富士フイルムの復活劇をご存知ですか？「がっちりマンデー」で紹介された富士フイルム復活大作戦②では、写真技術から生まれた化粧品ブランド「アスタリフト」の秘密が明かされました。コラーゲンとアスタキサンチンの驚きの関係性や、ナノテクノロジーがもたらした美容革命など、技術の力で肌悩みを解決する方法がわかります。写真と美容の意外な共通点から生まれたイノベーションの世界をのぞいてみましょう。
富士フイルムの化粧品ブランド「アスタリフト」とは
富士フイルムと言えば、多くの方が写真フィルムやカメラを思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、2024年現在、富士フイルムは化粧品分野でも大きな成功を収めています。その中心となっているのが「アスタリフト」というブランドです。
富士フイルム化粧品「アスタリフト」シリーズ （引用：「富士フイルムHP」より）
アスタリフトは、2007年に富士フイルムが立ち上げた化粧品ブランドで、シワやシミなどの肌の悩みをケアする製品を展開しています。特筆すべきは、発売からわずか3年で年間売上100億円を達成したという驚異的な成長速度です。
フィルム技術から生まれた化粧品：コラーゲンの秘密
アスタリフトの成功の裏には、富士フイルムが長年培ってきた写真フィルムの技術があります。その核心となるのが「コラーゲン」です。
コラーゲン（引用：「がっちりマンデー！！」より）
富士フイルムの化粧品開発責任者である柳輝一さんによると、写真フィルムと人の肌には驚くほど共通点があるといいます。その最大の共通点が、どちらもコラーゲンを主要成分としていることです。
人間の肌は約70%がコラーゲンで構成されています。一方、写真フィルムでもコラーゲンは重要な材料の一つとして使用されています。フィルムの光を受ける部分の原料がコラーゲンなのです。
アスタリフトの成功の鍵：年間売上100億円の理由
アスタリフトが短期間で大きな成功を収めた理由は、富士フイルムが持つ独自の技術力にあります。2000年に社長に就任した古森重隆氏は、既存の技術を新しい分野に活かすという戦略を打ち出しました。
その結果、2006年に化粧品開発をスタートさせ、わずか4年後の2010年には年間売上100億円を達成。その後も順調に成長を続けています。
写真フィルムと人の肌の意外な共通点
写真フィルムと人の肌には、コラーゲン以外にも重要な共通点があります。それは「紫外線に弱い」という特徴です。
古い写真が色褪せてしまうのは、紫外線によって色素がダメージを受けるためです。同様に、人の肌も紫外線によってシミやシワが生じやすくなります。
富士フイルムが誇る抗酸化技術：アスタキサンチンの力
富士フイルムは、写真の色褪せを防ぐために長年抗酸化成分の研究を行ってきました。その中から化粧品に適した成分として選ばれたのが「アスタキサンチン」です。
アスタキサンチン（引用：「がっちりマンデー！！」より）
アスタキサンチンは強力な抗酸化作用を持つ成分ですが、水に溶けにくいという特性があります。この問題を解決したのが、富士フイルム独自のナノテクノロジーです。
化粧品開発責任者 柳輝一が語る技術革新
柳輝一さんは、2002年までフィルム開発を担当していましたが、その後化粧品開発に携わるようになりました。彼の経験は、フィルム技術を化粧品に応用する上で非常に重要な役割を果たしています。
化粧品開発責任者の柳輝一さん （引用：「がっちりマンデー！！」より）
柳さんは、「写真フィルムと人の肌は非常に似ているところが多い」と語っています。この洞察が、フィルム技術を化粧品開発に活かすきっかけとなりました。
ナノテクノロジーがもたらした化粧品革命
富士フイルムが開発したナノテクノロジーは、アスタキサンチンを水に溶けやすくする画期的な技術です。
アスタキサンチンを1mmの100万分の1、つまりナノサイズの小さな粒子にすることで、水に溶けやすくしました。この技術により、アスタキサンチンを化粧水や美容液に配合することが可能になりました。
富士フイルムの技術力が生み出す美容イノベーション
富士フイルムの技術力は、単に既存の化粧品技術を改良しただけではありません。フィルム技術を深く追求してきたからこそ、他の化粧品会社が気づかなかった新しいアプローチを見出すことができたのです。
例えば、アスタキサンチンを水に溶かす技術は、フィルムの乳化技術から生まれました。これは、長年フィルム開発に携わってきた富士フイルムだからこそ可能だった革新的な技術と言えるでしょう。
まとめ：写真技術が切り拓く美容の未来
富士フイルムの「アスタリフト」ブランドは、写真フィルムの技術を化粧品開発に活かすという斬新なアイデアから生まれました。コラーゲンやアスタキサンチンといった成分の活用、そしてナノテクノロジーによる革新的な製法など、富士フイルムの技術力が美容業界に新たな可能性をもたらしています。
2024年現在、富士フイルムの年間売上は約3兆円に達し、その中で化粧品事業も重要な位置を占めています。写真フィルムの需要が激減する中で、既存の技術を新しい分野に応用するという戦略が、富士フイルムの大きな復活をもたらしたのです。
今後も富士フイルムの技術力が、美容業界にさらなるイノベーションをもたらすことが期待されます。写真技術と美容の融合が、私たちの肌ケアにどのような革命をもたらすのか、今後の展開が楽しみですね。
（注：この記事の情報は2024年9月時点のものです。最新の情報については、富士フイルムの公式サイトやニュースリリースをご確認ください。）
コメント