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【カンブリア宮殿】ウミオス「旧マルハニチロ社名変更の理由」を解説

【カンブリア宮殿】ウミオス「旧マルハニチロ社名変更の理由」を解説 cambria-umios-maruha-reborn
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マルハニチロがなぜ「ウミオス」へ社名を変えたのか、気になっていませんか。2026年6月18日放送のカンブリア宮殿では、売上1兆円企業の大胆なリボーン戦略が明かされました。この記事を読めば、社名変更の理由から池見賢会長の改革、新魚種スギまで一気に整理でき、私たちの食卓と水産業の未来図まで見えてきます。

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ウミオス(旧マルハニチロ)社名変更の理由とリボーン戦略とは

2026年3月1日、長年親しまれてきた「マルハニチロ」という社名が「ウミオス(Umios)」へと変わりました。140年以上の歴史を持ち、国内で上場している水産企業では売上トップ。番組によると、その売上は2026年3月期で1兆1058億円にのぼり、2位のニッスイ(9312億円)、3位の極洋(3346億円)を大きく引き離しています。これほどの知名度と実績を持つ社名を、なぜわざわざ手放したのでしょうか。

池見賢会長の答えはシンプルで、「今変わらなければ我々に未来はない」というものでした。今回の社名変更は、見た目だけのイメージチェンジではありません。企業文化そのものを作り替える「リボーン(生まれ変わり)」と位置づけられています。社名と同時に本社も豊洲から高輪ゲートウェイシティへ移し、外にも社内にも「本気で変わる」という覚悟を示したわけです。

筆者が注目したいのは、これだけ磐石な企業がトップ自ら危機感を口にしている点です。業界1位という立場は、本来なら現状維持の誘惑が最も強い場所です。そこであえて社名という最大の資産を賭けに出した判断には、後述する「ある弱点」を克服しなければならない、という切実な背景がありました。

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カンブリア宮殿で池見賢会長が語った「改革の意図」

浅見賢

ウミオスの浅見賢会長                                (引用:「カンブリア宮殿」より)


池見会長
が改革の意図として語ったのは、外部環境の激変に耐えられる「強い組織」を作るという危機意識でした。池見会長が社長に就任したのは2020年。新型コロナの真っ只中で、本人いわく1年半ほどは事務所でじっとしているしかなかったといいます。その後、経済活動が再開すると、今度はエネルギーや原材料の高騰、歴史的な円安が次々と襲ってきました。

こうした不確実性のなかで、「あらゆる環境にしっかり対応できる強い組織がやはり必要だ」と痛感したことが、リボーン戦略の出発点だったと番組では語られています。

ここに、この改革のユニークさがあると筆者は考えます。社名変更というと「攻めの拡大」を連想しがちですが、池見会長の動機はむしろ有事に耐える「守りの強さ」にあります。派手な成長戦略ではなく、組織の体質改善を起点に据えているからこそ、社内外への説得力が生まれているのではないでしょうか。

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「ウミオス」という社名の由来|海・One・Solutionに込めた意味

新社名「Umios(ウミオス)」には、明確な意味が込められています。「Umi(海)」を起点に、ステークホルダーや地球と一つになる「One」、そして食を通じて社会課題を解決する「Solution(s)」の頭文字を組み合わせた造語です。番組では、ニューヨークの弁護士でもある外国人の社外取締役から「日本語を入れろ」と助言を受けたことが、「Umi」を採用するきっかけになったと明かされました。海外でも覚えやすく、グローバル展開を見据えた名前というわけです。

一方で、ネット上では「マルハニチロのままでよかった」「osが何を指すのか分かりにくい」「語感がダサい」といった声も少なくありません。たしかに「Umi」は直感的でも、「O=One」「S=Solution」を一発で連想するのは難しく、説明されて初めて腑に落ちる名前です。

ただ筆者は、この分かりにくさは長期的なブランド設計とのトレードオフだと見ています。国内だけで通じる略称より、海外で発音しやすく意味を語れる名前を取った。短期的な違和感を許容してでもグローバルへ舵を切る、その意思表示としては一貫した選択だといえます。

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マルハニチロ統合の歪み|「足し算」から「掛け算」への真の統合

そもそもマルハニチロは、2007年に2つの巨大企業が経営統合して生まれた会社です。水産物の調達という「川上」に強い旧マルハ(1880年創業の大洋漁業がルーツ。捕鯨で躍進しました)と、加工・販売という「川下」に強い旧ニチロ(1907年創業。あけぼの印の鮭缶で知られます)。原料調達から販売までを一手に担う超巨大企業の誕生でした。

