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テクノロジー・サイエンス

【いまからサイエンス】自動運転を須田義大が語る「レベル5は遠い?」

【いまからサイエンス】自動運転を須田義大が語る「レベル5は遠い?」 jidounten-suda-level5
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「自動運転って、結局いつ私たちの生活に入ってくるの?」と気になっていませんか。2026年6月3日放送のいまからサイエンスでは、自動運転研究の第一人者・須田義大教授が日本の現在地を解説しました。この記事を読めば、最新技術の中身からレベル5実現の壁、暮らしの激変までが一気にわかり、ニュースの見え方が変わります。

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須田義大教授が解説!いまからサイエンス「自動運転の現在地」とは

2026年6月3日にBSテレ東で放送された「いまからサイエンス」では、自動運転をテーマに、その最前線が語られました。ゲストは、東京工科大学・片柳研究所所長で未来モビリティ研究センター長を務める須田義大教授です。東京大学に35年間在籍し、自動運転だけでなく高齢者や障害者でも使いやすいユニバーサルカーの開発にも取り組んできた、まさに日本の第一人者です。

須田義大

東京工科大学・片柳研究所所長(未来モビリティ研究センター長)の須田義大教授                           (引用:「いまからサイエンス」より)

番組では、サンフランシスコで運転席に誰も座っていないロボタクシーを体験した加藤浩次さんが、その正確さに驚いたエピソードを披露。古旗笑佳アナウンサーが「どこまで信用していいのか不安」と漏らす一方で、須田教授がはっきりと語った結論が印象的でした。それは「自動運転の目的の最たるものは安全性の向上であり、交通事故は相当減る」という見立てです。不安より先に「事故が減る未来」を据える――ここに研究者としての確信がにじんでいました。

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自動運転の仕組みとは?認知・判断・操作を担う最新技術

そもそも自動運転とは何かを、須田教授はとてもシンプルに説明しています。人間が運転するとき、私たちは「認知」「判断」「操作」という3つを絶えず繰り返しています。目や耳、体感で周囲の状況を認知し、アクセルかブレーキかハンドルかを判断し、実際に操作する。この一連の流れをすべて機械が担えば、自動運転が成立するというわけです。

最新の自動運転では、GPSやカメラ、レーダー、各種センサーが人間の「目」となり、AIが「脳」となって、この3ステップを自動でこなします。歴史をたどると、最初に自動化されたのは判断のいらない「操作」の部分でした。1950年代のアメリカで生まれたクルーズコントロールがその原点で、のちに前の車との距離を測る「アダプティブクルーズコントロール」へと進化しています。逆に言えば、判断まで機械に任せる本格的な自律走行は、全状況をセンサーで認識する必要があり、それだけ難易度が跳ね上がるのです。

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注目の最新技術「エンドツーエンド」と従来のルールベースの違い

いま自動運転には、大きく2つの方式があります。一つは、高精度の3次元地図をあらかじめ用意し、人間が決めたルールに沿って走る「ルールベース方式」です。ここで欠かせないのがLiDAR(ライダー)というレーザーで距離を測る技術ですが、これがとにかく高価。Waymoの車両にはセンサーが何十個も付いていると、加藤さんも驚いていました。しかもこの方式は、覚え込ませた道しか走れないという弱点を抱えています。

もう一つが、いま世界的に注目される「エンドツーエンド方式」です。カメラから得たデータだけでAIが人間のように考えて走るため、事前のマップ作成が不要。初めての路地でも走れるのが強みです。イギリスのWayve(ウェイブ)がこの方式を採用し、ソフトバンクグループの孫正義氏が巨額の投資を行い、日産自動車とも提携。2027年の市場投入を目指しています。

ただ、筆者が最も唸ったのは須田教授の指摘でした。人間の見方を模倣すれば、人間と同じようにエラーを起こすかもしれない――つまり、ヒューマンエラーをなくすはずのAIが、人間のミスを再現してしまう恐れがあるのです。安全のための自動化なのに本末転倒になりかねない。この一言に、技術の本質を見抜く目を感じました。

