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【クローズアップ現代】J-POP新・ヒットの力学「世界熱狂のワケ」

【クローズアップ現代】J-POP新・ヒットの力学「世界熱狂のワケ」
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2026年6月9日放送のNHK「クローズアップ現代」では、70年代曲から令和アイドルまでJ-POPの新潮流が特集されました。なぜ今、高中正義さんら昔の邦楽に世界の若者が熱狂しているのか。本記事では番組で語られた「新・ヒットの力学」をわかりやすく整理し、J-POPが世界で稼げる産業になれるのかまで深掘りします。読み終える頃には、音楽ニュースの見え方がきっと変わるはずです。

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クローズアップ現代で特集!J-POP新・ヒットの力学とは?

番組で音楽評論家の柴那典(しばとものり)さんが解説した「新・ヒットの力学」を一言でいえば、「CDの売上×テレビ・口コミ」から「ストリーミング×SNS×ライブ」への大転換です。

柴邦典

音楽評論家の柴邦典さん(引用:「X」より)

かつてのヒットの中心はCDの売れた枚数で、それを広めるのはテレビと口コミでした。しかしテレビや口コミは国境を越えにくいという弱点があります。今の指標は「売れた枚数」ではなく「聴かれた回数」。ストリーミングの再生数をSNSが押し上げ、再生データからライブの動員を予測して公演を打つ。するとライブに来たファンのSNS発信でさらにリスナーが広がり、再生数が伸びる――この好循環こそが新しいヒットの方程式です。

今やストリーミングは世界の楽曲売上の7割を占めています。リスナーにとっては「古い曲でも出会った時が新曲」。発売年が意味を持たなくなったことが、40年以上前の邦楽が世界でヒットする土台になっているのです。

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高中正義73歳が世界ツアーで4万5000人動員!熱狂の3つの理由

高中正義氏の73歳にしての成功

高中正義氏の73歳にしての成功(※画像はイメージです)

番組の主役は、1970年代にサディスティック・ミカ・バンドのギタリストとして人気を博した高中正義さん、73歳。今年初のワールドツアーを敢行し、ロンドンやニューヨークなど再生数の多い世界8都市でチケットを完売、4万5000人を動員しました。ツアー中にはストリーミング再生数が過去最高の1日120万回を記録しています。

番組はこの熱狂の背景を3つの力学で説明していました。

①ストリーミング革命。シティポップを聴く欧米のファンに、レコメンド機能で高中さんの曲が自動的に流れてきたこと。「数年前にSpotifyでおすすめされて恋に落ちた」というロンドンの若者の声が象徴的でした。

②SNSの力。6年前に高中さんの音楽と出会ったファンのEJさんが、ネット上に少なかった情報を独自に調べて投稿を継続。触発された他のファンの動画投稿が世界中に拡散し、今や14万人のファンとつながるコミュニティに育ちました。

③データに基づくライブ開催。プロモーターの北林慶大さんが、どの都市で楽曲が再生されているかを分析し、再生数の多い8都市を狙ってツアーを決定。「静かにフェードアウトの人生だと思ってたんですけど、最高」という高中さんの言葉が、何とも胸に響きます。

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シティポップから始まったJ-POP海外人気「グローバル・ニッチ」の構造

変化の兆しはおよそ6年前。松原みきさんの「真夜中のドア~stay with me」や竹内まりやさんの「PLASTIC LOVE」など、70~80年代のシティポップの再生回数が海外で急増しました。そこからレコメンドをたどって、高中さんに代表されるフュージョンへと人気が波及していったのです。

ここで重要なのが番組のキーワード「グローバル・ニッチ」という構造です。1つの国ではファン数が限られるジャンルでも、配信によって世界規模で集まればヒットになる。柴さんは、2010年代にもBABYMETALやきゃりーぱみゅぱみゅ、Perfumeなど海外で活躍するアーティストはいたものの、それは個々の人気にとどまっていたと指摘します。今はシティポップというジャンル自体が一時的なブームで終わらず根強い人気として定着し、フュージョンなど周辺ジャンルへ広がっている点が決定的に違うわけです。

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FRUITS ZIPPERのカワイイラボに学ぶUGC戦略とSNS活用術

令和アイドルのUGC戦略

令和アイドルのUGC戦略(※画像はイメージです)

令和アイドル側の代表として番組が密着したのが、2022年誕生からわずか4年でFRUITS ZIPPERらを輩出したアソビシステムのプロジェクト「KAWAII LAB.(カワイイラボ)」です。

スタッフとアーティスト総出で1日100回以上SNSに発信する日もあり、「好きなものの情報が常に自動的に降ってくる状況を作り続けたい」という担当者の言葉が印象的でした。さらに、従来は原則禁止だったライブでの動画撮影を一部解禁。今後押し出したい新曲を撮影可能とし、ファンが自ら作って発信するコンテンツ=UGC(User Generated Content)を積極的に活用しています。投稿にアイドル本人が「いいね」やリポストで反応することで、拡散はさらに加速します。

