2026年4月18日放送の「ブレイクスルー」で、日本初の商用運行を始めた自動運転トラックが紹介されます。この記事では、T2のCEO熊部雅友さんが挑む物流危機への解決策と、自動運転トラックが切り拓く物流の未来をわかりやすくまとめました。読めば、深刻化する物流問題と日本発のブレイクスルーの全体像がつかめます。
自動運転トラックが日本初の商用運行スタート!物流危機を救うブレイクスルー
高速道路を悠々と走る10トンの大型トラック。車体には「自動運転実施中」の文字が光り、運転席ではドライバーがハンドルに手を軽く添えているだけ——。これが、日本で初めて商用運行を始めた自動運転トラックの姿です。
開発・運行を手がけるのは、東京都千代田区に本社を置くスタートアップ企業「T2(ティーツー)」。今回のブレイクスルーでは、作家の相場英雄さんとテレビ東京の佐々木明子アナウンサーが、T2のCEO熊部雅友さんを訪ね、物流危機に立ち向かう最前線の取り組みに迫ります。
日本の物流業界では、ドライバー不足が深刻化しています。このまま対策を打たなければ、2030年には荷物が運べなくなることなどで経済損失が10兆円に膨らむともいわれており、まさに「供給網の寸断」という未曾有の危機が目前に迫っているのです。T2の自動運転トラックは、この危機を救う切り札として、物流業界はもちろん、日本経済全体からも熱い視線を浴びています。個人的な視点を加えると、物流は「縁の下の力持ち」として長く評価されにくい領域でしたが、ここにテクノロジーが本格投入される意味は極めて大きいと感じます。
熊部雅友とは何者?T2のCEOが描く自動運転トラックの未来像
T2のCEO熊部雅友さんは、1980年に神奈川県で生まれ、2002年に三井物産に入社しました。キャリアの大半はトラックなど商用車の販売分野で積み上げ、メキシコには二度駐在しています。現地でお客さんの声を直接聞き、運送事業者のニーズを肌感覚で理解してきたことが、現在の事業運営に大きく生きているといいます。
そんな熊部さんに白羽の矢が立ったのは、2022年のこと。三井物産が日本を代表するAI開発スタートアップ「プリファードネットワークス」と共同でT2を設立し、熊部さんがCEOに就任しました。
相場さんが対談の中で「発想が商社ですね」と指摘したように、熊部さんの強みは、業界の異なるプレイヤーを同じテーブルに集め、新しい事業の形をつくり上げる「つなぐ力」にあります。自動運転の技術を開発するだけにとどまらず、運送事業の現場にまで踏み込んでいる点が、海外の競合にはないT2独自の個性だといえるでしょう。技術と事業、この両輪を回せる人物がトップに立っていることが、T2の信頼性を高めている大きな要因だと感じます。
自動運転トラックの仕組みとは?25個のセンサーが支える技術力
T2の自動運転トラックは、どのようにして巨大な車体を自在にコントロールしているのでしょうか。鍵を握るのは、運転席の周囲に張り巡らされたハイテク装備です。
運転席の上には4台のカメラ、車体後部にもカメラに加えてセンサーを搭載。合計25個の「目」が、前後200メートル以上にわたる周囲の状況を常時認識しています。光をレーザーで感知する「LiDAR(ライダー)」、電波で前方との距離を測る「ミリ波レーダー」、人工衛星から自己位置を推定する「GNSS」など、多彩なセンサーが組み合わさっているのが特徴です。
モニターには、周囲を走る乗用車は青、トラックは赤で色分け表示されます。大型トラックは車体が重くブレーキを踏んでから止まりきるまでに長い距離が必要なため、車両の種類を識別し、適切な車間距離を自動調整しているのです。しかも、これらのカメラやセンサーは既存トラックにも後付け可能。運送会社にとって導入のハードルを下げる配慮が随所に見られます。「物流を止めない」ための実装設計という意味で、技術のレベル感と現場感覚のバランスが絶妙だと感じます。
2024年問題と人手不足で深刻化する物流危機の実態