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日本独自の「路車間通信システム」とは?信号機と連携する自動運転

世界がカメラやセンサー競争に明け暮れるなか、日本が世界に先駆けて実用化しているのが「路車間通信システム」です。これは車が単独で頑張るのではなく、信号機や地上のセンサーから情報をもらう仕組み。たとえば「あと何秒で赤になる」という情報を事前に受け取れば、車は前もって減速でき、急ブレーキを避けられます。バスでは車内での転倒事故が深刻なだけに、この滑らかさは大きな意味を持ちます。

加えて、日本ならではの工夫がカーブミラーへの対応です。須田教授いわく、アメリカではカーブミラーをほとんど見かけないとのこと。狭い道や見通しの悪い交差点が多い日本では、カーブミラーを認識して走る技術も求められます。実際、須田教授の東京工科大学では、スクールバスを使った公道での実証実験を実施。ライダーとカメラをそれぞれ10個以上搭載し、車両価格は1億円前後にもなるそうです。車を賢くするだけでなく「道路インフラごと賢くする」発想は、いかにも日本らしい解だと感じます。

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自動運転で事故は減る?須田義大教授が語る安全性の本質

多くの人が抱く「自動運転は本当に安全なのか」という不安。これに対する須田教授の答えは明快で、自動運転の最大の目的は安全性の向上であり、交通事故は相当減るというものでした。根拠はシンプルで、よそ見や判断ミスといったヒューマンエラーがそもそも発生しないからです。

加藤さんの体験談がこれを裏づけます。サンフランシスコのロボタクシーは、路上駐車をウインカーを出して避け、信号のない横断歩道でもきちんと停止し、人が通り終えるとすぐ発進したそうです。「人間の判断より正確で早い」という感想は、机上の理屈ではなく実感としての説得力があります。筆者としては、不安の正体は「機械への漠然とした恐怖」であり、それは正確なデータを前にすれば徐々に和らぐものだと考えます。

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自動運転は中国・アメリカが先行|日本が「遅れる」本当の理由

では、世界で最も進んでいるのはどこか。須田教授は「いま一番進んでいるかもしれないのは中国」と語りました。人口がアメリカも中国も日本のおよそ10倍で、国が決めれば一気に規模が出る。すでに無人のロボタクシーが走っています。

なぜ日本は遅れるのか。番組で核心を突いていたのが「思想の違い」です。欧米や中国はトライ・アンド・エラーで、ミスを許容しながら前進する。イーロン・マスク氏のような推進力はその典型です。一方の日本は「絶対にミスがあってはいけない状態」で路上に出ようとする。須田教授は「技術はあるが、経験がなかなか積めない」「お金のかけ方が違う」と、忸怩たる思いを口にしました。加藤さんは薬の治験を例に、慎重さは美徳だが市場を奪われるリスクもあると指摘。筆者も同感で、安全最優先という日本の価値観を守りつつ、伸ばせる領域は思い切って加速する「二刀流」こそ、日本が選ぶべき道だと思います。

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自動運転レベル4とは?日本の実用化と2027年「全国100カ所」構想

自動運転は、自動化の度合いで0〜5の6段階に分けられます。日本では部分的な自動化のレベル2が主流で、条件付きのレベル3が一部実用化。そして無人運転が可能なレベル4も、特定条件下で認められています。背景には道路交通法と道路運送車両法の改正があり、制度上はすでに「運転手なし」が可能になりました。ただし完全な無人ではなく、遠隔での監視は必要とされています。

国内初の例が、福井県永平寺町で2023年5月に始まったレベル4の自動運転移動サービス「ZEN drive」です。鉄道の廃線跡を活用した約2キロの区間を、遠隔監視のもとで電動カートが走りました。ただ最新の状況では、車両とシステムの保証・保守期間が2026年3月末で満了したことに伴い、2026年4月以降は当面のあいだ運休となっています。国内初の先進事例ですら、維持・更新コストという現実的な壁に直面している――この事実は、自動運転の「実装」と「継続」は別物だと教えてくれる、見逃せないポイントだと感じます。そして政府の目標は、来年にあたる2027年に全国100カ所での実現。現在はおよそ10カ所が認定済みです。対象はバスやトラックなど比較的低速で地域を限定したモビリティが中心で、運転手不足や免許返納で移動手段に困る地方の課題を解く切り札として期待されています。

