「がっちりマンデー‼」で紹介されたホテルたいよう農園。1泊8000円に朝と夕の2食が付くと聞くと、安すぎて逆に心配になりませんか。この記事では、農家が営む宿だからこそ実現できる価格の仕組みと、現場で働く人やスポーツ合宿に選ばれ続ける理由を整理します。読み終えるころには、この宿の強さの正体がはっきり見えてくるはずです。
ホテルたいよう農園とは?2食付き8000円で泊まれる「農家が営む宿」
番組が向かったのは、愛媛県西条市。オレンジ色の看板と、玄関前に置かれたオレンジのトラクターが目印という、かなり個性的な外観のビジネスホテルです。館内にもトラクターや豚の絵が飾られていて、正直、初めて見た人は「ここは本当にホテルなのだろうか」と戸惑うかもしれません。
ところが客室に入ると、拍子抜けするほどオーソドックスなビジネスホテルです。派手さはなく、必要なものがきちんと揃った、いわゆる普通の部屋。それで1泊8000円ですから、この時点でも十分お手頃といえます。
規模も小さくありません。番組によれば、ホテルたいよう農園は現在四国に5店舗を展開し、年間12万人が利用。ホテル事業の売上は約10億円にのぼるとのことでした。本田幸久社長は「年々倍増」と語っており、勢いがそのまま数字に表れています。
運営するのは、愛媛県西予市三瓶町に本社を置く株式会社たいよう農園。現在の店舗は徳島県庁前、二番町、松山古三津、西条、屋島の5館で、愛媛・徳島・香川にまたがって展開しています。
スタジオでは友近さんが、松山市随一の飲み屋街である二番町のど真ん中にも同社のホテルがあり、ドラマ撮影の際にスタッフが全員そこに宿泊していたと明かしていました。地元では、すでに「当たり前の選択肢」になっているようです。
朝も夜も食べ放題バイキング!8000円に含まれる食事の中身
この宿の秘密は「夜になれば分かる」と本田社長。夕方6時、フロント横のレストランが開くと、その意味がはっきりします。
そう、8000円に朝食だけでなく夕食のバイキングまで含まれているのです。従業員の二宮亜惟里さんも、朝食と夕食が付いて8000円だと説明していました。並んでいたのは新鮮な生野菜、煮物などのおかず、さらにトンカツ、カレー、豚の角煮まで。栄養バランスもボリュームも申し分ありません。
ここは強調しておきたいポイントです。朝食無料や朝食バイキングは、いまやビジネスホテルの標準装備といっていい状況です。しかし夕食まで込みというのは、かなりの異例。宿泊客が「朝も夜も飯がうまいからここに泊まっている」と語っていたのも納得です。
夕食が付くことの価値は、単なるお得感だけではありません。出張先で店を探して歩き、注文して待って、会計をして戻る。この一連の手間がまるごと消えるのです。疲れて到着した日に、館内でそのまま食べて風呂に入って寝られる。この時間の節約こそ、価格以上の魅力だと感じました。
なぜ2食付き8000円が成り立つのか?本業は養豚と農業だった
これだけ食べさせて利益は出るのか。当然の疑問に、本田社長からは意外な答えが返ってきました。商売の中心は、養豚事業と農業だというのです。
そう、ホテルたいよう農園はもともと養豚業と農業を営む会社。番組によれば、愛媛県南西部の西予市で豚を育て、西条市などでは玉ねぎやキャベツを収穫しています。つまり、バイキングに並ぶ野菜も、トンカツや角煮の豚肉も、すべて自分たちが育てたものなのです。
会社の成り立ちを見ても、この構造ははっきりしています。株式会社たいよう農園は、愛媛県内で養豚業を営む太陽ファームのグループ会社。グループで栽培した野菜や豚肉を食材として活用する地産地消を、そのまま事業の柱に据えています。
ここが決定的です。通常のホテルは食材を仕入れる側ですから、卸や物流のコストが必ず乗ります。しかしたいよう農園は生産者そのもの。中間コストが発生せず、採れたての食材をそのまま調理できます。「安いのに新鮮」という、普通なら両立しない条件が成立する理由がこれです。
さらに驚くのが規模で、加藤浩次さんが「豚が足りなくなるのでは」と心配したところ、同社の橋本奉文さんは、豚はおよそ12万頭いるので大丈夫だと即答していました。この供給力があるからこそ、店舗を増やしても食事の質を落とさずに済むわけです。
重機・建設会社もグループに!建築コストまで内製化する強さ
強みは食材だけではありません。番組によれば、たいよう農園のグループには重機を扱う会社や建設会社も含まれています。
本田社長は、建築を安くするノウハウが積み重なってきており、かなり安価に建てられていると語っていました。ホテル経営において建築費は最大の固定費であり、ここが重ければ、その分は必ず宿泊料金に転嫁されます。逆にいえば、建設を身内で完結できる会社は、最初から低い価格で勝負できるスタートラインに立てるということです。
食材は自給、建物は自前。仕入れと投資という二大コストを内製化しているのですから、8000円で2食付きという設定は無理でも赤字覚悟でもなく、極めて合理的な計算の結果だと分かります。
