神社仏閣の新しい参拝体験として注目を集めているのが、スマートフォンを活用したQRコード対応のオーディオガイドです。2024年12月22日放送のTBS「がっちりマンデー!!」で紹介された株式会社ON THE TRIPの取り組みについて、詳しくご紹介します。
ON THE TRIPが開発!全国100以上の神社で導入されるQRコードオーディオガイド
株式会社ON THE TRIPが展開する神社仏閣向けのオーディオガイドサービスが、いま大きな注目を集めています。このサービスは、スマートフォンでQRコードを読み取るだけで、その場所にまつわる歴史や見どころを音声で解説してくれる新しい参拝体験を提供しています。
すでに平等院鳳凰堂や伊勢神宮をはじめとする日本を代表する神社仏閣約100カ所で導入されており、参拝者からも好評を得ています。特に1300年以上の歴史を持つ京都の貴船神社では、水の神様にまつわる由緒や、36回もの社殿の立て直しの歴史など、通常の参拝では気付きにくい深い魅力を、このガイドを通じて知ることができます。
成瀬勇輝社長が語る革新的な音声ガイドサービスの特徴
株式会社ON THE TRIPの代表取締役である成瀬勇輝社長(36歳)は、このサービスの特徴について「物語性を持たせたガイド」にこだわっていると語ります。単なる史実の説明だけでなく、目の前の景色の見方が変わるような解説を心がけているとのことです。
例えば、貴船神社では灯籠の朱色に込められた魔除けの意味や、御神木から感じられる神聖な気など、参拝をより深い体験にする工夫が施されています。また、日本語だけでなく英語や中国語にも対応しており、増加する外国人観光客にも対応。カナダからの参拝者からは「発音が聞きやすく、興味深い情報が得られた」との感想も寄せられています。
神社仏閣向けオーディオガイドの2つの収益パターン
このサービスの収益モデルには、大きく分けて2つのパターンがあります。1つ目は、神社仏閣ごとに音声ガイドの価格を設定し、利用者から直接料金をいただくパターン。2つ目は、音声ガイド自体は無料で提供し、拝観料の値上げ分から一部を収益として得るパターンです。
この柔軟な料金体系により、神社仏閣の規模や来訪者の特性に合わせた最適なサービス提供が可能となっています。
欧州の教会がヒント!成瀬社長がサービスを思いついたきっかけ
このサービスのアイデアは、成瀬社長の欧州での経験がきっかけでした。サグラダ・ファミリアをはじめとする欧州の教会では、無料のオーディオガイドが一般的で、その代わりに適切な入館料・拝観料を設定することで、施設の維持・運営を行っているそうです。
この仕組みをヒントに、日本の神社仏閣でも施設の魅力をより深く伝えることができれば、適切な対価をいただきながら、文化財の保護や伝統の継承にもつながると考えたとのことです。
位置情報と連携した最新システムの導入で利便性向上
ON THE TRIPのサービスの特徴的な機能として、位置情報との連携があります。従来の音声ガイドのように、常に音声が流れ続けて会話の妨げになるということはありません。参拝者が特定のスポットに近づくと、自動的にその場所に関する解説が流れ始める仕組みを採用しています。
さらに、子供向けのガイドや、言語だけでなく内容も調整した海外観光客向けのガイドなど、利用者に合わせた多様なコンテンツも用意されています。
まとめ:新時代の参拝体験を提供するON THE TRIPの今後
日本全国には7万以上のお寺と8万以上の神社があり、これはコンビニエンスストア(約5〜6万店)よりも多い数字です。ON THE TRIPは、このような豊富な文化資源に最新のテクノロジーを組み合わせることで、新しい参拝体験を創出しています。
神社仏閣側にとっても、大量の立札を設置することなく景観を損ねずに、詳細な情報を提供できるメリットがあります。今後も増加が予想されるインバウンド需要への対応や、若い世代への伝統文化の継承など、このサービスの果たす役割は更に大きくなっていくことでしょう。
※本記事は、2024年12月22日放送のTBS「がっちりマンデー!!」を参照しています。
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