ところが、強者同士の統合ゆえに相乗効果は思うように生まれませんでした。組織は縦割りで、旧マルハ派と旧ニチロ派の間には溝が残り、時には隣の部署を押し退けて利益を出そうとすることもあったといいます。子会社の多くは以前の社名を使い続け、主力商品にもマルハ単独のロゴや「あけぼの」という古いブランド名が残っていました。

池見会長はこれを「足し算でしかない」と表現します。同じ会社で業容を大きくするなら、どこかで「掛け算」をしないとうまくいかない、というわけです。ちなみにプロ野球の横浜DeNAベイスターズは、34年前まで旧マルハの前身・大洋漁業がオーナーだった「大洋ホエールズ」がルーツで、ここにも同社の長い歴史がにじみます。

筆者の見立てでは、社名変更は派閥の溝を物理的に消すための装置でもあります。両社の名を残す限り「どちらの出身か」が意識され続ける。どちらでもない「ウミオス」だからこそ、真の統合の象徴になり得るのです。

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池見賢の経歴|ソロモン諸島・タイ駐在から改革の旗手へ

改革を率いる池見会長の経歴は、いかにもこの役割にふさわしいものです。京都大学を卒業後、海外勤務を志望して当時の大洋漁業に入社。希望どおりいきなり海外事業部に配属され、40代までの大半を海外で過ごしました。ソロモン諸島では沖縄の船員を100名近く呼び、現地の人とともにカツオの一本釣り事業に携わったといいます。その後タイに2回駐在し、合計9年。現地でホールディングスの役員にも就きました。

転機は2013年。本社に呼び戻された理由がふるっています。当時の社長から「これじゃ真の統合になっていない。お前はこれだけ長く海外にいて、誰もどっちの出身か分からないから、ちょうどいい」と託されたのです。社内政治とは無縁の人物だからこそ、改革を任されたわけです。

そして2020年に社長、社名変更後の2026年4月1日には会長兼CEO(最高経営責任者・新設ポスト)に就任しました。社長は安田大助氏(就任時64歳)が引き継ぎ、池見会長(同68歳)との「双頭体制」で海外展開を加速させています。「どちらの派閥にも属さない」という希少性が、人事の核心になっている点は見逃せません。

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リボーン戦略を象徴するオフィス改革と「ワイガヤBar」

リボーン戦略を最も分かりやすく体現しているのが、高輪ゲートウェイシティの新オフィスです。番組が訪ねると、フロアはガラガラ。なんとオフィスの半分ほどが、誰でも自由に使えるフリースペースになっていました。熱帯魚が泳ぎ、テーブルにはカスケード(水の流れ)が配された「都会のオアシス」のような空間もあります。

興味深いのは、経営陣がオフィスの中身に一切口を出さず、予算管理だけを担ったという点です。「ずっと働くのは若い人たちだから、過ごしやすい環境を自分で作ってほしい」という発想です。元々は7割出社の設計でしたが、今ではみんな喜んで出社しているといいます。

さらに、部署横断の交流を生む飲み会「ワイガヤBar」も定期開催。仲良くなりたい部署を招き、売り出したい商品を試食してもらいながら販路拡大を打診する、という実利的な場になっています。経営が口出ししないことそのものが、現場への最大のメッセージになっている。サイロ化した組織を、命令ではなく対話の設計で壊そうとしているのが伝わってきます。

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元資生堂マーケター・北原規稚子が変えたウミオスの商品開発

商品開発の手法も大きく変わりました。これまでは60代前後の役員が最終試食で「油っぽい」「味が薄い」と判断していましたが、池見会長は「あんたたち、ターゲットをどこに置いているんだ」と、まずこのやり方をやめさせたといいます。

北原規稚子

元資生堂のマーケター 北原規稚子さん                        (引用:「AGENDA Note」より)

代わりに招かれたのが、番組で紹介された元資生堂のマーケター・北原規稚子さん。「ツバキ」や「エリクシール」といった有名ブランドをヒットに導いた人物で、「ブランドは会社の物ではなく、お客さんの物です」と語ります。新たな開発では、ターゲット顧客の架空人物像を細かく設定します。たとえば「都内在住・20代独身・中堅私立大卒・年収600万円・1年ほど恋人なし」の男性「健太」になりきり、そのニーズを徹底的に炙り出すのです。

