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【カンブリア宮殿】「老舗掃除用品メーカーがV字回復」アズマ工業が顧客の声に寄り添うマーケティング戦略とは

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創業128年を誇る老舗掃除用品メーカー、アズマ工業。2000年代の危機を乗り越え、ついに業績V字回復を果たしました。その秘密は、まさに「顧客の声に寄り添う」経営にあったのです。実演販売での生の声収集や、ユーザーと一緒に生み出す商品開発など、アズマ工業が取り組んだ「お客様視点」のマーケティング戦略とは一体どのようなものだったのでしょうか。「カンブリア宮殿」(2024年4月4日放送-テレビ東京系)が、その復活への軌跡に迫ります。

 

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アズマ工業の100年を超える歴史と老舗ブランド力

アズマ工業は1896年、静岡県浜松市で創業した老舗の掃除用品メーカーです。創業から現在まで、実に128年もの歴史を持つ老舗企業なのです。

かつては「吾妻箒」で全国シェアの50%を誇る一大メーカーでした。この「吾妻箒」は、ホウキグサの軸の部分を切り落として均一に整えた座敷ほうきで、当時の主流だった手編みほうきより軽く、しかも安価だったことから大ヒットしました。その後も次々とユーザーの声に寄り添った画期的な商品を生み出してきたのが、アズマ工業の歴史です。

1954年には「カバーほうき」を開発。手で編むのではなく、鉄板を使って挟み込み留めたことで、より低価格で大量生産できるようになりました。その後も1965年に「アズロンモップ」、1967年に「カップクリーン」など、洗剤やモップなど掃除に役立つ製品を次々と世に送り出してきた老舗企業なのです。

 

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「アズマジック」が大ヒットした理由 – 顧客の声に徹底的に寄り添った商品開発

2024年4月4日放送(テレビ東京系)「カンブリア宮殿」では、アズマ工業の復活の舞台裏が詳しく紹介されていました。

その主役となったのが、アズマ工業が開発した洗剤「アズマジック」です。アズマジックは、プロのハウスクリーニング業者が現場で使用した際の効果的な汚れ落ちを踏まえて開発されたものです。

浜松市に住む主婦の清川さんは、レンジフードの汚れがなかなか落ちないと悩んでいました。そこでアズマ工業のハウスクリーニング担当、堀井さんが現場に駆けつけ、アズマジックを使って見事にレンジフードの油汚れを落としてみせたのです。

同様に、浴室のカビ汚れにも有効だとわかり、清川さんは感動の表情を見せていました。これほどの汚れ落ちを実感できる製品は、SNSでも大きな反響を呼び、今やホームセンターの売り場にも専用コーナーが設けられるほどの人気を博しています。

アズマ工業は、プロの声を取り入れながら、一般ユーザーの使いやすさも意識して「アズマジック」を開発したのが、大ヒットの理由だと言えるでしょう。

 

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実演販売による生の声収集とその活用

アズマ工業では、単に製品を売り込むだけでなく、むしろ顧客の生の声を聞き出すことに重きを置いています。

その具体的な取り組みが、ホームセンターなどでの実演販売です。営業部の鈴木さんが実際に店頭に立って、玄関タイルブラシの実演販売を行ったところ、「水をつけるだけでこんなに汚れが落ちるんですか?」と驚きの声が上がりました。

そして、このときの顧客の反応を営業担当者がしっかりとメモに取っていたのです。単に売れ筋商品を売るだけでなく、「どんな汚れに困っているのか」「どんな商品が欲しいのか」といった生の声を集めているのです。

そうして集めた情報は社内で共有され、新商品開発に活かされていきます。

 

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フローリングワイパーの開発秘話

アズマ工業が開発した数々の名品の中でも、フローリングワイパーは特に有名です。

従来のモップは手に持って床を拭く大変な作業でしたが、フローリングワイパーは取り替え可能なシートを使い、立ったまま拭くことができる画期的な商品でした。

アズマ工業フローリングワイパー(出典:「カンブリア宮殿」-テレビ東京系)

ところがアズマ工業が最初にこのアイデアを世に出したときは、なかなか広まりませんでした。ところが、その後花王の「クイックルワイパー」が発売されると一気に市場が広がったのです。

アズマ工業の社長、山下智樹は「助かりましたね」と振り返ります。花王のブランド力もあり、フローリングワイパーの需要が一気に高まったのです。アズマ工業のフローリングワイパーも、一躍脚光を浴びることになりました。

アズマ工業は、常に先駆的な商品を生み出してきましたが、時には先行きが見えずに苦戦することもあったのです。その中で、大手メーカーの参入が、かえって市場を開拓してくれるという、皮肉な展開もありました。

 

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社長山下智樹が取り組むお客様視点の経営

アズマ工業が復活の道を歩み始めたのは、2012年に山下智樹氏が社長に就任してからです。

当時、アズマ工業は100円ショップの台頭などで大きな打撃を受けていました。価格競争に巻き込まれ、売り上げが大幅に減少。社員からも不満の声が上がっていたのです。

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アズマ工業 山下智樹社長(出典:「カンブリア宮殿」-テレビ東京系)