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完全自動運転「レベル5」はいつ実現?世界が直面する高すぎる壁

番組で最も意外だったのが、レベル4とレベル5の間にある「とてつもない落差」です。レベル4が「できる場所・条件を限る」のに対し、レベル5は条件が一切ない完全自動化。大雨でも雪でも、初めての道でも走れなければなりません。これは人間と同じ認識・判断能力が必要だということで、想定外のあらゆる事態に対応する難しさがあります。

驚くことに、須田教授は「レベル5に到達したメーカーや国はない」と断言しました。アメリカも中国も、技術的にはまだまだ。法律の整備に加え、そうした車が走ることを社会が認めるかという「社会受容性」も大きな壁です。ちなみに高速道路の無人走行も、速度が速い分だけ遠くを見る必要があり、いまどこも実現していません。「完全自動化はすぐそこ」というイメージとの落差こそ、この回最大の学びでした。

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自動運転で車は「所有」から「シェア」へ|暮らしはどう変わる

最後に語られたのは、車のあり方そのものの変化です。自動運転が本格化すると、車は「所有するもの」から「共有=シェアするもの」へと変わる可能性があると須田教授は言います。自分が買い物をしている間、車を走らせて他の人に使ってもらう――そんな使い方も理屈の上では可能になります。止めておく必要がなくなるため、駐車場すら不要になるかもしれません。

これはスマホが登場したときに匹敵する生活の変化です。道路や駐車場の構造が変わり、車が売れなくなる自動車メーカーも出てくるでしょう。須田教授が描く理想は「選べること」。楽をしたい日も、移動を楽しみたい日も、省エネを優先したい日も、その時々で最適な移動を選べる社会です。なお、バスやトラックは無理にレベル5を目指さず、レベル4が到達点でよいという現実的な視点も示されました。

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SNS・Xの反応は?いまからサイエンス自動運転回への声を考察

放送直後、SNSでこの回への明確な大きな反響はまだ大量には見られませんでしたが、自動運転をめぐるネット上の議論の傾向から、視聴者が反応しそうなポイントを考察します。

ひとつは「レベル5はいつ実現するのか」という関心です。ネット上でも、E2E(エンドツーエンド)開発の加速でレベル5への期待が高まる一方、社会受容性の壁から段階的にしか進まないという冷静な見方が共存しています。番組の「世界中どこも未達」という指摘に、期待と落胆の両方の声が集まりそうです。もうひとつは「日本は遅れているのか」という論点。実際には商用ロボタクシーでは米中に数年遅れるものの、市販車レベル3の型式指定は日本が世界初という事実もあり、「遅れではなく異なる戦略」と捉える見方も根強いところです。筆者としては、番組が安易な悲観論に流れず、安全思想の違いとして冷静に整理した点が、視聴者の納得感につながると考えます。

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まとめ

2026年6月3日放送の「いまからサイエンス」では、須田義大教授が自動運転の現在地を等身大に語りました。ポイントは、

(1)目的は安全性向上で事故は相当減ること
(2)ルールベースとエンドツーエンドの2方式があり、日本は路車間通信という独自路線を持つこと
(3)制度上はレベル4が解禁され2027年に全国100カ所を目指すこと
(4)レベル5は世界中どこも未達の高い壁であること
(5)車は「所有」から「シェア」へ変わり、暮らしが激変すること

この5点です。「すぐそこ」のようでいて、社会全体の合意が問われる息の長いテーマ。だからこそ、私たち一人ひとりがどんな移動を選びたいかを考えることが、未来を形づくる第一歩になりそうです。

※ 本記事は、2026年6月3日放送(BSテレ東)の人気番組「いまからサイエンス」を参照しています。

 

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