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社会・暮らしの問題

【日経NEXT】格安USB「消えるデータ」容量偽装の見分け方

【日経NEXT】格安USB「消えるデータ」容量偽装の見分け方 nikkei-next-usb-capacity-fraud
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ネット通販で見かける、大容量なのに激安のUSBメモリ。実はそこに「容量偽装」という落とし穴が潜んでいます。2026年7月24日放送の日経NEXTでは、格安USBの容量偽装の実態と、データが静かに消える仕組みが明かされました。この記事では番組の検証をもとに、偽装の中身から自分でできる見分け方までを整理します。読み終える頃には、大切なデータを守るための”買い方・使い方”が身についているはずです。

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日経NEXTが暴いた「格安USBの容量偽装」とは?

BSテレ東の経済報道番組・日経NEXT(NIKKEI NEWS NEXT/2026年7月24日放送)が「あなたの会社は大丈夫?」と問いかけたのが、格安USBの容量偽装問題でした。

須藤龍也

日本経済新聞の須藤龍也 編集委員                      (引用:「日経NEXT」より)

きっかけは日本経済新聞のスクープです。陸上自衛隊が、ウイルスに感染した中国製のUSBメモリを約1年間も気づかずに使い続けていた——そのUSBが「偽装品」だったのです。番組でスクープの背景を語ったのは、約15年にわたりサイバーセキュリティを取材してきた日経の須藤龍也編集委員。自衛隊が使ったブランドを含む格安USBをAmazonなどで無作為に購入して調べたところ、いずれも容量偽装品だったと明かします。日経が格安USB10種を独自に購入した調査では、その半数が偽装で、しかもすべて中国製でした。

「大容量・低価格」という、多くの人が魅力に感じる条件にこそ危険が潜む——これが番組の出発点です。安さに惹かれる心理そのものが、この手口の”入口”になっているという点は、私たちが最初に自覚しておきたいところです。

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なぜ危険?容量偽装USBで「データが消える」仕組み

容量偽装USBの本当に厄介なところは、「書き込めるのに、読み込めない」という点にあります。

表示された容量よりも実際の記憶容量はずっと少ないのに、USB内部のコントローラーが、あたかも大容量であるかのようにパソコンへ見せかけているのです。番組で検証にあたったデータ復旧会社「AIデータ」の菅原一徳チーフエンジニアによれば、ある偽装品は500GBと表示されるのに実容量はわずか58.2GB、およそ1割しかありませんでした。存在しない容量を「あるように見せているだけ」で、書き込み操作自体は正常に見えるため、使っている本人はまず気づけません。

だからこそ悪質なのです。表示容量を超えて書き込むと、先に入っていたデータが消えたり、保存したはずのファイルが読み出せなくなったりします。仕事の重要な資料や、家族の思い出の写真を「保存したつもり」でいたのに、後で開こうとしたら何も残っていない——そんな事態が起こり得ます。目に見える故障ではなく、”静かな喪失”であることが、この問題の怖さだと言えます。

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4テラが実は64ギガ 番組が分解で暴いた偽装の中身

番組取材班も、実際にネット通販で格安USBを購入して検証しています。表示は4テラバイトの大容量、価格は5,380円とかなり割安な一品でした。

AIデータで調べると、テストの途中で書き込みエラーが発生し、そのまま壊れてしまいます。そこで中身を確かめるため、加熱して樹脂を溶かし分解したところ——出てきたのは、なんと64GBのマイクロSDカード1枚。表示の実に64分の1でした。外見は本物そっくりで、見た目だけで判断するのはまず不可能です。

さらに須藤記者は、容量偽装だけでなく、ハッカー集団によるウイルスが仕込まれているリスクも指摘します。機密情報を扱う企業や組織のパソコンにこうしたUSBが差し込まれ、情報を盗み取る”機会”が狙われている可能性があるというのです。単なる粗悪品というより、意図的に仕掛けられた罠と捉えるべき製品もある、ということになります。

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自分でできる格安USB 容量偽装の「見分け方」

では、どうすれば偽装を見抜けるのでしょうか。基本の考え方はシンプルで、「表示容量を信じず、実際に書き込んで読み返す」ことです。表示された容量いっぱいまでデータを書き込み、それを読み出して内容が一致するかを確認すれば、偽装品なら必ずどこかで矛盾が現れます。