しかし山下社長は、これまでのメーカー目線ではなく、あくまでもお客様の視点に立って経営に取り組むことを決めました。

その第一歩が、実演販売の導入です。店頭で自社製品の使い方を実際に見せ、お客様の生の声を聞き出そうとしたのです。そして、その声を社内で共有し、新商品開発に活かしていきました。

さらに、消費者とともに商品開発を進める取り組みも行っています。フローリングワイパー用クロスの開発では、試作品を使ってもらいながら、利用者の声を直接聞き、改良につなげていきました。

こうした「お客様視点」の経営姿勢が、アズマ工業の復活の鍵となったのです。

 

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売上V字回復に導いた”お掃除塾”による業態転換

アズマ工業は、単に自社製品の販売だけにとどまらず、ハウスクリーニング事業にも進出しています。

その拠点となるのが、浜松市にある「お掃除塾」です。ここでは、ハウスクリーニングの技術研修を行っているのですが、その狙いは2つあります。

1つ目は、ハウスクリーニング業者の育成です。アズマ工業では、元新聞配達員やトラック運転手など、掃除業界未経験の人材を雇用し、徹底的な研修を行っています。エアコンの分解やタイル洗浄の実践など、プロ顔負けの技術を身につけさせるのです。

2つ目は、アズマ工業自身の事業拡大です。研修を受けた人材をフランチャイズ加盟店として全国に展開。自社ブランドのハウスクリーニングサービスのネットワークを広げていくのが狙いなのです。

この「お掃除塾」を起点に、アズマ工業は大幅な売上回復を遂げることができたのです。

 

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地域密着のハウスクリーニングサービスと全国展開

アズマ工業のハウスクリーニング事業は、単なる掃除代行サービスにとどまりません。地域に密着した取り組みが特徴的です。

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アズマのホームクリーニング(出典:「カンブリア宮殿」-テレビ東京系)

たとえば、ホームセンターに代理店を設置し、手軽にクリーニングの注文ができるようにしているのがその一例です。お客様にとっては、身近なホームセンターでサービスが受けられるので安心感があります。

また、アズマ工業の社長自らが、時折店頭に立ち、お客様の生の声を聞き出す取り組みも行っています。商品開発と同様、ハウスクリーニングサービスの改善にもお客様の声を活かしているのです。

こうした地域に密着した活動と、全国規模での展開を両立させることで、アズマ工業はハウスクリーニング事業を大きく成長させてきたのです。

 

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顧客の声を原動力にした老舗メーカーの復活への道のり

アズマ工業が復活した背景にあるのは、まさに「お客様第一主義」の経営姿勢でした。

創業128年の老舗企業ではありましたが、2000年代に入ると100円ショップの台頭などで大きな打撃を受けます。そのような中で、山下社長は「メーカー目線ではなく、お客様の立場に立つ」ことを決意。

実演販売で生の声を収集し、商品開発にフィードバックする。消費者と一緒に新商品を生み出す。ハウスクリーニング事業を通じて地域に密着する。

こうした取り組みが、徐々にではありますが、確実にアズマ工業の業績回復につながっていったのです。

SNSで話題となった「アズマジック」をはじめ、プロの声を反映した洗剤や、使いやすさを追求した掃除グッズ。いずれも、お客様の目線に立って生み出された製品です。

その一方で、ハウスクリーニング事業の拡大にも注力。プロの技術を一般ユーザーに提供し、さらに全国展開を進めることで、安定収益の確保にも成功しています。

まさに「お客様視点」が、アズマ工業の復活の原動力となったと言えるでしょう。

 

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【まとめ】客の声に寄り添うマーケティング戦略がもたらしたアズマ工業の成功

アズマ工業は、創業128年の老舗掃除用品メーカーです。「カバーほうき(吾妻箒)」や「フローリングワイパー」など、数々の名品を世に送り出してきたブランドです。

しかし、2000年代に入ると、100円ショップの台頭などで大きな打撃を受け、一時は苦境に陥りました。そんな中で、2012年に山下智樹が社長に就任。その後、アズマ工業は見事なV字回復を遂げるのです。

その原動力となったのが、まさに「お客様視点」への徹底的なシフトでした。実演販売やユーザーとの共同開発など、顧客の声に真摯に耳を傾ける取り組みを続けてきました。

そうして生み出されたのが、SNSで話題となった高性能洗剤「アズマジック」や、使いやすさにこだわった掃除グッズ。さらには、ハウスクリーニング事業の拡大にも成功しています。

まさに「お客様第一主義」が、アズマ工業の復活のカギとなったのだと言えるでしょう。老舗メーカーが、なぜ今日なお高い支持を得られているのか。その秘密は、まさにここにあるのです。

 

アズマ工業のHPはこちら

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