冷凍からあげの定番「特から」は、誰がどうやって作ったのでしょうか。2026年10月18日放送のがっちりマンデー!!では、ニチレイフーズでヒットを連発する開発者・藤井宏之さんが登場しました。この記事では、特から誕生のきっかけと三度揚げの工夫、そして人気店のから揚げまで測り尽くす”数字で語る”開発法を解説します。冷凍食品売り場の見方がきっと変わるはずです。
がっちりマンデーに登場したニチレイのヒット連発社員・藤井宏之さんとは
2026年10月18日放送のがっちりマンデー!!は、「我が社の、ヒット連発社員」がテーマでした。ファミリーマートに続いて登場したのが、冷凍食品大手のニチレイフーズです。紹介された瞬間、加藤浩次さんと進藤晶子さんがそろって「大好き!」と声を上げたのが印象的でした。
ニチレイフーズは、日本を代表する冷凍食品メーカーです。番組によれば、年間売上は4000億円を超えています。「本格炒め炒飯」や「特から」など、冷凍食品売り場の顔ともいえる商品を数多く抱える会社です。
ここで紹介されたヒット連発社員が、藤井宏之さんです。2002年から商品開発ひと筋で、理系の大学院を出ているそうです。
番組スタッフが「藤井さんが作ったヒット商品を見せてください」とお願いすると、パンパンに詰まった袋から次々と商品が出てきました。マヂカルラブリーの村上さんが「めっちゃ見たことある、全部!」と驚いたほどで、冷凍食品売り場でおなじみの顔ぶれがずらりと並びます。20年以上、同じ分野で結果を出し続けている。それこそが”連発”の重みだと感じました。
冷凍からあげNo.1「特から」は藤井さんが一から開発した商品
藤井さんに史上最大のヒットを尋ねると、迷わず返ってきた答えが「特から」でした。ほかの商品はリニューアルなどに携わったものもありますが、特からは「本当に一から私が開発したもの」と語っていました。
特からの発売は2017年3月です。発売から約1年半で、冷凍調理からあげのカテゴリー売上No.1を獲得しました。番組でも、冷凍からあげでナンバーワンの商品として紹介されています。パッケージに「売上No.1」と大きく書かれているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
冷凍からあげは、各社が新商品を次々と投入する激戦区です。食べ比べ記事やランキングが毎年のように出るジャンルで、王座を守り続けるのは簡単ではありません。その中で長く首位を走っていることが、藤井さんの商品設計の確かさを物語っていると思います。
特からの秘密は「夕飯のおかず」発想と三度揚げ
特からが生まれるまで、冷凍からあげといえば小ぶりなサイズで、お弁当のおかず用が当たり前でした。そこで藤井さんが考えたのは、発想の転換です。自宅の夕飯で、ご飯と一緒に食べてもらうことを元のコンセプトにしたのです。
家の食卓に並ぶような食べごたえを出すため、まずお肉をお弁当用より一回り大きくしました。揚げ方にも工夫があります。一気に揚げるのではなく、揚げる時間や温度を変えて3回に分けて揚げる「三度揚げ」にしました。これで、お肉のうまみとジューシーさをぎゅっと閉じ込めています。
番組に登場した女性客は、夕食のために家で油を使うのは大変なので、特からをレンジで温めてそのまま出している、と話していました。スタジオの加藤さんも「これのほうがうまいもん」と太鼓判です。
私が鋭いと感じたのは、味の改良より先に「食べる場面」を変えた点です。お弁当用という前提の中で味を競うのではなく、夕飯のメインという別の席を用意した。共働き世帯が増え、揚げ物を家で作る手間を減らしたい人は多いはずです。そこに真正面から応えた、時代をよく見た設計だと思います。
ミニハンバーグも牛肉コロッケも!ニチレイの売上No.1商品
藤井さんが手がけたヒットは、特からだけではありません。番組では、ほかにも売上トップの商品が紹介されました。
1つ目は、藤井さんがリニューアルに携わった「ミニハンバーグ」です。こだわったのは、冷めてもおいしいお肉のジューシー感でした。これがお弁当にぴったりだと受け、番組によれば国内の冷凍調理ハンバーグで売上ナンバーワンとのことです。ミニハンバーグは発売から50年以上の歴史を持つロングセラーです。そんな定番を、時代に合わせて磨き続けているのです。