この検証を手軽にできるツールも公開されています。番組に登場したAIデータが、日本経済新聞の調査依頼をきっかけに開発した無料ソフト「DATA119 Media Test」です。2026年7月14日から無償提供が始まり(Windows版)、テストデータの書き込みと読み出しを自動で行い、表示どおりに保存できるか、正しく読み書きできるかをチェックできます。個人はもちろん、企業や自治体が一括購入した記憶媒体の納品時検査にも使える内容です。

ただし注意点があります。このツールは検査対象に実際にデータを書き込むため、既存のデータは消えてしまいます。必ず空の、あるいはバックアップ済みのメディアで使ってください。買う前・使う前のひと手間で、静かなデータ消失は十分に防げます。「4テラでこの安さはあり得ない」と疑える相場感を取り戻すことが、何よりの自衛策です。

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USBだけじゃない クラウドの死角とClaude Mythos

「もうUSBは使わない、クラウドだから安全」——番組の街頭取材でも、こうした声は少なくありませんでした。しかし専門家は、クラウドにも死角があると指摘します。

増田幸美

日本プルーフポイントのチーフエバンジェリスト 増田幸美氏                           (引用:「日経NEXT」より)

日本プルーフポイントのチーフエバンジェリスト・増田幸美氏は、2026年4月7日を一つの転換点として挙げました。この日、AI開発企業のAnthropic(アンソロピック)が発表したのが「Claude Mythos(クロード・ミュトス)」というAIモデルです。インターネット上に公開されたシステムの弱点を突き、防御を破ってしまう能力を持つとされ、「クラウドのほうが安全で安価」という従来の常識が大きく揺らいだといいます。なお、Anthropicはその危険性を踏まえて同モデルを一般公開せず、能力を防御側に活かすための取り組み(Project Glasswing)を進めているという経緯もあります。

Claude Mythosがなぜここまで警戒されるのか——Claude Mythosの自律的攻撃能力や蒸留による拡散リスクについては、別記事で詳しく解説しています。

番組でトラウデン直美キャスターは、「本当にネットワークに接続する必要があったのか」を問い直し、手元のデータセンターに戻す選択肢も考えるべきだと語りました。ネットから遮断された場所にデータを置けるUSBの価値が、”一周回って”高まっている——コメンテーターの大塚節雄氏(日経編集委員)のこの指摘は、なんとも逆説的で示唆に富みます。

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自衛隊USB問題と総務省の動き 私たちがすべき対策

自衛隊の感染USB問題を受け、総務省は全国の自治体に対し、保有するUSBを調査するよう要請しました(2026年6月26日通知)。

いち早く動いたのが三重県です。庁内のUSBメモリ10,757個を調べ、37の所属で計47個からマルウェアを検知したと公表しました。中には所属長の許可を得ていない私物も含まれていましたが、感染や情報流出などの被害は確認されていません。もっとも、このとき見つかったマルウェアは過去の迷惑メール由来のものなどが中心で、陸自事案の中国製偽装USBと直接結びつくものではない点は、冷静に押さえておきたいところです。それでも、身近な組織にこれだけのマルウェアが潜んでいた事実は、決して他人事ではありません。

私たちがすべき対策として、番組では次の点が語られました。まず、格安品に飛びつかず、信頼できるメーカーの製品を家電量販店などの実店舗で選ぶこと。そして、正規品として買ったものであっても、一度はウイルスチェックをかけること。容量と価格の適正なバランスを学び、信頼できる相手から買うという基本動作を徹底することです。番組では30テラと表示された容量偽装のHDDも紹介され、足りない重量を重りでごまかし、中身はやはり64GBのマイクロSDだったことも明かされました。USBに限らず、記憶媒体全般に同じ目を向ける必要があります。

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まとめ

日経NEXTが伝えた格安USBの容量偽装は、「安さ」の裏に潜む見えにくいリスクでした。書き込めても読み込めず、大切なデータが静かに消えていく——その怖さを知ることが第一歩です。見分け方の基本は「実際に書いて読み返す」こと、そしてDATA119 Media Testのような無料ツールを活用すること。さらに、クラウドも万能ではないという視点、実店舗での正規品購入とウイルスチェックの習慣が、私たちの情報を守ってくれます。身近なデジタル機器のリスクリテラシーを、この機会に一段引き上げておきたいですね。

※ 本記事は、2026年7月24日放送の日経NEXT(BSテレ東)の内容を参照しています。

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