そしてグループ全体の売上は、番組によれば100億円。報道では、2026年3月期のグループ売上高は110億円規模で、4年後には170億円を見込むとも伝えられています。ホテル事業が約10億円ですから、ホテルは巨大な母体の上に乗った事業ということになります。一般的なホテルチェーンと同じ土俵で価格競争をしているようでいて、実は戦っている場所がまるで違うのです。
現場で働く人たちの栄養源に…連泊需要をつかんだビジネスホテル
このホテルを支えているのが、現場で働く人たちです。番組の取材では、牛の爪を切る仕事で全国を回っている方や、レアメタルのリサイクルプラントを建設しに来ている方の姿がありました。
体を使って働く人にとって、夜にしっかり食べられるかどうかは死活問題です。仕事を終えて疲れ切ってから店を探すのは負担ですし、外食が続けば食費もかさみます。館内でボリュームのある夕食を確実に食べられるという一点が、そのまま「またここに泊まろう」という動機になります。
スタジオでは石田健さんが、全国で建設自体が増えているため、そのニーズをしっかり掴んでいると指摘していました。これは鋭い見方だと思います。観光需要は季節や景気で大きく揺れますが、工事や設備メンテナンスの需要は年間を通じて安定しており、しかも連泊になりやすい。派手さはなくとも、稼働率が読める顧客層を押さえているのです。
同じ回で紹介されたコンテナホテル「HOTEL R9 The Yard」も、工業団地の近くに絞って現場需要をつかんでいます。
スポーツ合宿・遠征で大人気!3ヶ月で37チームが利用した理由
もう一つの大切なお得意さんが、部活動やスポーツクラブの団体客です。番組によれば、今年4月から6月までのわずか3ヶ月間で、実に37ものスポーツチームが利用したといいます。
取材が入った6月の徳島の店舗では、京都のバスケットボールクラブチーム30名が強化試合のため一泊二日で滞在していました。監督が語っていた事情が実に切実です。遠征先で夕食が付いていないと、ファミリーレストランなどを探すことになるものの、20人、30人が一斉に入れる店はそう簡単には見つからないのです。
引率経験のある方なら、この大変さは想像がつくのではないでしょうか。移動で疲れた選手を連れて、夜の街で大人数の入れる店を探し歩く。時間も読めず、費用も膨らみます。夕食バイキングがあるだけで、その苦労がまるごと消えるわけです。
しかも育ち盛りの選手たちには食べ放題という形式そのものがありがたい。カレーを3杯おかわりしたという声もありました。トンカツやカレー、たっぷりの野菜という構成は、まさに彼らのための献立です。
四国5店舗から東広島へ|たいよう農園の出店戦略と今後
勢いは止まりません。番組によれば、四国5店舗に加えて今後は香川に2店舗をオープンする予定で、さらに橋本泰文さんは、2028年に東広島市で1店舗が開業予定であると明かしていました。
注目したいのは、ここで初めて四国の外へ出るという点です。なお公開されている情報では、西条の店舗は2024年10月、香川・屋島の店舗は2025年12月にオープンしており、ここ数年で出店ペースが明らかに加速していることが分かります。
そして東広島市という選択が興味深い。観光地としての知名度で選ぶなら、ほかにいくらでも候補はあります。それでもこの地を選ぶのは、工場や現場の多いエリアで、これまで四国で磨いてきた「現場で働く人と団体客を取る」という型がそのまま通用すると読んでいるからでしょう。
ここでも効いてくるのが12万頭の豚です。食材の供給に余裕があるからこそ、店舗を増やしても「2食付き8000円」という看板を下ろさずに済みます。農業と養豚が、そのまま出店余力になっている。これがこの会社の一番面白いところだと思います。
まとめ
ホテルたいよう農園の強さを整理すると、次のようになります。
- 1泊8000円に朝・夕2食の食べ放題バイキングが付く、異例のコストパフォーマンス
- 本業が養豚と農業で、野菜も豚肉も自社生産。中間コストがかからない
- グループに重機・建設会社があり、建築費まで内製化できる
- 番組によれば、ホテル事業の売上は約10億円、グループ全体では100億円
- 現場で働く人の連泊需要と、スポーツ合宿の団体需要という安定した二本柱
- 四国5店舗から、2028年には東広島市へ進出予定
大手チェーンが資本力で全国を押さえていく中、地方には「そもそも戦い方が違う」宿が確かに存在します。たいよう農園の場合、それは価格競争のうまさではなく、食べ物を自分たちで作っているという、ホテル業の外側にある強みでした。
同じ放送回では、アメニティを一切置かない1泊2000円台の宿「マエノリ・アトハク」も紹介されました。
出張や遠征で四国を訪れる予定がある方は、候補に入れてみると新しい発見があるかもしれません。夜のバイキングを目当てに泊まる、という選び方があってもいいはずです。
*宿泊料金やプラン内容は変動します。ご利用の際は公式サイト等で最新の情報をご確認ください。
※ 本記事は、2026年8月9日放送(TBS系)の人気番組「がっちりマンデー!!」を参照しています。
※ ホテルたいよう農園の公式サイトはこちら




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