なぜ今、自動運転トラックがこれほど注目されるのか。その背景にあるのが「2024年問題」と呼ばれる構造課題です。働き方改革によりトラックドライバーの時間外労働に上限規制が導入され、1日あたりの拘束時間は最大15時間に制限されました。結果、関東と関西の間を一人のドライバーで往復することが物理的に難しくなり、輸送力そのものが目減りする事態が生じています。
加えて、若手の担い手不足と高齢化も同時進行。人手不足と法規制が重なり、「運べない」という現実が現場に広がっているのです。
ここで熊部さんが強調するのは、「コストより先に、まず輸送力を確保することが大事」という明快な優先順位です。自動運転トラックはまだ開発段階にあり、コストは高い水準にあります。それでも、2030年以降に物が運べなくなる未来を回避するためには、テクノロジーで輸送力を下支えする以外に道はないという判断です。この「社会インフラとしての物流」を守る視点こそ、単なるビジネスを超えた使命感の表れだと感じます。
セブン-イレブンなど大手49社が協力!走行データの蓄積が鍵
T2のレベル4実現に向けて欠かせないのが、走行データの蓄積です。工事区間の突発的な発生、事故による車線規制、気候変動による路面状況の変化など、高速道路では刻一刻と状況が変わります。無人運転を実現するには、あらゆるシーンに対応できるデータと判断ロジックを積み上げなければなりません。
この巨大なデータ収集を支えるのが、T2と協業する大手49社のパートナー網です。セブン-イレブン、佐川急便、日本郵便といった物流・小売の主要プレイヤーが名を連ね、実際の商用運行を通じてデータが日々積み上がっています。
引越業界からはサカイ引越センターが参画。同社ブロック長の小野寺進さんは「24時間365日、無人で動ける車両ができれば、ドライバーは引越先の作業に集中でき、一人ひとりのパフォーマンスが上がる」と期待を語っています。引越ドライバーは長距離運転に加えて荷物の積み下ろしも担い、身体的負担が大きい職種。自動運転の導入は人手不足解消と働き方改善の両面で効果が見込まれます。日本を代表する大手企業が揃って協力している事実は、T2の取り組みが一企業の実験ではなく、業界全体のインフラ構築フェーズに入っていることを示していると感じます。
2027年度レベル4実現へ!熊部雅友が目指す自動運転トラックの次の一手
現在のT2は、ドライバーが乗車して監視する「レベル2」の段階にあります。2026年3月には神奈川と兵庫を結ぶ約500キロの高速道路で、ドライバーがアクセル・ブレーキ・ハンドルを一切操作せずに走りきる運行に成功しました。次のステップは、完全無人での走行が可能になる「レベル4」。T2はこれを2027年度までに実現する目標を掲げています。
事業展開の構想も具体的です。まずは関東・関西間の大動脈を固め、その後は西へ延伸し、工場が集積する九州までのネットワーク構築を視野に入れています。さらに港湾や航空との接続、船の繁忙期の陸送代替など、物流のハブ同士を結ぶ役割も担う方針です。
熊部さんの野望はそれだけにとどまりません。自動運転車両・システム・遠隔監視などを「パッケージ」として完成させ、海外展開も視野に入れています。相場さんからの「ブレイクスルーとは何か」という問いに対し、熊部さんは「技術をいかに活用するか、その先に何を見ているかが大事。社会課題の解決や国への貢献という志を持ってやり遂げたい」と答えました。日本発の物流ソリューションが世界を変える日は、そう遠くないかもしれません。
まとめ
2026年4月18日放送のブレイクスルーで紹介される、T2のCEO熊部雅友さんによる自動運転トラックの挑戦をお伝えしました。日本初の商用運行をすでに実現し、2027年度のレベル4無人運転を目指すT2の取り組みは、深刻化する人手不足と2024年問題に直面する物流業界にとって、まさに希望の光といえるでしょう。大手49社との協力による走行データの蓄積、関東・関西から九州・海外へと広がる事業展開、そして社会課題解決への強い志。熊部さんが切り拓く物流の未来から、目が離せません。
※ 本記事は、2026年4月18日放送(テレビ東京系)の人気番組「ブレイクスルー」を参照しています。




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