アソビシステムの中川悠介社長の「権利を守っていくよりも権利を使う時代」という言葉は、この特集の核心だと感じました。同プロジェクトのCUTIE STREETは3月に韓国の人気音楽番組へ出演し、韓国語を交えた歌唱が話題に。放送直後から韓国語字幕付き動画を連日投稿し、現地ファンのUGCが続々生まれて再生数が急増。この機を逃さず来月にはソウルでのライブも決定しています。「種を撒き続けて、咲いた瞬間にめっちゃ水をやる」という担当者の表現は、SNS時代のマーケティングを見事に言い当てていますね。

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柴那典が指摘する日本の課題と強み「多様性と蓄積」

一方で番組は、世界と日本の音楽売上の構成比の違いも示しました。世界ではストリーミングが約7割を占めるのに対し、日本はその割合があまり伸びていません。柴さんはその理由を、2010年代に握手会などの特典商法でCDを売るビジネスモデルが温存され、デジタルシフトが遅れたためと分析します。

また、SNSのバズは一過性であり、次々と新しいものに取って代わられるという課題も。短い期間に音楽そのもののクオリティをどれだけ伝え、バズを本当の支持につなげられるかという「実力」が問われます。

それでも柴さんは、日本の音楽の強みを「多様性と蓄積」だと語ります。アイドルからロック、ヒップホップ、ボーカロイドまで幅広いジャンルが活躍する横の広がり(多様性)と、シティポップや90年代の渋谷系など過去の名曲が海外で再評価される縦の厚み(蓄積)。この2つを併せ持つ国は、世界でもそう多くないはずです。

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J-POPは稼げる産業になれるか?MUSIC AWARDS JAPANとコライティングの挑戦

国もこの潮流に経済的な期待を寄せています。コンテンツ産業の海外売上高は現在6.13兆円と自動車に次ぐ規模に達しており、これを2033年までに自動車に匹敵する基幹産業へ育てるという大きな目標が掲げられています。

その動きを象徴するのが、去年始まった国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」です。ストリーミング再生数やSNSでの広がりを重要指標とし、海外で最も聴かれた日本の曲を表彰するなど、アーティストの海外進出を後押し。レコード会社や芸能事務所など音楽業界の主要5団体が新団体を設立して協力するという、国内市場の大きさゆえに団結してこなかった日本では画期的な動きです。音楽関係者5000人の投票で選ばれる点も、海外リスナーにとってJ-POPの「入り口」「看板」になると柴さんは評価していました。

人材育成の面では、海外で主流の共同作曲手法「コライティング」の導入が進んでいます。福岡の自宅で一人曲作りをしてきた山本大斗さんは、世界中から招かれた作家との共同制作を経験し、制作した曲がタイで再生数を伸ばしてバンコクのライブにも参加。「見えてなかった世界を見られるかもしれない希望」という言葉に、次世代の可能性を感じました。

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クローズアップ現代「J-POP新潮流」へのSNSの反応と考察

放送をめぐっては、X(旧Twitter)や音楽メディアでも大きな反響がありました。とくに目立ったのは「高中正義さんのワールドツアーの観客がほとんど20代の欧米の若者」という事実への驚きの声です。シティポップ・リバイバルに続く「Jフュージョン再評価」の流れは音楽ファンの間で以前から注目されており、海外リスナーがJ-POPを「宝探し」のように掘り進めている現象を、今回の特集が広くお茶の間に可視化した形といえます。

個人的に考えさせられたのは、この成功が「狙って作られたものではない」という点です。高中さんの音楽は50年近く変わらぬクオリティで作られ続け、そこにストリーミングとSNSという新しい土壌が後から追いついた。つまり新・ヒットの力学とは、流行を追いかける技術ではなく、蓄積された本物をデータの力で「届くべき人」に届ける仕組みなのだと思います。柴さんが最後に語った「選択と集中ではダメ。草の根のクリエイターがのびのび活躍できる土壌こそ重要」という指摘は、効率を求めがちな今の時代への、静かで鋭い警鐘ではないでしょうか。

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まとめ

2026年6月9日放送のクローズアップ現代「70年代曲から令和アイドルまで J-POP新潮流」のポイントを整理します。

・新・ヒットの力学は「ストリーミング×SNS×ライブ」の好循環。指標はCDの枚数から再生回数へ
・高中正義さん(73歳)は世界8都市ツアーで4万5000人を動員、再生数は1日120万回の過去最高を記録
・シティポップ発の「グローバル・ニッチ」構造が、昔の邦楽を世界ヒットに変えている
・KAWAII LAB.はUGC活用とライブ撮影解禁で「権利を使う時代」を実践、韓国進出も加速
・日本の強みは「多様性と蓄積」。MUSIC AWARDS JAPANやコライティングで業界が団結し、2033年に自動車に匹敵する基幹産業を目指す

古い曲が世界で新曲として生まれ変わる時代。日本の音楽の宝の山は、まだ掘り起こされ始めたばかりなのかもしれません。

※ 本記事は、2026年6月9日放送のNHK「クローズアップ現代」を参照しています。

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