型0.75%から固定型2%に借り換えた場合、月々の返済額は約1万8000円増加し、返済総額はなんと762万円も増えます。さらに変動型のまま金利が3%まで上がると、月々の返済額は約3万3000円増加し、返済総額はおよそ1355万円も膨らんでしまうのです。

実際、日銀は2024年3月のマイナス金利解除以降、段階的に利上げを進め、2025年12月には政策金利を0.75%にまで引き上げました。多くの銀行が2026年4月に変動金利の基準金利を引き上げており、今後もさらなる上昇が見込まれています。塩澤さんは「変動金利が2%程度まで上昇しても耐えられるかどうか」を一つの目安として、自分に合った金利タイプを考えるべきだと提言していました。

正直なところ、長年の低金利に慣れすぎた私たちにとって、この金利上昇局面は未知の領域です。「金利なんて気にしなくていい」という時代は、すでに終わっているのだと実感させられます。


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50年超長期ローンの落とし穴と返済総額500万円増のリアル

住宅価格の高騰を背景に、近年急増しているのが「50年ローン」などの超長期住宅ローンです。番組ではこの新たなトレンドについても、具体的な事例をもとに深掘りしていました。

後藤さん夫婦(30歳・大分市)の選択

大分市に住む後藤さん夫婦は去年結婚し、将来二人の子供を希望しています。夫の年収はおよそ500万円。家族が増えることも見越して、5000万円のローンで広い一戸建てを建てたいと考え、50年の超長期ローンを検討していました。

たしかに、返済期間を50年にすれば月々の支払額は35年ローンに比べて約3万5000円も抑えられます。しかし、住宅購入診断士の田原誠那斗さんに返済総額をシミュレーションしてもらった結果、驚きの事実が明らかに。50年ローンの場合、月々の返済額は約11万3247円、返済総額はおよそ6794万円。35年ローンと比べると月々の支払額は約3万5000円抑えられますが、返済総額は逆に500万円以上も増加してしまうのです。

しかも30歳の後藤さんが50年ローンを組めば、完済は80歳。定年退職後の安定収入がなくなる中で、年金と貯蓄だけでローンを払い続けなければなりません。

「月々の支払いが楽になる」という目先のメリットだけで超長期ローンを選ぶと、トータルでは大きな損失になりかねません。加えて金利上昇局面では、返済期間が長い分だけ金利変動の影響をより長期間にわたって受けることになります。これは見落としがちですが、非常に重要なポイントだと思います。


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矢野礼菜が提言「借りられると返せるは違う」破綻を防ぐ大切な考え方

番組の中で、三井住友トラスト・資産のミライ研究所の矢野礼菜さんは、住宅ローンで破綻しないための具体的なアドバイスを複数提示していました。

ペアローンのメリットとデメリットを理解する

矢野さんはまず、ペアローンの特徴を正しく把握することの重要性を挙げています。メリットとしては「借入額を大きくできる」「それぞれが住宅ローン減税を利用できる」「異なる金利タイプや借入期間を選択できる」点があります。一方、デメリットとしては「お互いが連帯保証人になる」「離婚・転職・病気時に影響が大きい」「二契約分の諸費用がかかる」点が挙げられます。これらを十分理解した上で利用を判断すべきだということです。

返済が苦しくなったら「早めに金融機関に相談」

矢野さんが最も強調していたのは、返済が厳しくなった場合は一刻も早く金融機関に相談すること。心理的なハードルはあるものの、早めに相談すれば返済方法の変更や家計の見直しなど、提案してもらえる選択肢が多くなります。競売に至ってしまうと市場価格よりも安く売却することになり、傷口がさらに広がります。

返済比率は3割が目安、でも4割以上の人が急増

これからローンを組む人へのアドバイスとして、矢野さんは「収入のうち返済に充てる割合は3割程度が目安」と述べています。しかし実際には、住宅価格の高騰もあって返済比率が4割以上の人がおよそ25%にまで増えているそうです。金利上昇局面では、余裕を持った借入額で組むことがこれまで以上に重要になってきます。

ローンのリテラシー教育が求められる

矢野さんは、国が進めている資産形成や投資に関するリテラシー教育だけでなく、「借り入れやローンに関するリテラシー」も国として情報発信を強化すべきだと提言しています。低金利時代が長く続いたことで、金利についてよく理解しないまま借りてしまった人も少なくないのが現実です。

国の支援策とその限界

番組では、住宅ローン減税の5年間延長、中古住宅の借入額上限引き上げ、フラット35の融資限度額の8000万円から1億2000万円への引き上げなど、国の支援策も紹介されました。ただし桑子キャスターが指摘したように、こうした施策はすでにローンを組んでいる人には直接の助けにはなりません。また、支援策が借入額を押し上げ、住宅価格そのものがさらに上昇するという「負のループ」を生みかねないという構造的な問題も浮き彫りになっていました。

矢野さんは「住宅購入は個人の選択であり、行政が直接支援するのは難しい」としつつも、物価上昇と金利上昇の中で実質賃金が伸び悩んでいる状況では、「賃金が返済に見合う程度に上がっていく経済政策がこれまで以上に求められる」と訴えていました。

そして最後に矢野さんが伝えたメッセージが、とても印象的でした。

「借りられる額ではなく、返せる額がいくらかを把握してほしい」

銀行の審査で借りられる上限額ギリギリまで借りてしまうと、少しの変化で返済が苦しくなります。長期にわたって無理なく返せる金額を基準にローンを組むことが、破綻を防ぐ最も大切な考え方だということです。


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まとめ

2026年4月1日のクローズアップ現代で取り上げられた住宅ローンの返済破綻リスクは、金利上昇・物価高・退職金減少・ペアローン離婚など、複合的な要因が重なり合って深刻化しています。

番組の事例を通じて見えてきたのは、住宅ローンは「組んだ時」ではなく、「返し続ける数十年間」にこそリスクが潜んでいるという現実です。退職金ゼロに陥った池田さんも、離婚でペアローンが返せなくなった女性も、借りた時点では「まさか自分が」とは思っていなかったでしょう。

矢野礼菜さんの「借りられると返せるは違う」という言葉は、住宅購入を検討するすべての人に響くメッセージだと思います。変動型でも固定型でも、金利上昇を前提としたシミュレーションを行い、返済比率に余裕を持たせること。そして万が一苦しくなったら、一人で抱え込まず早めに金融機関に相談すること。この二つが、住まいを守るための最大の備えではないでしょうか。

低金利時代はもう終わりました。これからの住宅ローンは「金利は上がるもの」という前提で、しっかりとローンリテラシーを身につけて臨む必要があります。

※ 本記事は、2026年4月1日放送のNHK「クローズアップ現代」を参照しています。

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