実際、4月発売の赤坂離宮監修の冷凍小籠包では、他部署の社員とその家族に試作品を配り、率直な感想を集めました。「加熱ムラで皮が破け、スープが漏れる」という声が多かったことから、そのまま口に運べるレンゲ型のトレーが採用されています。水産会社が化粧品畑のマーケターを招くという越境こそ、リボーンの本気度の表れだと感じます。

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新魚種「スギ」とAI養殖|ウミオスが描く水産業の展望

リボーン戦略は、生産現場にも及んでいます。背景にあるのは、漁獲量の深刻な減少です。番組によると、40年ほど前は国内の漁獲量が1300万トン近くあったのに、今では360万トン以下まで激減しているといいます。

鹿児島・桜島ではブリやカンパチを養殖していますが、地球温暖化が大きな壁になっています。錦江湾の水温はかつて28度ほどだったのが、今では夏に32度を平気で超えるようになり、魚が餌を食べず成長が遅くなる問題が起きています。そこでウミオスが進めるのが2つの対策です。1つは、海中に沈められる「不沈式」の生簀。水温の低い深さまで生簀ごと沈め、餌は下に送る技術で快適な環境を保ちます。もう1つが、暑さに強い南方の魚種への切り替えです。

スギ

新魚種の「スギ」(引用:「ウミオス」HPより)

その象徴が、奄美大島で挑戦している新魚種「スギ」です。ナマズのような顔をした熱帯性の魚で、最大の特徴は成長の早さ。手のひらサイズの幼魚が半年から1年でぐっと大きくなり、出荷までおよそ2年かかるブリに比べ、最短で4分の1の期間で出荷できます。すでに約3万尾近くの養殖に成功しているとのこと。スタジオで試食した金原ひとみさんは「カンパチですと言われても気づかないかもしれない」と評していました。

加えて、AIによる養殖の進化も見どころです。水中カメラで魚を24時間チェックし、体重や全長、太り具合まで1尾ずつAIが測定。適切な出荷時期や餌の量がデータで分かるため、高騰する餌代の節約にも、与えすぎによる海洋汚染の防止にもつながります。ブリが北海道で、フグが三陸で獲れる時代です。「魚種そのものを変える」という発想は、私たちの食卓の常識を静かに塗り替えていくのかもしれません。

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X(旧Twitter)でのカンブリア宮殿・ウミオス回の反応と考察

社名変更が発表された当初から、Xをはじめとするネット上では賛否が大きく分かれました。否定的な声で目立つのは、「マルハニチロのままでよかった」「なぜローマ字の名前にするのか」「osが分かりにくい」「語感がダサい」といったもの。なかには、CMでマルハニチロという社名を浸透させてきた俳優・高橋一生さんの努力を惜しむ声もありました。一方で、「グローバル企業として刷新するならそれでいい」「第三創業として理解できる」と前向きに受け止める意見も見られます。

筆者が考えるに、こうした違和感の多くは「聞き慣れているかどうか」に起因しており、時間が解決する部分が大きいと思います。実際、過去に社名を変えた企業の多くも、当初の戸惑いを越えて定着してきました。

ただし、楽観だけでは済まない面もあります。営業の現場で「ウミオスです」と名乗ってもすぐには通じにくい、といった切り替えコストは確実に存在します。番組はこの賛否に直接は触れず、変化を前向きに楽しむ姿を描いていましたが、現実の浸透スピードは、商品ロゴやCMでどれだけ一貫して新ブランドを打ち出せるかにかかっているといえそうです。

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まとめ

カンブリア宮殿で語られたウミオス(旧マルハニチロ)のリボーン戦略は、社名変更という大きな賭けを軸に、組織・オフィス・商品開発・養殖までを丸ごと作り替える挑戦でした。池見賢会長の動機が「攻め」よりも「有事に耐える強さ」にあったこと、「足し算」から「掛け算」への真の統合を目指していること、そしてスギやAI養殖に象徴される水産業の展望まで、一本の筋が通っています。社名への違和感は残るものの、変化を恐れず楽しむその姿勢は、先の読めない時代を生きる私たちにとっても、ひとつのヒントになりそうです。

※ 本記事は、2026年6月18日放送(テレビ東京系)の人気番組「カンブリア宮殿」を参照しています。
※ ウミオス(Umios株式会社)の公式サイトはこちら

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