2つ目は「牛肉コロッケ」です。北海道産じゃがいもを100%使い、衣はサクサク。時間がたっても揚げたてのようなサクッと感が人気で、番組によれば国内の冷凍調理コロッケで売上1位です。
お弁当向けの定番を守りながら、夕飯向けの特からという新しい市場も切り開く。守りと攻めの両方で結果を出している点に、藤井さんの”連発力”を感じます。
社員が語る藤井さんは「超絶オタク」?ヒットを生む素顔
では、なぜ藤井さんはヒットを連発できるのでしょうか。番組がニチレイフーズの社員に人柄を聞くと、驚きの言葉が返ってきました。
ある社員は「本当に変わっていて、超絶オタクというか、食のオタク」と話していました。別の社員は、ストイックさや”変態さ”がヒット商品を生んでいるのでは、と評していました。
ナレーションも「さっきまでそんな感じは全然なかった」と戸惑うほどで、取材の場では穏やかな印象の藤井さんです。進藤さんは「シェフみたいだね」とコメントしていました。
もちろん、ここでの「変態」は最大級の褒め言葉でしょう。一つのことを人が引くほど突き詰める姿勢を、同僚たちが敬意を込めてそう呼んでいる。そんな空気が伝わってきて、チームの風通しの良さも感じられる場面でした。
人気店のから揚げを計測!数字で語るニチレイ流の開発法
番組では、藤井さんが一人で開発する現場を特別に見せてもらっていました。
ある日の藤井さんは、都内の人気店で買ってきたから揚げやコロッケをずらりと並べます。すぐに食べるのかと思いきや、始めたのは計測でした。から揚げは1個ずつ重さを量ります。コロッケは長さと厚みを測ったあと、横にスライスしていました。社内では通称「コロッケ切り」と呼ぶそうです。最後は衣の厚さまで測っていました。
藤井さんは、その理由を「数字で語りたい」と説明しました。数字以上に絶対的なものはない、という考えです。データを入力してから、ようやく試食。こうして、おいしさと数値の関係を頭に徹底的に叩き込んでいるのです。
この積み重ねがあるので、試食したコロッケにも「衣が少し厚く、芋の良さを邪魔している。パン粉をあと1ミリくらい薄めにつけたほうがいい」と、数字で的確に指摘できます。加藤さんが言った「黄金比みたいなのがあるんだね」という表現は、まさに言い得て妙でした。
「あと0.5ミリ」の指摘で開発が速くなる理由
数字を武器にする藤井さんの強みは、ほかの社員が作った試作品のチェックでも発揮されていました。番組では、若手社員の試作を試食して、次のようにアドバイスしていました。
- あご出汁を10%くらい、隠し味程度に加えてみる
- 衣は出汁が染みておいしいが、あと0.5ミリくらい薄くするとバランスが良くなるかもしれない
ナレーションが説明していたとおり、細かく数字で指摘すれば、相手にも意図がはっきり伝わります。だから開発のスピードも上がるわけです。
私はここに、藤井さんの方法が”個人技”で終わらない理由があると感じました。「もう少しさっぱり」「なんとなく厚い」といった感覚的な言葉は、受け取る人によって解釈がぶれます。「0.5ミリ」なら誰が聞いても同じです。数字は、ベテランの勘を若手に受け渡すための共通言語なのでしょう。ヒットを連発する人がいる会社は、その人のノウハウがチームに広がる会社でもある。そう教えてくれる場面でした。
まとめ
がっちりマンデー!!で紹介されたニチレイフーズのヒット連発社員・藤井宏之さんのポイントを振り返ります。
- 2017年発売の特からは、藤井さんが一から開発した冷凍からあげNo.1商品
- お弁当用が常識だった冷凍からあげを、夕飯のおかずとして大ぶりに。三度揚げでジューシーさを閉じ込めた
- ミニハンバーグ、牛肉コロッケも、番組によればそれぞれのカテゴリーで売上トップ
- 人気店の揚げ物の重さ・長さ・衣の厚さまで測り、「数字で語る」開発を徹底している
- 「あと0.5ミリ」という数字の指摘が、チーム全体の開発スピードを上げている
食のオタクと呼ばれるほどの情熱と、数字という客観的な物差し。この2つがそろっているからこそ、ヒットが偶然ではなく”連発”になるのだと感じました。次に特からを食べるときは、その大きさや衣の薄さに込められた数字にも思いをはせてみてください。
※ 本記事は、2026年10月18日放送(TBS系)の「がっちりマンデー!!」を参照しています。




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